EBM呼吸器疾患の治療2016-2017

  • ページ数 : 496頁
  • 書籍発行日 : 2016年1月
  • 電子版発売日 : 2016年7月15日
13,200
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商品情報

内容

今日の呼吸器疾患治療のグローバル スタンダードを、各種メガトライアル、代表的な重要文献に基づいて示す実践的な臨床書!

呼吸器の疾患病態に関わる新しい知見や、新薬の開発に伴い著しい進歩を遂げる呼吸器領域の治療法について、それぞれの分野に造詣の深いスペシャリストが解説。
重要項目の焦点を絞ったup dateの医療情報を余すことなく簡潔にまとめられています。

EBMシリーズ

序文

この度,『EBM呼吸器疾患の治療2016―2017』を発刊する運びとなりました.本書は,呼吸器の疾患病態に関わる新しい知見や,新薬の開発に伴い著しい進歩を遂げる呼吸器領域の治療法について,それぞれの分野に造詣の深いスペシャリストに依頼し解説をいただいています.呼吸器領域は,感染症,急性・慢性炎症性疾患,腫瘍,呼吸調節など様々な病態像を取り扱っており,その多くの疾患が,全疾患における罹病率,死亡率の上位に位置付けられています.上記の点を踏まえて,本書では「1章 閉塞性肺疾患(SASを含む)」「2章 びまん性肺疾患」「3章 感染症」「4章 腫瘍(A診断,B外科,C化学療法,D放射線療法,E緩和治療)」と項立てし,各テーマごとに序論,指針,エビデンスとなる文献,根拠となった臨床研究の問題点と限界,本邦の患者に対する際の注意,全般を通じてのコメントが記載されています.多分野にわたる複合的な病態を示す呼吸器疾患は高齢化社会にあって,重症化と共に増加の一途をたどっているのが実情です.このような状況下にある今日,求められる医療は,信頼性のおける高いレベルでの結果が必達目標となっており,日常診療で多忙を極める医療従事者にとっては,効率良い最新知見の獲得と実践が不可欠です.本書は,発刊以来,常にその時期,時代で知っておかなければならないトピックを要領よくまとめ,情報提供することに腐心してまいりました.この度の発刊に際しても,焦点を重要項目に絞ったup dateの医療情報を余すことなく簡潔にまとめることに努めた次第です.あえてこの困難な,しかし疾患の管理治療にとっては不可欠な課題を執筆者の先生方に投げかけ,極めて有用で適切な解説をしていただきました.


呼吸器領域では日常的に直面することの多い,これらの難治性呼吸器疾患に対する病態への理解を十分に身に付けた上で,患者さんへの疾患予防,治療・管理に役立てていただければ幸いです.さらに,ここに取り上げられた課題を解決するために臨床研究へ参加されるきっかけともなれば望外の喜びです.


最後に,本書の編集に多大なるご尽力をいただきました中外医学社の沖田英治氏に深く感謝いたします.


2015年10月

東京女子医科大学名誉教授
新百合ヶ丘総合病院呼吸器疾患研究所所長
永井 厚志

目次

I.閉塞性肺疾患(SASを含む)

1.禁煙はCOPDにいかなる影響を与えるか?

2.COPDの進行(1秒量の経年低下)抑制に薬剤介入は有効か?

3.COPDに有効な呼吸リハビリテーションとは?

4.COPDに肺炎球菌ワクチンは有効か?

5.COPD治療におけるテオフィリン製剤の意義は?

6.COPD治療において貼付型β2刺激薬は有効か?

7.COPD増悪時に全身性ステロイドはどのような患者に どの程度使用するのか?

8.吸入ステロイド薬には全身性副作用が全くないのか?

9.吸入β2刺激薬の特性と使い分けの実際は?

10.呼気一酸化窒素濃度(FeNO)測定は喘息治療でどのように運用すべきか?

11.気管支喘息 抗IgE抗体療法が有効な背景は?

12.長時間作用性抗コリン薬は喘息にどう用いるべきか?

13.マクロライド少量長期療法において,エリスロマイシンよりもクラリスロマイシンの方が有効か?

14.肺の各種慢性疾患で睡眠時呼吸障害の合併の頻度はどの程度か?

15.閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療はCOPD合併のあるなしで異なるか?

16.睡眠導入薬はOSA患者には投与してはいけないか?

17.重症喘息にはどのような病型があるか?

18.妊婦の喘息管理(安定期および増悪期)の薬剤選択は?

19.肺疾患による肺高血圧症に血管拡張薬は必要か?

II.びまん性肺疾患(ARDSを含む)

1.IPFの今後の治療はどうなるのか?Nintedanib,Pirfenidone,NACはどのように使うべきか?

2.IPF患者の長期酸素療法と呼吸リハビリテーションは有効か?IPF患者での治療ポイントを含めて

3.IPFの臨床試験の効果判定に何を用いるべきか?また日常診療の治療効果はどのように評価すべきか?

4.特発性NSIPの治療はどのように開始して,管理すべきか?

5.急性増悪の予後は改善したか?

