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- 消化器外科手術の流儀 トップナイフのロジック&テクニック
商品情報
内容
本書では、上下消化管に肝胆膵を含めた、すべての消化器領域をカバーして、各領域のスペシャリストによる手術手技(テクニック)と、それを裏付ける思考過程(ロジック)について詳しくまとめています。
また、各領域ごとに取り上げた内容は、開腹・内視鏡・ロボットなどの術式にかかわらず、いずれも経験豊富な優れた術者である執筆陣が選りすぐった学びの多い(コツやピットフォールに焦点を当てた)ケースばかりを集めています。
果たして消化器外科手術の巧者たちは、術前・術中いかに考えを深めながら戦略を立て、ここぞという時にどのようなアプローチを行い、ときに難航する状況をいかに乗り越えながら手術を成功まで導くのか。
本書には、単なる知識や技術だけではない、それらを日々の経験や修練によって高いレベルにまで向上させた、トップナイフと呼ばれる巧者だけが持ちうる流儀に溢れています。
さらなる高みへ踏み出すための具体的なヒントや道筋の発見にお役立てください。
序文
序文
手術は科学(Science)と技術(Art)の両面で構成されています.現在,Scienceとしての手術の知識はシミュレーションやナビゲーションの登場で大きく変化し,Artとしての技術の蓄積はエネルギーデバイスやロボット手術により新たな発展があります.本書は,トップナイフのLogic & Techniqueという副題を付け新たな知識や技術を存分に網羅しました.私の30年近くとなった外科医のキャリアから見ても,巧者の手術には手技に術者の信念が宿りその結果,ScienceとArtの融合が,すべての手術を成功へと導くLogicへと結実しているように感じます.
手技(Technique)は,先輩医師の模倣からはじまり,段階的に会得するものでした.よって,高精度の反復を経て会得の状態になるまでに時間を要しました.現在,手技という側面だけで見れば,紙の手術書から動画へと教材が移ることで技術の習得時間は格段に短くなっています.一方,更なる高みへ一歩を踏み出すためには自身の手技の体系化が必要で,ここにはLogicが必要となります.良く練られた手術戦略や無駄の無い手技に感動したことは数多く,これらを自在に駆使できる外科医には必ずLogicがあります.手術巧者とは華麗な技術よりも,豊富な知識で正しい戦略を立てることができる人を指し,私も外科医の目標としています.
本書は,『肝胆膵高度技能専門医』や『内視鏡外科技術認定医』を目指す医師や取得した医師を対象としています.手術手技では,コツやピットフォールという言葉をよく耳にします.技術と知識の融合を会得した外科医の要点をコツと言い,誰もが経験する痛い体験で,一定の法則下で高頻度に起こる事象をピットフォールと言います.専門職への登竜門に立った先生方に自身の手術戦略やアプローチを考え,知識と技術をさらに高めるために手術巧者よりコツやピットフォールを提供してもらうことで,より短時間のうちにスキル向上に貢献できると信じています.さらに,「開腹手術」,「内視鏡手術」,「ロボット手術」と消化器外科全般に関わる様々な視点の考え方をバランスよく盛り込んでいます.
近年,ビデオ動画を用いた発表も多くなり,アプローチや術式の断片を見た時に,手技の共通点や施設毎の独特な手技を見られるようになりました.一方,専門性が高まる程,他領域への感心が薄くなることは事実です.本書の原稿を通読すると,ハッとする手術のコンセプトや戦略に多く遭遇します.専門分野以外のコツやピットフォールは他領域手術と共通なことも多く,新たな発見が隠れていることもあります.本書では,そのようなヒントを各所に見つけることができるでしょう.
外科医は,手術により患者さんの命を預かる責任があり,絶えず知識と技術の向上と責任が求められます.本書は,技術だけでなく知識と戦略を磨がきたい医師になるための情報を多く含んでいます.次世代の外科医にとって思いもよらぬ発見の書として存在することを切に願います.最後に,本書は手術手技研究会の監修で刊行されました.共同監修者の,髙山忠利先生,土岐祐一郎先生に御礼を申し上げます.さらに,臓器別各章を構成いただきました主筆の先生方,各章を執筆されたトップナイフの先生方に深謝申し上げます.
令和5年10月
国立病院機構・災害医療センター外科
日本大学消化器外科・診療教授
山崎慎太郎
目次
Part1:食道
1.根治的化学放射線療法後サルベージ手術の極意
2.縦隔鏡下食道切除術を汎用性高く安全確実に行うために
3.胃切除後・胃癌合併食道癌切除後再建法
4.気道損傷・大動脈出血・再建胃管壊死の対応
Part2:胃
1.食道胃接合部癌に対する鏡視下での経裂孔的下縦隔郭清
2.腹腔鏡下噴門側胃切除における食道残胃吻合
3.腹腔鏡下/ロボット支援脾門郭清手技のコツ
4.ロボット支援下大動脈周囲郭清の手術手技
Part3:肝臓
1.尾状葉肝癌切除の極意
2.肝がんに対する肝切除-残肝容量不足の克服-
3.ICG蛍光法を併用したGlisson鞘アプローチによる低侵襲解剖学的肝切除
4.腹腔鏡下肝切除における出血のコントロールと術中トラブルの対応
Part4:胆道
1.遠位胆管癌に対する膵頭十二指腸切除−膵癌とは何が違うか
2.肝左三区域・尾状葉切除のコツとピットフォール
3.胆管を肝門板の高さで切除する“肝門板切除”の適用と手技の実際
4.右側肝切除における胆管切除限界
Part5:膵臓
1.Mesenteric Approac
2.腹腔動脈合併尾側膵切除術における工夫
3.腹腔鏡下膵切除術(膵頭十二指腸切除術)
4.ロボット支援下膵頭十二指腸切除
Part6:結腸
1.腹腔鏡下結腸右半切除術 -安全なCME/CVLのポイント
2.横行結腸癌切除の極意-大網癒合を熟知する
3.体腔内吻合のコツとピットフォール
Part7:直腸
1.ロボット手術の極意
2.側方リンパ節郭清の治療成績と、質の高い郭清を行うコツ
3.TaTMEのピットフォール
4.他臓器合併切除の適応と手技
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書籍情報
- ISBN:9784765319683
- ページ数:304頁
- 書籍発行日:2023年10月
- 電子版発売日:2023年10月16日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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