こどもの身体の基準

  • ページ数 : 306頁
  • 書籍発行日 : 2014年8月
  • 電子版発売日 : 2015年1月23日
4,840
(税込)
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商品情報

内容

おさえておくべき主要検査項目のポイントと基準値が、ひと目でわかる!

小児の検査値や身体所見のみかた、評価法についてをコンパクトにまとめた書。あらゆる検査を網羅するのではなく、少なくとも年に1回はオーダーするような実施頻度が高い主要検査項目に絞って解説した、小児医療に携わるスタッフは必携の一冊!

序文

「こどもの身体の基準 ―検査値と身体所見―」の発刊にあたって

わが国の少子化が止まらない.このことは,わが国の将来を担う次世代の人材が不足することにつながり,悲観的に考えざるを得ない.政治家は子育て支援を行い,挙児希望者への手当を手厚くし,対策を講じている.

こどもたちに直接向かい合う私達小児科医にできることは何であろうか? それは生を受けたこどもたちを健やかに成育させることである.そのためにまず行うべきは,こどもの健康状態の正確な把握である.正確な健康状態の把握は診察,すなわち身体所見や検査所見からなされる.しかし小児は成人と異なり,成長と発達の過程にあるため,年齢などによって変化する.この点がこどもの診察の難しさであり,またプロフェッショナルとしての醍醐味でもある.したがってこれまでも小児の検査基準値に関する書籍は少なからず発刊されてきた.

本書は,「医学生を含めた小児医療に携わる全てのプロフェッショナル(研修医,一般開業医,看護師,検査技師)のために,小児の検査値や評価法について,平易かつコンパクトにまとめた書を提供する」ことを目的として立案した.さらに企画段階で,「現場で役立つ書籍とするためには,小児の身体所見(バイタルサイン,身長や体重,発達指標など)のみかたも包含すべきである」と思うに至った.一方で,コンパクトであることも重要と考え,身体所見を追加する分,検査項目に関しては,年に1度はオーダーするような一般的な検査項目に限定した.ただし,最近実施されるようになった新規の検査項目について実施頻度が高くなると予想されるものは掲載した.

上記のような編者の独善的な思いで企画した書籍であるので,執筆は私の信頼できる仲間である関西医科大学小児科学講座のスタッフのみに依頼した.

したがって本書には臨床現場で培った貴重な指導医の経験が詰まっており,小児医療に携わる全てのプロフェッショナルにとって必携の書となることを願ってやまない.


2014年7月吉日

関西医科大学小児科学講座 主任教授
金子 一成

目次

I 成長と発達

A 発育と発達に関わる評価

1.身長:発育値・成長曲線

2.体重:発育値・成長曲線

3.頭囲:発育値・成長曲線

4.BMI,Kaup指数,肥満度

5.Tannerの性成熟度分類

6.骨年齢

7.デンバー式発達スクリーニングテスト

8.在胎期間と出生体重

9.染色体検査(G banding)

10.遺伝子検査:FISH法とその応用法

B バイタルサインの基準

1.体温,脈拍数,呼吸数

2.血圧

3.意識レベル

4.血液ガス分析

II 生理機能検査,放射線検査

1.脳波検査

2.心電図検査

3.呼吸機能検査(スパイロメトリー)

4.胸部単純X線

III 血球・凝固機能検査

A 血球関連検査

1.赤血球数と赤血球指数

2.白血球数,白血球分画

3.血小板数

4.骨髄血

B 血液凝固・線溶系

1.出血時間

2.活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),プロトロンビン時間(PT)

3.フィブリノゲン,フィブリン分解産物(FDP),FDP―Dダイマー

4.アンチトロンビン(AT)

5.PIVKA―II

6.プロテインC,プロテインS

IV 血液生化学的検査

A 酵素関連物質

1.アミノトランスフェラーゼ(AST,ALT)

2.乳酸脱水素酵素(LDH)とアイソザイム(LDHアイソザイム)

3.アルカリホスファターゼ(ALP)とアイソザイム(ALPアイソザイム)

4.クレアチンキナーゼ(CK)とアイソザイム(CKアイソザイム)

5.アミラーゼとアイソザイム

6.リパーゼ

B 分解代謝産物

1.血中ビリルビン

2.尿素窒素(BUN)

3.尿酸(UA)

4.アンモニア

C 蛋白関連物質

1.総蛋白,アルブミン

2.セルロプラスミン

3.ハプトグロビン

4.血中β2―マイクログロブリン(β2MG)

5.ミオグロビン,心筋トロポニンT

6.トランスサイレチン(TTR),レチノール結合蛋白(RBP)

7.プロコラーゲンIIIペプチド(P―III―P),IV型コラーゲン,ヒアルロン酸

8.KL―6,肺サーファクタントプロテインD(SP―D)

D 電解質・微量元素

1.ナトリウム(Na),カリウム(K),クロール(Cl)