6.喫煙関連間質性肺疾患(RB―ILD,DIP),気腫合併間質性肺炎の診断と治療はどうすべきか?

7."特発性PPFE","特発性上葉優位型肺線維症","上葉肺線維症","網谷病"は同じと考えてよいか? どう治療すべきか?(病名の変遷も含めて)

8.分類不能型特発性間質性肺炎の診断と治療はどうすればよいのか?

9.疫学調査で特発性肺線維症は増加しているのか?またその予後はどうなのか?

10.気管支鏡検査は特発性間質性肺炎,他のびまん性肺疾患の診断と治療に有用か?

11.間質性肺炎の各種血清バイオマーカーは,治療選択に臨床応用できるのか?

12.サルコイドーシスの臓器病変をどう評価し,治療適応をどのように考えるか?(WASOGステートメント,指針を含めて)

13.慢性過敏性肺炎の診断と治療はどうするのか?(抗原回避,薬剤治療を含めて)

14.IgG4関連疾患はどこまで解明されどう治療すべきか?

15.びまん性肺疾患の急性呼吸不全はどう呼吸管理すべきか?

16.ARDSの薬物治療はどうすべきか?(画像所見,予後因子も含めて) 

17.筋炎関連自己抗体はびまん性肺疾患患者においてどのような時に測定し,治療はどうすべきか?

18.膠原病的背景をもった間質性肺炎(UCTD,LD―CTD,AIF―ILDなど)はどう治療し管理すべきか?

19.先天性,遺伝性間質性肺疾患は,どのように診断,治療,管理すべきか?

20.リンパ脈管筋腫症の治療はmTOR阻害薬の出現でどう変わるか?

21.成人のランゲルハンス細胞組織球症の肺外病変の有無で治療,予後は異なるのか?

22.肺胞蛋白症はどう治療すべきか?

23.Birt―Hogg―Dubé Syndromeの診断と治療をどうすべきか?

24.薬剤性間質性肺疾患を疑ったときどうすれば良いか?(診断,治療について)

III.感染症

1.肺炎の疫学における最近の変化は?

2.マイコプラズマにおけるマクロライド耐性は?

3.レジオネラ肺炎の真の患者数は?

4.多剤耐性結核症に対する新しい治療は?

5.肺結核症の遺伝子診断における最新の進歩は?

6.肺非結核性抗酸菌症に対する治療法は?

7.Interferon Gamma Release Assayの有用性は?

8.肺真菌症に対する新しい治療は?

9.ニューモシスチス肺炎の診断における注意点は?

10.生物学的製剤と関連する呼吸器感染症は?

11.新型インフルエンザ発生の危険性は?

12.抗インフルエンザ薬の特徴と使い分けは?

13.次世代インフルエンザワクチンの可能性は?

14.13価蛋白結合型肺炎球菌ワクチンと23価莢膜多糖体型肺炎球菌ワクチンの連続接種の有用性は?

15.免疫クロマトグラフィー法の種類と特徴は?

16.人工呼吸器関連肺炎の原因と予防法は?

17.誤嚥性肺炎の疫学と発症機序?

18.敗血症治療における新しいバイオマーカーは?

IV.腫瘍

A.診断

1.小さなすりガラス陰影が見つかった場合,診断と治療をどうするか?

2.FDG PET/CTを治療選択上,どう利用すべきか?

3.大細胞神経内分泌癌と診断された場合,どう治療するべきか?

4.RET,ROS1遺伝子の至適検査法は何か?

5.マルチプレックスドライバー遺伝子変異解析の開発はどう進んでいるか?

6.分子生物学的解析のための試料採取上の注意点とは何か?

B.外科

7.cN2症例の手術適応をどう考えるか?

8.縮小手術の適応症例は?

9.リンパ節郭清の意義について,どう考えるか?

10.非小細胞肺癌の術後化学療法の適応について,患者側因子が どう影響するか?

11.間質性肺炎合併肺癌の手術について適応と注意点は何か?

12.ロボット手術は,呼吸器外科領域で使われるか?

C.化学療法

13.ドライバー遺伝子変異を有するIIIA期,IIIB期の治療をどう考えるか?

14.EGFR―TKIをどう使い分けるか?

15.EGFR―TKIを含む併用療法は,標準治療となるか?

16.ALK阻害剤とバイオマーカーの特殊な事情とは何か?

17.代謝拮抗薬における最近のエビデンスは?

18.分子標的療法時代における治療法推奨の重みづけをどうするか?

19.肺癌の免疫療法は今後どうなる?

20.最近,小細胞肺癌治療の領域にエビデンスは加わっているか?

21.間質性肺炎合併肺癌における化学療法をどう考えるか?

22.中皮腫診療の研究は,進んでいるか?

D.放射線治療

23.陽子線治療,重粒子線治療はどのような症例に行われるべきか?

24.脳転移の治療戦略に変化はあるか?

E.緩和治療等

25.早期からの緩和ケアはどのように行われるべきか?

26.精神腫瘍学の重要性


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書籍情報

  • ISBN:9784498130227
  • ページ数:496頁
  • 書籍発行日:2016年1月
  • 電子版発売日:2016年7月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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