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- 精神科治療薬ハンドブック 改訂7版
商品情報
内容
改訂7版では新しく登場した薬物をはじめ、従来薬でも適応拡大、使用上の注意の改訂、副作用等、添付文書に反映された事項など必要な情報を記載。精神科領域の治療薬について、その選び方・使い方を具体的かつ簡潔に示すハンディなベッドサイドマニュアル。
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序文
7版の序
昨今の医学界では分子生物的研究や画像診断技術が発展し,身体疾患ではその疾病の病態生理が明らかにされたものが多い.そのような疾患ではゲノムに則り最適の薬剤の選定が科学的になされ無駄のない治療が可能となる.特にがん治療の領域ではAI(人工知能)を駆使することにより,より効果的な治療が可能となっている.
一方,精神科領域では主要な疾患も客観的な所見に乏しく,その病態生理も解明されていない.このような状況下においては,臨床医は自らの判断でより有効と思われる薬剤の選択をしなければならない.それゆえ日ごろから向精神薬に知悉していることが要請される.本書はその際の手引きとして1999年に初版が出版された.その後常に最新の情報の提供を心掛け改訂を繰り返した.改訂第6版は2010年に刊行されており7年が経過した.第7版の改訂に際しては新しく登場した薬物をはじめ,従来薬でも適応拡大,使用上の注意の改訂,副作用等,添付文書に反映された事項など必要な情報を記載した.精神疾患の治療に際して正しい診断,症状の適切な把握のもと科学的,合理的な薬物療法を行う際の座右の手引書として本書がお役に立つことを願っている.
2017年5月
上島 国利
初版の序
本書は主として精神科領域で用いられる向精神薬のうち,精神科治療薬および狭義の向精神薬以外の抗てんかん薬,抗Parkinson 薬,抗酒薬,脳機能改善薬などについて解説したものである.
まず総論として各薬効群の開発史から基礎薬理,その効能効果,副作用につき述べられる.各論では現在臨床で使用が認可されている薬剤総てについて記載がなされている.その際基本となる薬剤や新薬,使用頻度が高い薬剤などについては,より詳細な解説がある.いずれにしろ総ての薬剤の適応・剤型・用量用法・禁忌・相互作用・副作用や使用上の注意については,記述されている.それゆえ,臨床の現場に備えて常に参照して頂くことにより,日常使われる薬剤の必要な知識が得られるように工夫されている.本書の活用により,適切な薬剤が選択され,適正に用いられ,副作用が防止されるように願っている.
なお精神科領域の薬剤は長期間にわたり使用されることが多く,それに伴いさまざまなタイプの副作用が出現してくる.添付文書もそれらに応じてしばしば改訂される.それらの情報には敏感でありたいし,本書にも反映させたい.本書が現代の向精神薬療法に際して実際的な指針の参考になれば幸いである.
