高次脳機能障害 その評価とリハビリテーション 第2版

  • ページ数 : 196頁
  • 書籍発行日 : 2016年5月
  • 電子版発売日 : 2016年7月22日
5,720
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商品情報

内容

高次脳機能障害におけるリハビリテーションの具体的な技術や方法までを、読みやすくコンパクトにまとめた書の改訂第2版。

簡潔かつ分かりやすい解説はそのままに,近年の進歩を踏まえて,さらに内容が充実!
現場で活躍するエキスパートがまとめ、医師のみならずリハビリに携わる全てのスタッフにおすすめの実践書。

序文

2版のまえがき

2012年に本書が上梓されて4年が経過しました.局所診断学として発展してきた狭義の高次脳機能障害と広汎な病巣に伴う新しい定義の高次脳機能障害とが広く医学の中で認められてきています.治療についてはまだ,手探りのものが少なくありませんが,評価については多くの施設で実施可能になっています.

今回の改訂を経てさらに多くの読者に,患者さんの神経心理学的反応を踏まえた医療サービスが展開できるようになること,本書がその一助となることができれば幸甚と考えます.


2016年4月 茶崖にて

長岡正範

目次

§1.神経心理学の歴史

A.Broca以前

B.Broca

C.Broca以後の局在論

D.全体論について

E.その後の展開

§2.リハビリテーションの歴史

A.リハビリテーション全般の歴史−高次脳機能障害との関連で

B.医学モデル,障害モデルから国際生活機能分類へ

1 医学モデル

2 障害モデル

3 国際生活機能分類

C.リハビリテーションの定義

D.高次脳機能障害のリハビリテーションに関する歴史

1 欧米での取り組み

2 我が国の取り組み

§3.神経心理学とは,神経心理学的アセスメントとは

A.神経心理学の学問的な目的

B.病巣研究

C.認知神経心理学

D.認知神経心理学における仮定

E.単一症例の重視

F.神経画像研究

G.神経心理学の臨床的な目的

H.神経心理学的アセスメント

1 実際の場面

2 患者から病歴をとる

3 神経学的診察

4 神経心理学的診察

5 神経心理テスト

§4.高次脳機能障害リハビリテーションの考え方

A.欧米でのシステム−モデル事業で手本にした仕組み

B.高次脳機能障害は回復するのか? −高次脳機能障害者支援モデル事業の成績から

C.モデル事業で実施された訓練の内容について

1 異なるセッティングでのリハビリテーション

2 医学的管理がどのプログラムでも大切

3 具体的な訓練の内容

4 医学的リハから生活訓練,職能訓練への移行

D.モデル事業以降のわが国における成果

§5.高次脳機能障害を生じる疾患

1.脳血管障害

1 無症候性脳血管障害

2 一過性脳虚血発作

3 脳出血

4 くも膜下出血

5 脳梗塞

6 血管性認知症

7 高血圧性脳症

2.頭部外傷による脳損傷

A.外傷性頭蓋内血腫

 1 急性硬膜外血腫

 2 急性硬膜下血腫

 3 慢性硬膜下血腫

 4 外傷性脳内血腫

 5 外傷性くも膜下出血

B.脳挫傷

C.びまん性脳損傷

3.脳炎

4.低酸素脳症

5.脳腫瘍術後

6.変性疾患

1 アルツハイマー病

2 前頭側頭葉変性症

3 びまん性レビー小体病

4 多系統萎縮症

§6.高次脳機能障害のための画像診断

A.ブロードマンBrodmannの脳地図と脳回

B.前頭葉損傷が主体となる高次脳機能障害

1 前頭葉挫傷例

2 下垂体腫瘍術後例

C.頭頂-側頭葉損傷が主体となる高次脳機能障害

1 右下頭頂小葉を中心とする挫傷例

2 左中大脳動脈領域の梗塞例

D.視床損傷が主体となる高次脳機能障害

脳底動脈解離例

E.被殻損傷が主体となる高次脳機能障害

左被殻出血例

F.離断症候群による高次脳機能障害

前大脳動脈の閉塞による脳梁離断例

§7.注意障害のリハビリテーション

A.「注意」障害の分類

1 選択性注意と障害

2 容量性注意と障害

3 持続性注意と障害

4 注意の転動性(変換)と障害

B.注意の評価法

1 臨床的評価法

2 机上評価法

C.注意障害のリハビリテーション

1 全般的刺激(6週間プログラム)

