身につく漢方処方 -基本30生薬と重要13処方-

  • ページ数 : 266頁
  • 書籍発行日 : 2013年5月
  • 電子版発売日 : 2013年7月12日
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商品情報

内容

保険診療上用いられる漢方処方は約150種。しかしその全てを覚える必要はあるのでしょうか? 答えはNOです。

漢方理解の近道は「その処方がなぜよいのか、なぜそのような効果をもつのか」という本質を理解すること。

本書では、30の基本生薬と13の重要処方を徹底的にレッスンします。

序文

まえがき

漢方臨床では,各病態においていくつかの漢方処方を使い分けることが大事です.

漢方処方は本来,各患者の各病態に合わせて複数の生薬をブレンドして作られる複合体でした.必然的に,各生薬の作用に関する知識が要りました.しかし,現在は漢方エキス製剤を使うことがほとんどということもあって,多くの医師は,「1つの漢方処方=1個の漢方エキス製剤=1個の薬」という思考に慣れています.この思考法は,ある漢方処方の作用を大まかに把握するのには役立つものの,細かい点がつかめませんから,肝腎の処方の使い分けにおいて困難を来します.したがって,各生薬の作用に関する知識がやはり不可欠なのです.

さて,147種類の漢方エキス製剤を"完成品"とすれば,これを作るのに必要な "部品"(生薬)の数はわずか120種類です.しかも,"頻用部品"はだいたい決まっていて,もっと数が絞られます.完成品の作用は,部品の作用を総合したものですから,生薬(部品)の作用を理解・記憶してしまうほうが,結果として処方(完成品)についてもより正確に,より少ない労力で理解・記憶できるようになるというわけです.

この本は,漢方の初学者の方に,各漢方処方の作用を構成生薬の作用から理解する「急がば回れ」方式で学んでいただこうというものですが,漢方臨床をある程度実践している先生方も,ぜひ本書を手に取ってみてください.処方をもっと柔軟に,もっと自信を持って使い分けることができるようになると思います.

2013年3月 入江祥史

2013年 3月

姫井 昭男

目次

1章 漢方処方の使い分けは結構面倒だ

漢方処方についての理解の近道とは―漢方処方と生薬

漢方処方は比較的数少ない生薬の"組合わせ"

漢方処方を理解・記憶するもうひとつの秘訣

最小限の努力で最大の効果を

2章 漢方の理論

漢方薬の使い方とは

漢方理論学習のすすめ

現代医学と同様,基本が大事

漢方理論 体の仕組み

陰陽

気血

臓腑

病気とは

病気の原因

病気が起こるメカニズム

診断・治療

八綱分類

治療

3章 漢方処方と治療 ベースになるのは13処方

1.汗法(1)

桂枝湯

【重要処方1:汗法の代表①】桂枝湯

●重要生薬1●桂皮の作用

●重要生薬2●生姜の作用

●重要生薬3●芍薬の作用

甘麦大棗湯

●重要生薬4●大棗の作用

●重要生薬5●甘草の作用

芍薬甘草湯

漢方処方の使い方

桂枝湯の使い方

桂枝湯関連処方

2.汗法(2)

桂枝加芍薬湯

小建中湯

黄耆建中湯

桂枝加黄耆湯

●重要生薬6●黄耆の作用

当帰建中湯

●重要生薬7●当帰の作用

桂枝加厚朴杏仁湯

桂枝加竜骨牡蛎湯

●重要生薬8●牡蛎の作用

桂枝加朮附湯

●重要生薬9●朮の作用

●重要生薬10●附子の作用

桂枝加芍薬大黄湯

大黄甘草湯

●重要生薬11●大黄の作用

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

3.汗法(3)

【重要処方 2:汗法の代表②】麻黄湯

●重要生薬12●麻黄の作用

●重要生薬13●杏仁の作用

葛根湯

桂枝加葛根湯

葛根湯加川芎辛夷

●重要生薬14●川芎の作用

辛夷清肺湯

升麻葛根湯

乙字湯

桂麻各半湯

小青竜湯

●重要生薬15●半夏の作用

苓甘姜味辛夏仁湯

4.汗法(4)