1999年6月
上島 国利
目次
総論
I 向精神薬の概念
1 向精神薬とは
2 向精神薬の分類
II 向精神薬による精神障害の治療
1 向精神薬の効果・効用
2 向精神薬投与に際して
3 向精神薬の適切な用い方
III 主な向精神薬
A 抗精神病薬
1 歴史
2 分類
3 薬理作用,薬物動態
4 適応
5 副作用
B 気分安定薬
1 歴史
2 薬理作用,薬物動態
3 適応
4 副作用
C 抗うつ薬
1 歴史と分類
2 薬理作用,薬物動態
3 適応
4 副作用と安全性
D 抗不安薬
1 歴史と分類
2 薬理作用,薬物動態,力価
3 適応
4 ベンゾジアゼピン系抗不安薬の副作用
E 睡眠薬
1 歴史と分類
2 薬理作用,薬物動態
3 適応
4 副作用
F 抗てんかん薬
1 歴史と分類
2 薬理作用,薬物動態
3 適応
4 副作用
5 副作用出現時の対応
G その他の薬剤
1 抗Parkinson薬
2 抗酒薬と断酒補助薬
3 脳卒中治療薬,抗認知症薬
4 AD/HD治療薬
各論
1 抗精神病薬
フェノチアジン系抗精神病薬
1 クロルプロマジン塩酸塩
2 レボメプロマジンマレイン酸塩
3 プロペリシアジン
4 ペルフェナジン
5 フルフェナジン
6 プロクロルペラジン
ブチロフェノン系抗精神病薬
7 ハロペリドール
8 ハロペリドールデカン酸エステル
9 ブロムペリドール
10 ピパンペロン塩酸塩
11 スピペロン
12 チミペロン
ジフェニルブチルピペリジン系抗精神病薬
13 ピモジド
ベンザミド系抗精神病薬
14 スルピリド
15 スルトプリド塩酸塩
16 ネモナプリド
チエピン系抗精神病薬
17 ゾテピン
イミノジベンジル系抗精神病薬
18 クロカプラミン塩酸塩水和物
19 モサプラミン塩酸塩
インドール系抗精神病薬
20 オキシペルチン
その他の抗精神病薬
21 レセルピン
非定型抗精神病薬(SDA,MARTA,DSS)
22 リスペリドン
23 パリペリドン
24 パリペリドンパルミチン酸エステル
25 ペロスピロン塩酸塩水和物
26 ブロナンセリン
27 オランザピン
28 クエチアピンフマル酸塩
29 クロザピン
30 アセナピンマレイン酸塩
31 アリピプラゾール
2 気分安定薬
1 炭酸リチウム
2 カルバマゼピン
3 バルプロ酸ナトリウム
4 クロナゼパム
5 ラモトリギン
3 抗うつ薬
三環系抗うつ薬
1 イミプラミン塩酸塩
2 クロミプラミン塩酸塩
3 トリミプラミンマレイン酸塩
4 ロフェプラミン塩酸塩
5 アミトリプチリン塩酸塩
6 ノルトリプチリン塩酸塩
7 アモキサピン
8 ドスレピン塩酸塩
四環系抗うつ薬
9 マプロチリン塩酸塩
10 ミアンセリン塩酸塩
11 セチプチリンマレイン酸塩
トリアゾロピリジン系抗うつ薬
12 トラゾドン塩酸塩
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
13 フルボキサミンマレイン酸塩
14 パロキセチン塩酸塩水和物
15 塩酸セルトラリン
16 エスシタロプラム
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
17 ミルナシプラン塩酸塩
18 デュロキセチン塩酸塩
19 ベンラファキシン
ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)
20 ミルタザピン
中枢神経興奮剤
21 メチルフェニデート塩酸塩
22 ペモリン
4 抗不安薬
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
1 ジアゼパム
2 アルプラゾラム
3 ブロマゼパム
4 ロラゼパム
5 トフィソパム
6 オキサゾラム
7 フルタゾラム
8 メダゼパム
9 クロルジアゼポキシド
10 フルジアゼパム
11 メキサゾラム
12 ロフラゼプ酸エチル
13 クロラゼプ酸二カリウム
14 クロキサゾラム
15 フルトプラゼパム
16 クロチアゼパム
17 エチゾラム
非ベンゾジアゼピン系抗不安薬
18 タンドスピロンクエン酸塩
19 ヒドロキシジン塩酸塩
その他の抗不安薬
20 カルテオロール塩酸塩
5 睡眠薬
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
1 ニトラゼパム
2 フルニトラゼパム
3 ロルメタゼパム
