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- 初めてのけいれん さあどうするか
商品情報
内容
てんかんばかりでなく、幅広い原因で生じうる「けいれん」.救急、プライマリケアなどはもちろん、あらゆる診療科に関わる病態です。初発の痙攣発作を診察するに際して重要なのは、問診・問診・問診!症例を通じ、そのノウハウをわかりやすく紹介します。
序文
はじめに
コンセプトは「けいれん」の実地臨床
この本は「初めてのけいれん」にターゲットを絞りました。けいれんの初期対応の要点は救急の教科書に載っていますよ。でもね、それを読んで実際に行動できるか。知識を持っていても、行動に活かすことができなければ結果は得られません。ここに教科書の限界があります。教科書にはない、ニッチな領域を狙った実用書。教科書には書けない裏話。それが本書のコンセプトです。
ただし、学術書ではないことを、あらかじめお断りしておきます。この本は私の臨床経験をまとめたもので、エビデンスに基づく解説書ではありません。ひとりの臨床家として、こんなふうに診療してますよ。私の日々の実践を紹介し、「初めてのけいれん」についての考え方をお伝えするつもりです。
「けいれん」初期対応のヒント
けいれんは、ありふれた症状です。病院には毎日のように救急搬送されてきます。小児科の待合室で子どもがけいれんを起こす。お母さんは大慌て。ドラマですよねぇ。
医師として、初めてのけいれん、さあどうするか。できれば毅然とし、スマートに対応したいですよね。
けいれんは、多くの疾患に合併します。いろんな診療科で遭遇する機会は多いはず。研修医、救急医、小児科医、神経内科医、脳外科医。それだけじゃない。すべての診療科にかかわる病態です。プライマリケアを実践する上でも、避けては通れません。
私は小児神経科医として子どものてんかんを担当して、かれこれ30年あまり。毎日、てんかんばかり診ているわけですから、「けいれんの初期対応」といえば得意技。初期診療として、何をどう判断すべきか。まさに真骨頂。ところが、みなさんの中には、ちょっと荷が重いっていうドクターも多いでしょうね。
問診技術を磨こう
どんなけいれんが、いつ出たのか。問診、問診、問診。
診察室内でけいれんを目撃することは滅多にありません。何が起きたのか。話を聴いて想像するしかありません。ここに、けいれん性疾患の難しさがあります。聞き取りには独特の工夫を凝らしていきます。さもないと診断の方向性が定まりません。この本では「診断を外した事例」を通じて問診のヒントを紹介していきます。
姉妹書
この本は前著「てんかん診療 はじめの一歩」(中外医学社、2016年)の姉妹書です。前著のテーマは「てんかん」。本書では「初めてのけいれん」に焦点を当てました。
視点が異なるとはいえ、書いてる人間は同じだし、根幹のコンセプトも揺るぎませんから、姉妹に似たような切り口が見えたとしても、ご容赦くださいね。
2017年3月
榎 日出夫
目次
第1章 けいれんは続いているか
救急車でけいれん まず何から始めるか
【コラム】押さえて、止める
発作はまだ続いている
開眼か、閉眼か
【コラム】事例検討のルール
きっと陽性症状があるはずだ
けいれんが続くとき
けいれん重積の薬物治療
血液検査で何を見るか
【コラム】怖くて診てられない
第2章 いつ 何をしているとき
時間の流れ
いつですか
何をしているときですか
【コラム】団扇で扇いだとき
走っているとき
光を見たとき
図形を見たとき
【コラム】光を当てるな、ひきつけるぞ
叱られたとき
【コラム】行動の結果によって報酬を得る
元気がないとき
【コラム】臨床にドラマを
頭を打ったとき
【コラム】母と話をしていたとき
第3章 発作型を見極める
時間の流れ
吐いたのはいつですか
嘔吐する発作
ぼーっとする発作
発作が見過ごされている
ピクピクする発作
右か左か
【コラム】向かって左は
また発作しちゃった
発作終了後の硬直
【コラム】Todd麻痺かな
第4章 脳波は諸刃の剣
脳波に異常なし さあどうするか
なぜ脳波に異常が出ないのか
脳波に異常があるとき
熱性けいれんと脳波
頭痛と脳波
てんかんと脳波
【コラム】脳波フリークな医師たち
第5章 初めてのけいれん 診断と治療
「けいれん」と「てんかん」
【コラム】ある日、講演会で些末事
てんかん 発作回数の定義
初回発作 てんかんですか
Remote symptomatic seizure
2回目の発作 出現しますか
初回発作 治療しますか
・エピローグ てんかんの消失
・症例一覧
・てんかん専門医の心得 一覧
・索引
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書籍情報
- ISBN:9784498228825
- ページ数:190頁
- 書籍発行日:2017年3月
- 電子版発売日:2017年9月22日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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