ここが知りたい!臨床神経生理

  • ページ数 : 226頁
  • 書籍発行日 : 2016年5月
  • 電子版発売日 : 2017年2月17日
7,040
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商品情報

内容

現場で役立つ臨床神経生理学のエッセンスを凝縮した入門書。

脳波、誘発電位、筋電図、機能画像、自律神経、眼球運動の各章ごとにそれぞれの基本知識、臨床応用における「ここが知りたい!」ポイントをコンパクトに解説する。臨床神経生理学がわからない、苦手な方にこそ読んで頂きたい一冊。

序文

臨床神経生理学(Clinical Neurophysiology)は,脳から脊髄,末梢神経,筋に至る広い範囲の機能とその病態を,生理学的に研究している学問分野である.脳・神経・筋の機能解明のための学際的な分野が一体となって,ヒトの神経系を中心とする複雑なシステムの研究を推進し,神経・精神疾患の諸問題に直結した臨床的な研究を行っている.

1920年代末に脳波と筋電図がヒトで初めて記録されて以来,その理論的側面,検査法およびその臨床応用が急速に発展した.1940年代からの誘発電位,1960年代中頃からの事象関連電位,1960年代末からの脳磁図,さらに1970年代後半からポジトロンCT(PET),1990年より機能的核磁気共鳴画像(fMRI)などの脳機能イメージング検査が開発され,これらの手法が脳科学的な研究および臨床に用いられるようになってきた.

臨床現場では,CTやMRIなどの画像検査の進歩により,脳の形態的な検査が重要視されている.しかし,機能的な面を検査する臨床神経生理学的な検査も忘れてはならない検査である.逆に形態検査で異常所見が検出されないときに,臨床神経生理学的な検査はその威力を発揮する.

本書では,各検査法の「基本を知りたい」,「ここが知りたい」など初学者が手に取りやすいようなボリュームで,通読することが苦にならない臨床神経生理のテキストを目指した.そのために,臨床神経生理学の分野の第一線で活躍されている先生方に玉稿を賜り,各節2〜4頁で,そのエッセンスを解説してもらった.これにより,臨床神経生理学の基本的な事項から検査のコツ,所見の捉え方までを1冊で「早わかり」できるよう,平易でポイントをおさえた表現となった.本書が,神経内科医,脳外科医,精神科医,臨床検査技師などの方にお役に立てば幸いである.

なお,本書の企画・編集でお世話になった中外医学社,企画部・岩松宏典,編集部・高橋洋一氏のご協力により,この本は完成した.この場を借りて感謝申し上げる.


2016年春

九州大学大学院医学研究院・臨床神経生理学分野 飛松省三

目次

第1章 脳波

01.基礎知識

a.脳波の発生機序

b.脳波の構成成分

02.導出法

a.電極配置

b.基準電極導出vs双極導出

c.デジタル脳波計のしくみ

03.賦活法

a.過呼吸

b.光刺激

c.睡眠

04.正常脳波

a.小児

b.成人および高齢者

05.睡眠ポリグラフ検査

a.基本と原理

b.臨床応用

06.てんかん

a.総論

b.小児てんかんの脳波

c.成人

d.てんかん重積状態

e.長時間ビデオ脳波モニタリング

f.偽性てんかん波(てんかん波と誤りやすい脳波波形)

07.局所性脳病変

08.びまん性脳障害

09.周期性パターン

10.意識障害

11.脳死

12.薬物脳波

13.認知症

14.脳波レポート(作成・判読所見)

15.脳磁図

a.原理と基本

b.臨床応用

第2章 誘発電位

01.基礎知識

a.アナログ/デジタル変換と加算平均法

b.近接電場電位と遠隔電場電位

02.体性感覚誘発電位

a.原理と基本

b.臨床応用

03.聴性脳幹反応

a.原理と基本

b.臨床応用

04.視覚誘発電位

a.原理と基本

b.臨床応用

05.運動関連脳電位

a.原理と基本

b.臨床応用

06.運動誘発電位

a.基礎1:脳刺激法の種類

b.基礎2:磁気刺激の原理

c.臨床応用

07.術中脊髄機能モニタリング

08.事象関連電位(P300)

a.基本と原理

b.臨床応用

09.ミスマッチ陰性電位

a.基本と原理

b.臨床応用

第3章 筋電図

01.基礎知識

a.上位運動ニューロンと下位運動ニューロン

b.筋電図に用いる電極とその特性

02.神経伝導検査

a.原理と基本

b.脱髄と軸索変性

c.絞扼障害

03.反復刺激試験

04.針筋電図検査

a.原理と基本

b.臨床応用

05.神経根症

06.腕神経叢障害

07.F波・A波・H波(基礎・臨床応用)

08.長ループ反射(基礎・臨床応用)

09.筋電図レポート(作成・判読所見)

第4章 機能画像

01.SPECT

a.原理と基本

b.臨床応用

02.PET

a.原理と応用

b.臨床応用

03.機能的MRI

a.原理と基本

b.臨床応用

04.光トポグラフィー8

a.原理と基本

b.臨床応用

第5章 自律神経

01.基礎的事項

02.交感神経皮膚反応

03.心電図R―R間隔

第6章 眼球運動

01.基礎と原理

02.臨床応用


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書籍情報

  • ISBN:9784498228580
  • ページ数:226頁
  • 書籍発行日:2016年5月
  • 電子版発売日:2017年2月17日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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