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- 神経疾患 At a glance diagnosis
商品情報
内容
神経疾患の108の症例を呈示し、鮮明な写真とともにその特徴を解釈、解説した一冊。
序文
本書を刊行できたのはひとえに恩師平井俊策先生のご指導の賜であることを冒頭に言明しておきたいと思います.筆者が神経内科に進むきっかけは,医学部在学中に病に倒れた父をみて神経所見の大切さを身につまされたことでした.丁度その頃,平井俊策先生が群馬大学に教授として赴任され,神経内科学教室の礎を築かれようとしていたときでしたから,迷うことなく教室の門を叩き,その一員となることを許可していただきました.そこで最初に教えていただいたこと,そして繰り返し教えていただいたことは,故冲中重雄先生のことばをかみ砕いて引用した「眼の前の患者さんがかけがえのない教科書である」ということばでした.以来,患者さんを丹念に診察し詳細にカルテに記録する平井教授の姿を模倣することが始まったわけです.それに加えて,可能な限り症候を写真に記録し,時にはビデオ撮影(当時は8 ミリか16ミリフィルム)をしながら症例を重ねてきました.本書の底流にはこうした積み重ねがありました.
さて,本書は月刊誌Clinical Neuroscience に2004 年4 月号から2012 年12 月号までの9年間にわたって連載された「At a glance diagnosis」シリーズを一部改変し,書籍化したものです.群馬大学神経内科在籍中にその月刊誌への執筆依頼があり,1 年でも継続できればよいだろうという軽い気持ちで引き受けました.筆者自身が経験し蓄えていた症例の掲載から始め,当時群馬大学神経内科教授であった岡本幸市先生から拝借した症例を追加し,さらには同教室の多くの先生から提供していただいた症例を書き連ねるうちに,連載は5 年におよぶことになりました.現在の職場に籍を移した2008年4 月には,もうこれ以上の連載継続は困難であろうという危惧がありましたが,日々の診療で筆者の好奇心を刺激してくれる症例に恵まれました.また同僚の神経内科医からの応援もあり,さらに5 年近くにわたって毎月の原稿を用意することができました.
本書での症例呈示は,まず病歴等を簡単に前置きし,次に一目で診断に結びつくと思われる症候を示す写真を掲げ,最後にその特徴を解釈し解説します.筆者のやや独りよがりな解釈もあろうかと思いますが,文字で説明されても理解しにくいものでも写真を見せられるとすんなりと納得できるものです.掲載されたものの多くは神経内科の初学者から神経内科専門医までが知っておくべき症候です.日常診療に本書が役立つことがあればそれだけで筆者にとって大いに満足ですが,症候に関する知識を整理・拡充するために本書を活用していただけることがあれば望外の喜びです.さらに,本書に掲げた症候や解釈に関する疑問や不備などに気づかれたなら,それらを指摘していただければ幸甚です.それは筆者の知識を深めることになりますから,大いに歓迎するところです.
序文を結ぶにあたり,筆者に神経内科学の基礎と理念についてご教授いただいた恩師・群馬大学名誉教授平井俊策先生,実地で神経内科学をご指導いただいた山口大学名誉教授・徳山医師会病院院長森松光紀先生,本書の基礎となったAt a glance diagnosisシリーズの連載にご協力いただいた群馬大学名誉教授岡本幸市先生をはじめ群馬大学神経内科学教室の諸先生および医療法人育生会篠塚病院神経内科の諸先生,連載から書籍化まで絶えずご援助いただいた中外医学社Clinical Neuroscience 編集部の諸兄姉に深く感謝いたします.最後になってしまいましたが,本書にもっとも貢献していただいたのは言うまでもなく「かけがえのない教科書になっていただいた患者さん」です.ここに心よりお礼申しあげます.
2013年 雪の残る浅間山を望みながら 田中 真
目次
・中枢性顔面神経麻痺
・末梢性顔面神経麻痺
・Guillain-Barre症候群
・重症筋無力症
・両側Bell麻痺
・皺眉筋徴候
・強制泣き
・顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
・筋強直性ジストロフィー
・顔面の萎縮
・片側顔面攣縮
・心因性顔面攣縮
・顔面のジストニー
・両側眼瞼攣縮
・開眼失行
・睫毛徴候
・家族性アミロイドポリニューロパチー
・甲状腺機能低下症
・PHACE症候群
・側頭動脈炎
・仮面様顔貌
・Down症候群
・ガーゴイル様顔貌
・Crouzon症候群
・滑車神経麻痺
・進行性核上性麻痺
・項部ジストニー
・糖尿病性動眼神経麻痺
・内頸動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤による動眼神経麻痺
・Bell現象
・偽性核間性眼筋麻痺
・内側縦束症候群
・眼球回転発作
・びっくり眼(まなこ)
・Graefe徴候
・ミトコンドリア脳筋症
・毛細血管拡張性運動失調症
・帯状疱疹
・心因性眼瞼下垂
・Horner症候群
・Argyll Robertson瞳孔
・Kayser-Fleischer輪
・Adie症候群
・虹彩小結節
・下顎の偏倚
・斜め卵形の口
・随意的顔面運動と情動的顔面運動の解離
・視覚刺激による強制開口反応
・触覚刺激による強制開口反応
・遅発性ジスキネジー
・Pierre Robin症候群
・自傷行為
・上位運動ニューロン障害による舌の偏倚
・下位運動ニューロン障害による舌の偏倚
・舌の叩打性筋強直
・筋萎縮性側索硬化症
・球脊髄性筋萎縮症(Kennedy-Alter-Sung症候群)
・Myasthenic tongue
・Behcet病
・Scalloped tongue crenated tongue
・フェニトイン歯肉増殖症
・酸蝕歯
・痙性斜頸(rotatory torticollis)
・痙性斜頸(retrocollis)
・痙性斜頸(horizontal torticollis)
・結節性硬化症
・Sturge-Weber症候群
・Ramsay Hunt症候群
・サルコイドーシス
・ヘリオトロープ疹
・von Recklinghausen病
・三叉神経第三枝(下顎神経)帯状疱疹
・弾性線維性偽性黄色腫
・網状皮斑
・Gottron徴候
・Pill-rolling tremor
・Piano-playing finger
・把握性筋強直
・アテトーゼ(上肢)
・テタニー
・垂れ手
・書 痙
・手の叩打性筋強直
・猿 手
・猿 線
・Ataxia-ocular apraxia 2
・角を作る手
・尺骨神経麻痺
・若年性一側上肢筋萎縮症(平山病)
・上腕二頭筋長頭腱断裂
・意図動作時運動過多
・Angel-wing appearance
・罪なきバビンスキーのあしゆび
・逆シャンペンボトル型萎縮
・偽性肥大
・早朝ジストニア
・多毛症(POEMS症候群)
・アキレス腱の肥厚
・Striatal toe
・咬 痙
・アテトーゼ(顔・体幹)
・見えない枕徴候
・首下がり
・片頭痛
・交叉性片麻痺
・Emery-Dreifuss症候群
・パーキンソン病
・Camptocornia
・文 献
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書籍情報
- ISBN:9784498228061
- ページ数:116頁
- 書籍発行日:2013年5月
- 電子版発売日:2014年8月29日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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