2 注意に特化した訓練プログラム

3 代償的介入法

4 環境調整

§8.知覚障害のアセスメント,リハビリテーション

A.感覚経路と体性感覚野

B.感覚の検査

C.触覚失認について

D.末梢神経損傷後の知覚リハビリテーション

E.中枢性感覚障害のリハビリテーション

§9.失認のアセスメント,リハビリテーション

A.失認のアセスメント

1 失認であることの確認

2 失認の特徴を掘り下げる

3 失認の検査

B.失認のリハビリテーション

1 視覚性失認の回復経過

2 失認そのものへの治療的介入

3 残存能力の利用・代償的方法の導入

4 環境の調整

§10.失行のアセスメント,リハビリテーション

A.失行のアセスメント

1 失行の定義

2 検査方法

3 合併症状

4 行為の知識と失行

5 失行の分類法

B.リハビリテーション

§11.記憶障害のアセスメント

A.記憶の過程とその分類

B.記憶の神経基盤

C.記憶障害の臨床像

1 記憶障害の症候

2 病変部位による記憶障害の内容

D.アセスメントの手順

1 記憶障害はあるか?

2 記憶障害の内容は何か?

3 記憶障害の重症度はどうか?

§12.記憶障害のリハビリテーション

A.記憶障害のリハビリテーションの実施概要

B.記憶障害のリハビリテーション・ストラテジー

1 環境調整

2 学習法の改善

3 代用手段の利用

4 グループ訓練

§13.遂行機能障害のアセスメント,リハビリテーション

A.遂行機能障害とは

B.遂行機能障害のアセスメント

C.遂行機能障害の認知リハビリテーション

1 TTT訓練の教示の与え方

2 TTT訓練の作品,言語による説明

§14.半側空間無視のアセスメント,リハビリテーション

A.無視の検出法

B.日常生活活動の観察

1 視野障害と半側空間無視

2 無視の病巣

3 無視の機能予後

4 無視のメカニズム−無視のタイプ

C.リハビリテーション

1 トップダウンとボトムアップ

2 無視を呈する患者のリハ

§15.言語障害のアセスメント,リハビリテーション

A.失語症のアセスメント

1 インテーク面接

2 鑑別診断検査

3 掘り下げ検査

4 訓練効果のアセスメント

B.失語症のリハビリテーション

1 急性期のリハビリテーション

2 回復期のリハビリテーション

3 維持期のリハビリテーション

C.小児失語症のアセスメントとリハビリテーション

D.発語失行のアセスメントとリハビリテーション

§16.読み書き障害のアセスメント,リハビリテーション

A.読みの障害

1 臨床神経心理学的分類

2 認知神経心理学的分類

3 読み障害のリハビリテーション

B.書字の障害

1 臨床神経心理学的分類

2 認知神経心理学的分類

3 書き障害のリハビリテーション

§17.高次脳機能障害のリハビリテーションの遂行など に影響を与える精神症状

A.急性期の意識障害の症状と対応,治療

1 症状

2 対応

B.情動と認知機能の神経基盤

C.脳損傷による情動と認知機能の変化

D.回復期にしばしば出現する精神症状:評価と治療

1 精神症状

2 社会的行動障害という考え方

3 器質性精神障害という考え方

4 障害認識とかかわる症状

E.リハビリテーションの考え方と対応

1 認知機能障害の一部として生じる場合

2 包括的に対応することの重要性

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書籍情報

  • ISBN:9784498228054
  • ページ数:196頁
  • 書籍発行日:2016年5月
  • 電子版発売日:2016年7月22日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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