読む肺音 視る肺音 第2版 病態がわかる肺聴診学

  • 書籍発行日 : 2020年4月
  • 電子版発売日 : 2020年4月15日
2,860
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 52pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

大好評の『肺聴診学』の改訂版! 肺音の発生機序から病態や重症度、そして臨床診断まで迫っていく『肺聴診学』を解説した実践書。肺音の解析画像によって視覚的に音の形態を理解し、Webでさまざまな正常・異常肺音をダウンロードして聴き比べることで、聴診のコツが体感できる。さらに予習に役立つWeb講義動画の配信や復習のための確認問題も収載! これから肺聴診を学ぶ人も、教える人にも。至れり尽くせりの入門書。

序文

初版の序〜発刊にあたって〜

「読む肺音 視る肺音─病態がわかる肺聴診学」は,これから聴診器を手にする人達のために執筆しました。また,この本は医学教育に携わる人の聴診器と肺音への理解を深めることを目的としています。若い人達が実習の現場でもち歩き医療面接を基に,肺音の発生機序から聴診音を理解し,聴診音から病態を推察する思考過程を手助けするように配慮しています。肺音に耳を澄ますと呼吸音の発生機序から,呼吸を営む肺の驚異的な構造がみえてきます。

身体診察には五感を鋭く働かせることが重要です。聴診器は科学が進歩した今も医療人が最初に手にする診療器具ですが,その構造と特性,肺音の発生機序と伝播について学ぶ機会がありませんでした。身近な肺聴診に関して「読む,視る,聴く」教育資材は乏しく,1985年の「肺の聴診に関する国際シンポジウム」での肺音分類も未だ十分に普及していないのが現状です。その理由は,これまで肺聴診の教育と習得は,呼吸生理学,音響学,流体音工学の科学的な成果を考慮しない経験的なものになっていたからです。近年の画像診断の進歩と相俟って,さらに肺聴診が軽視されていることは否めません。多くの教育者や臨床医は科学的な根拠がない経験的な知識だけで,曖昧な肺聴診での教育と診療を行っていたように感じられます。呼吸器疾患には,画像所見だけで診断できないものが多数あります。実地医療では,聴診によってごく初期の肺炎を発見し,聴診所見の変化で処方を変更することもしばしば経験します。本書は,身近で手軽な診療器具である聴診器を生涯にわたって,有効に活用するためのものです。

1816年,仏国の臨床病理学者ラエネックは子供たちが遊ぶ姿から木製聴胸器(聴診器)を考案,1819 年に聴診所見と病理所見を対比して「間接聴診法」を著し,肺聴診学を確立しました。私の母校,1857年創立の長崎大学医学部にある長崎大学附属図書館医学分館には,日本最古のラエネック型木製聴胸器が保存されています。この聴胸器は1848 年,日本へ種痘をもたらした出島商館医オットー・モーニッケが欧州から長崎の出島へ持参したものです。この地から日本の西洋医学教育,種痘,そして肺聴診学が始まりました。ここにラエネックの木製聴胸器から約200年を経て,改めて彼の偉業を称え,未来を担う若い医療人のため現代版「肺聴診学」を著しました。

より完成した肺聴診学の実学書をめざして,皆様からのご意見を求めています。川崎医科大学呼吸器内科ホームページへ忌憚のないご意見をお寄せください。この現代版「肺聴診学」が多くの方に使われ,聴診技の向上と何よりも病める人達のため大いに役立つことを願っています。

最後に,多忙な診療の中で聴診音の収録に協力いただいた教室員の皆様,肺音解析ソフトEasyLSAの使用を快諾して頂いた国立病院機構福岡病院の中野 博先生に厚く御礼申し上げます。

2014年4月

岡 三喜男

目次

I部 気管支と気流Bronchus/Bronchi and Airflow

1気管支の分岐と構造

2呼吸と気流

3気流と呼吸音の発生

4肺音の生理

Column 聴診器の歴史

II部 肺音と聴診Lung sounds and Auscultation

1肺音Lung sounds

 A肺音、呼吸音、副雑音

 B用語と分類

 C発生機序と音の伝播

2聴診Auscultation

 A聴診器の構造と特性

 B聴診法

 C聴診部位と呼吸音

 D聴診所見の記録(肺聴診図)

 E聴診から疾患へ

Column 気管支体操

III部 肺音の解説

1音の三要素

2肺音を視る

 A肺音のスペクトログラム

 B時間軸波形

 Cパワ-スペクトラム(またはスペクトル、周波数分析、フ-リエ解析)

 D例1:白色雑音(気管音)の時間軸波形

 E例2:いびき音の時間軸波形とパワ-スペクトラム

3肺音の特徴

 A肺音の分類

 B気管呼吸音Tracheal sounds

 C気管支呼吸音Bronchial sounds

 D気管支肺胞呼吸音Broncho-vesicular sounds

 E肺胞呼吸音Vesicular sounds

4異常呼吸音Abnormal respiratory sounds

 A減弱・消失・増強Diminished/Distant、Absent/Increased

 B気管支音化Bronchial breathing

5副雑音Adventitious sounds

 A連続性ラ音Continuous sounds

  いびき音Rhonchus/Rhonchi

  笛音Wheeze/Wheezes

  スクウォ-クSquawk/Squawks、Short wheeze/wheezes

 B断続性ラ音Discontinuous sounds

  水泡音Coarse crackle/crackles

  捻髪音Fine crackle/crackles

6その他

 A胸膜摩擦音Pleural friction rub/pleural rubs

 BHamman's sign

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:31.4MB以上(インストール時:65.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:125.6MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:31.4MB以上(インストール時:65.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:125.6MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784307101998
  • ページ数:0頁
  • 書籍発行日:2020年4月
  • 電子版発売日:2020年4月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。