麻黄附子細辛湯

麻杏甘石湯

●重要生薬16●石膏の作用

五虎湯

越婢加朮湯

麻杏薏甘湯

薏苡仁湯

神秘湯

5.吐法・下法

【重要処方3:下法の代表】大承気湯

●重要生薬17●厚朴の作用

●重要生薬18●枳実の作用

麻子仁丸

通導散

●重要生薬19●陳皮の作用

調胃承気湯

桃核承気湯

大黄甘草湯

潤腸湯

6.清法(1)

【重要処方4:清法の代表①】黄連解毒湯

●重要生薬20●黄連の作用

●重要生薬21●黄芩の作用

●重要生薬22●山梔子の作用

三黄瀉心湯

茵蔯蒿湯

梔子柏皮湯

三物黄芩湯

●重要生薬23●地黄の作用

温清飲

柴胡清肝湯

●重要生薬24●柴胡の作用

●重要生薬25●桔梗の作用

桔梗湯

桔梗石膏

排膿散及湯

竜胆瀉肝湯

●重要生薬26●沢瀉の作用

荊芥連翹湯

清上防風湯

防風通聖散

五淋散

●重要生薬27●茯苓の作用

7.清法(2)

【重要処方5:清法の代表②】白虎加人参湯

●重要生薬28●人参の作用

消風散

辛夷清肺湯

●重要生薬29●麦門冬の作用

麦門冬湯

清肺湯

竹筎温胆湯

滋陰至宝湯

滋陰降火湯

8.温法

【重要処方6:温法の代表】人参湯

桂枝人参湯

呉茱萸湯

附子理中湯

大建中湯

苓姜朮甘湯

当帰湯

安中散

真武湯

9.補気法

【重要処方7:補法の代表 ①補気】四君子湯

六君子湯

啓脾湯

帰脾湯

加味帰脾湯

酸棗仁湯

補中益気湯

清暑益気湯

平胃散

10.補血法

【重要処方8:補法の代表 ②補血】四物湯

芎帰膠艾湯

当帰飲子

七物降下湯

十全大補湯

人参養栄湯

猪苓湯合四物湯

猪苓湯

当帰芍薬散

疎経活血湯

大防風湯

川芎茶調散

温経湯

五積散

11.補陰法

【重要処方9:補法の代表 ③補陰】六味丸

●重要生薬30●牡丹皮の作用

八味地黄丸

牛車腎気丸

滋陰至宝湯

滋陰降火湯

清心蓮子飲

炙甘草湯

12.理気法

【重要処方10:消法の代表 ①理気】半夏厚朴湯

小半夏加茯苓湯

二陳湯

茯苓飲

茯苓飲合半夏厚朴湯

半夏白朮天麻湯

香蘇散

参蘇飲

釣藤散

抑肝散加陳皮半夏

抑肝散

13.利水法

【重要処方11:消法の代表 ②利水】五苓散

茵蔯五苓散

胃苓湯

苓桂朮甘湯

【重要処方12:消法の代表 ③活血】桂枝茯苓丸

苓姜朮甘湯

二朮湯

防已黄耆湯

木防已湯

14.活血法

【重要処方12:消法の代表 ③活血】桂枝茯苓丸

桃核承気湯

桂枝茯苓丸加薏苡仁

大黄牡丹皮湯

腸癰湯

加味逍遙散

治打撲一方

治頭瘡一方

十味敗毒湯

15.和法

【重要処方13:和法の代表】小柴胡湯

小柴胡湯加桔梗石膏

柴胡加竜骨牡蛎湯

柴胡桂枝湯

柴朴湯

柴苓湯

柴陥湯

神秘湯

大柴胡湯

柴胡桂枝乾姜湯

四逆散

女神散

半夏瀉心湯

黄連湯

あとがき

生薬・処方一覧

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498069022
  • ページ数:266頁
  • 書籍発行日:2013年5月
  • 電子版発売日:2013年7月12日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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