4 エスタゾラム
5 トリアゾラム
6 フルラゼパム塩酸塩
7 ハロキサゾラム
8 リルマザホン塩酸塩水和物
9 ミダゾラム
10 クアゼパム
11 エチゾラム
12 ブロチゾラム
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
13 ゾピクロン
14 ゾルピデム酒石酸塩
オレキシン受容体拮抗薬
15 スボレキサント
メラトニン受容体拮抗薬
16 ラメルテオン
バルビツール酸系睡眠薬
17 フェノバルビタール
18 ペントバルビタールカルシウム
19 アモバルビタール
20 セコバルビタールナトリウム
21 チオペンタールナトリウム
その他の睡眠薬
22 トリクロホスナトリウム
23 ブロムワレリル尿素
24 抱水クロラール
6 抗てんかん薬
バルビツール酸系抗てんかん薬
1 フェノバルビタール
2 プリミドン
3 フェノバルビタールナトリウム
ヒダントイン系抗てんかん薬
4 フェニトイン
5 エトトイン
6 ホスフェニトインナトリウム水和物
配合剤
7 フェニトイン・フェノバルビタール
8 フェニトイン・フェノバルビタール・安息香酸ナトリウムカフェイン
ベンゾジアゼピン系抗てんかん薬
9 ジアゼパム
10 ニトラゼパム
11 クロナゼパム
12 クロバザム
ベンズイソキサゾール系抗てんかん薬
13 ゾニサミド
分枝脂肪酸系薬
14 バルプロ酸ナトリウム
イミノスチルベン系薬
15 カルバマゼピン
新世代薬
16 ガバペンチン
17 トピラマート
18 ラモトリギン
19 レベチラセタム
20 スチリペントール
21 ルフィナミド
オキサゾリジン系薬
22 トリメタジオン
サクシミド系薬
23 エトスクシミド
炭酸脱水酵素阻害薬
24 アセタゾラミド
スルホンアミド系薬
25 スルチアム
アセチル尿素系薬
26 アセチルフェネトライド
その他の抗てんかん薬
27 テトラコサクチド酢酸塩
28 抱水クロラール
29 臭化カリウム
30 臭化ナトリウム
7 抗Parkinson薬
ベラドンナアルカロイド
1 アトロピン硫酸塩水和物
フェノチアジン系抗Parkinson薬
2 プロメタジン塩酸塩
3 プロフェナミン
アミノプロパノール系抗Parkinson薬
4 トリヘキシフェニジル塩酸塩
5 ビペリデン
ドパミン遊離促進薬
6 アマンタジン塩酸塩
レボドパ含有製剤
7 レボドパ
8 レボドパ/カルビドパ水和物
9 レボドパ/ベンセラジド塩酸塩
10 レボドパ/カルビドパ水和物/エンタカポン
ドパミン作動薬
11 ブロモクリプチンメシル酸塩
12 ペルゴリドメシル酸塩
13 カベルゴリン
14 タリペキソール塩酸塩
15 プラミペキソール塩酸塩水和物
16 ロピニロール塩酸塩
17 ロチゴチン
18 アポモルヒネ塩酸塩水和物
ノルアドレナリン前駆物質
19 ドロキシドパ
抗コリン薬
20 マザチコール塩酸塩水和物
21 ピロヘプチン塩酸塩
MAO-B阻害薬
22 セレギリン塩酸塩
カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ阻害薬
23 エンタカポン
ベンズイソキサゾール系薬
24 ゾニサミド
アデノシンA2A受容体拮抗薬
25 イストラデフィリン
8 抗酒薬
1 シアナミド
2 ジスルフィラム
3 アカンプロサートカルシウム
9 脳機能改善薬
1 チアプリド塩酸塩
2 アマンタジン塩酸塩
3 ドネペジル塩酸塩
4 ガランタミン臭化水素酸塩
5 リバスチグミン
6 メマンチン塩酸塩
10 その他
AD/HD治療薬
1 アトモキセチン
2 メチルフェニデート塩酸塩
3 グアンファシン塩酸塩
ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬
4 フルマゼニル
悪性症候群治療薬
5 ダントロレンナトリウム
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書籍情報
- ISBN:9784498129900
- ページ数:652頁
- 書籍発行日:2017年6月
- 電子版発売日:2017年8月18日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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