2.リン(P),マグネシウム(Mg)

3.血清鉄,フェリチン,総鉄結合能(TIBC),不飽和鉄結合能(UIBC)

4.亜鉛,銅,セレン,マンガン

E 代謝関連検査

1.血糖,ヘモグロビンA1c

2.乳酸,ピルビン酸

3.ケトン体,ケトン体分画

F 脂質関連物質

1.コレステロール(TC,HDL―C,LDL―C),中性脂肪(TG)

2.総胆汁酸

V 感染症・免疫関連検査

A 急性反応蛋白

1.C反応性蛋白(CRP),プロカルシトニン

B 免疫グロブリン・補体

1.IgG,IgGサブクラス

2.IgA,分泌型IgA

3.血清補体価(CH50),C3,C4

C 細胞性免疫関連検査

1.リンパ球サブセット(T細胞,B細胞)

2.リンパ球幼若化試験(PHA,ConA),薬剤リンパ球刺激試験(DLST)

3.好中球機能検査

4.炎症性サイトカイン:インターロイキン―1(IL―1),インターロイキン―6(IL―6),腫瘍壊死因子―α(TNF―α)

D 感染症関連検査

1.病原体のPCR検査

2.抗ストレプトリジン―O抗体(ASO),抗ストレプトキナーゼ抗体(ASK)

3.感染症迅速診断検査

4.ウイルス抗体価

5.サイトメガロウイルス抗原検査(HRP―C7)

6.クォンティフェロン®TB―2G(QFT)検査

7.ウイルス性肝炎(B型肝炎,C型肝炎)関連抗原・抗体検査

8.β―D―グルカン

 E アレルギー・自己免疫関連検査

1.非特異的IgE,特異的IgE

2.ヒスタミン遊離試験(HRT)

3.パッチテスト,プリックテスト

4.自己抗体(抗核抗体,リウマチ因子)

VI 腎機能関連検査

A 腎糸球体機能・尿細管機能

1.尿量,排尿回数

2.クレアチニン(Cr)

3.シスタチンC(Cys―C)

4.クレアチニンクリアランス

5.ナトリウム排泄率(FENa),腎不全指数(RFI)

6.尿細管リン再吸収率(%TRP)

7.尿酸排泄分画(FEUA),カリウム排泄分画(FEK)

8.アニオンギャップ

B 尿検査

1.尿試験紙検査(比重,pH,蛋白,潜血,白血球,ビリルビン,ケトン体)

2.自動尿中有形成分分析

3.尿沈渣(赤血球,白血球,円柱,上皮細胞),コバスライド法

4.尿中ナトリウム

5.尿中カルシウム排泄量

6.尿中β2マイクログロブリン(β2MG),α1マイクログロブリン(α1MG)

7.尿中N―アセチル―β―D―グルコサミニダーゼ(NAG)

8.尿浸透圧

VII 特殊検体検査

A 便検査

1.便潜血,便中ヘモグロビン

2.便中脂肪

3.便中好酸球

4.便中α1―アンチトリプシン

B 髄液検査

1.髄液細胞数,糖,蛋白,クロール

2.髄液中LDH,乳酸,ピルビン酸

C 胸水検査

1.胸水中細胞数,蛋白,糖,乳酸脱水素酵素(LDH)

VIII 腫瘍マーカー

1.α―フェトプロテイン(AFP)

2.神経特異エノラーゼ(NSE)

3.可溶性インターロイキン―2受容体(sIL―2R)

4.尿中バニリルマンデル酸(VMA),尿中ホモバニリン酸(HVA)

5.ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)

IX 内分泌学的検査

A 甲状腺関連

1.甲状腺刺激ホルモン(TSH)

2.甲状腺ホルモン

3.カルシトニン

B 副甲状腺関連

1.副甲状腺ホルモン(PTH)

2.ビタミンD 3分画

C 副腎関連

1.カテコラミン3分画

2.コルチゾール

3.17―ヒドロキシプロゲステロン(17―OHP)

4.レニン―アンジオテンシン―アルドステロン

5.デヒドロエピアンドロステロン―サルフェート(DHEA―S)

6.尿中17―ヒドロキシコルチコステロイド(17―OHCS),尿中17―ケトステロイド(17―KS)

D 視床下部・下垂体関連

1.副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)

2.成長ホルモン(GH)

3.インスリン様成長因子(IGF―1),ソマトメジンC

4.黄体形成ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH)

5.抗利尿ホルモン(ADH)

E 性腺関連

1.テストステロン

2.エストラジオール

F 膵関連

1.インスリン(IRI),Cペプチド(CPR)

G 心臓関連

1.心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)

2.脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP),脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT―proBNP)


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書籍情報

  • ISBN:9784498145320
  • ページ数:306頁
  • 書籍発行日:2014年8月
  • 電子版発売日:2015年1月23日
  • 判:A5判
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  • 同時利用可能端末数:3

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