専門医が伝える腎臓病診療基本レクチャー

  • ページ数 : 124頁
  • 書籍発行日 : 2017年4月
  • 電子版発売日 : 2018年2月2日
2,640
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 144pt ( 6 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

腎疾患のある患者をどう診るか、その悩みに専門医がこたえます。

腎保護を考えた薬物療法、腎臓専門医として行ってほしくない治療など、腎臓病を専門としないかかりつけ医の先生の日常診療に役立つ知識をまとめました。プライマリケア医必携の書!

序文

はじめに

わが国には,すべての国民が公的保険に加入し保険証1枚で自由に医師を選び受診できる世界に冠たる医療制度があります.いつでもどこでも安価な医療費で治療を受けることができます.しかし,私たちの利便性とは裏腹に,国全体の医療費は益々増加し,その歯止めが効かなくなっています.また近年,基礎医学が急速に進歩し疾病の早期診断と治療に活かされてきましたが,その反面医療費の高騰も伴っており,まさに医療保険制度の危機・破綻だといわれています.

医療現場の医師は,各専門医とかかりつけ医,中核病院の勤務医などから構成されています.医療経済の面からもそれら医師の役割分担の重要性が論じられてきましたが,十分にはなされていません.日本専門医機構では,超高齢社会と地域医療格差の現状に鑑み,これまでの18領域に加え19番目として「総合診療専門医」を創設し育成しようとしています.しかし,その総合診療専門医が全国津々浦々で活躍するには,まだまだ時間がかかるように思います.

今回,大学病院や特定機能病院等の大病院で確定診断された患者さんについて,専門医とかかりつけ医の病診連携の重要性を取り上げ「専門医が伝える腎臓病診療基本レクチャー」を上梓いたしました.私が専門としている慢性腎臓病患者さんは,すでに1,300万人(成人の8人に1人)を超えたとされていますが,日本腎臓学会認定の腎臓専門医は4,500人程度にすぎません.腎臓専門医だけでこれらのすべての患者さんを診ることは不可能と思われます.そこで腎臓専門医から紹介されたのち,かかりつけ医ではどのように診ていけばいいのかについて解説いたしました.専門医で診ていった方が良いと思われる疾患は除きました.まず,慢性腎臓病と急性腎障害での腎臓専門医へ送るポイントを述べたのち,腎臓専門医を受診中の患者さんが受診した際のcommon diseaseに対する腎保護を考えた薬物療法,腎臓専門医として行ってほしくない治療,腎臓専門医からかかりつけ医への紹介頻度の多い6疾患について紹介症例をあげ解説しました.代表的処方とどのような病態に変化したら腎臓専門医へ逆紹介すべきかのポイントもあげました.腎臓病を専門としないかかりつけ医の先生の日常診療に役立つと思いますので是非ご活用下さい.しかし,執筆の過不足があろうかと思われますので,皆さまの忌憚のないご意見を願っています.

最後に,本書の上梓にあたりご協力いただいた中外医学社の皆さまに深謝いたします.


2017年 初春 都庁を眺めつつ

富野 康日己

目次

1章 急性腎障害(AKI)と慢性腎臓病(CKD)での腎臓専門医へ送るポイントは?

1)腎臓内科領域における腎臓専門医とかかりつけ医との連携

 A.急性腎障害(acute kidney injury:AKI)

 B.慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)

2)腎臓内科専門医で診療する主な腎疾患とかかりつけ医への診療依頼

2章 腎臓病専門医を受診中の患者がかかりつけ医を受診した際のcommon diseaseに対する腎保護を考えた薬物療法は?

1)呼吸器疾患治療薬

 A.基本的な注意事項

 B.比較的安全な薬剤

2)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

 A.基本的な注意事項

 B.比較的安全な薬剤

3)消化器疾患治療薬

 A.基本的な注意事項

 B.比較的安全な薬剤

3章 腎臓専門医として行ってほしくない治療とは?

1)薬物療法禁忌

 A.電解質,酸・塩基平衡

 B.高血圧

2)その他

4章 腎臓専門医からかかりつけ医への紹介は?

I.‌IgA腎症

>診療情報提供書

1)本症例からみた疾患の理解

2)検査とその意義

3)確定診断:IgA腎症〔光学顕微鏡所見:メサンギウム増殖性糸球体腎炎(mesangial proliferative glomerulonephritis:PGN)〕

4)今後定期的に行うべき検査

5)治療

6)どういう状態になったら腎臓専門医へ逆紹介するのか?


II.ループス腎炎

>診療情報提供書

1)本症例からみた疾患の理解

2)検査とその意義

3)確定診断:ループス腎炎(lupus nephritis)

4)今後定期的に行うべき検査

5)治療

6)どういう状態になったら腎臓専門医へ逆紹介するのか?

>診療情報提供書 第2報


III.糖尿病腎症

>診療情報提供書

1)本症例からみた疾患の理解

2)検査とその意義

3)確定診断:糖尿病腎症(diabetic nephropathy,びまん性)

4)今後定期的に行うべき検査

5)治療

6)どういう状態になったら腎臓専門医へ逆紹介するのか?


IV.ネフローゼ症候群

>診療情報提供書

1)本症例からみた疾患の理解

2)検査とその意義

3)確定診断:微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change nephrotic syndrome:MCNS)

4)今後定期的に行うべき検査

5)治療

6)どういう状態になったら腎臓専門医へ逆紹介するのか?


V.高血圧性腎硬化症

>診療情報提供書

1)本症例からみた疾患の理解

2)検査とその意義

3)確定診断:高血性腎硬化症(hypertensive nephrosclerosis)

4)今後定期的に行うべき検査

5)治療

6)どういう状態になったら腎臓専門医へ逆紹介するのか?


VI.痛風腎

>診療情報提供書

1)症例からみた疾患の理解

2)検査とその意義

3)確定診断:痛風腎(gouty kidney)

4)今後定期的に行うべき検査

5)治療

6)どういう状態になったら腎臓専門医へ逆紹介するのか?


索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:24.7MB以上(インストール時:53.8MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:98.8MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:14.6MB以上(インストール時:36.4MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:58.4MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784498224322
  • ページ数:124頁
  • 書籍発行日:2017年4月
  • 電子版発売日:2018年2月2日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。


※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。


※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。


※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。