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- クリニカルリーズニングで内部障害の理学療法に強くなる!
商品情報
内容
フローチャート・表を多用し、よく出会う症状・現象へのアプローチを解説!原因を追究して結果を出すための思考プロセスが学べます。臨床現場に出たばかりの方、指導する立場の方、臨床実習に挑む理学療法学生におすすめです!
序文
監修の序
クリニカルリーズニング(ClinicalReasoning:CR).私がはじめてこのワードを耳にしたのは理学療法士になって数年経った時でした.友人と食事している時の雑談で知ったと記憶しています.それから,辞書,テキスト,文献を調べて,見聞き勉強をして自分なりに理解を深めながら,日々の診療で実践してきました.CRの考え方を意識するようになってから患者さんと向き合っているときの集中力が明らかに増し,治療効果を患者さんと共有できることが多くなりました.
未熟者の私ですが診療・研究・教育に携わり20年目になりました.今,強く感じていることは「原因を追究し結果を出すためのCR」の実践能力は診療・研究・教育の結び付きを強め,相乗的なスキルアップに役立つということです.
私が学生や新人のときは患者さんの症状・現象と,テキストに載っている,もしくは推奨されている管理やエクササイズを安易に関連づけて,治療している気になっていた部分がありました.例えば下記のように.
・「変形性股関節症の患者さんは中殿筋が弱く,トレンデレンブルグ現象がみられるので(はずなので),とりあえず横向きで外転エクササイズ」
・「片麻痺の患者さんは腓腹筋が硬く,歩行時に反張膝になりやすいので(はずなので),とりあえず,ストレッチング」
・「心不全の患者さんは血圧低下や運動耐容能低下が生じるので(はずなので),とりあえず血圧を測ってから歩行練習」
CRを意識せずに,このようなやり方を継続していたとしたら,どうなっていたでしょうか.治療効果を患者さんと共有することを今のように楽しめていたでしょうか.答えは間違いなく「No」です.
本シリーズは羊土社の鈴木様からの企画提案からはじまりました.私でよいのだろうかと思いつつも,鈴木様の熱意を受けて監修をお受けしました.真っ先に各領域のエキスパートに編集を依頼し,「運動器」では中丸先生・廣幡先生に,「神経系」では中村先生・藤野先生,「内部障害」では田屋先生・渡邉先生にお引き受けいただくことが叶いました.その後,編集者の先生方と相談しながら「診療・研究・教育を日々実践している専門家」による執筆チームを構成しました.素晴らしいメンバーに執筆を引き受けていただいたと自負しております.
本シリーズにおけるCRの「標的」は代表的な運動器疾患,神経系疾患,内部障害でみられる「特徴的な症状や現象」としました.取り上げた疾患・傷害は,臨床で必ずと言っていいほどよく遭遇するものばかりです.これらの疾患・傷害別に症状・現象ベースでCRのプロセスを解説する構成とし,読者の方が実際の患者さんにどのようにCRを適用したらよいか理解しやすい工夫をしました.また,思考プロセスのフローチャートや,問診の内容を会話形式で示して,専門家が仮説を絞り込んでいくプロセスを効果的に理解できるように工夫しました.
本シリーズでは各書籍の第1章でCRの概要や学習法について,これまでの歴史を踏まえてシンプルに解説し,特に神経系と内部障害においてはCRにおける仮説を肯定・否定するうえで不可欠な客観的な所見・データの見方について解説しました.
一番の読みどころである第2章以降では,「診療・研究・教育の3輪車(時々,"運営"も加わった4輪車)」を日々乗り回しているエキスパートたちによるシンプルかつ奥深いCRを堪能することができるでしょう.
本書が学生,理学療法士,そして彼らを直接指導する方々のCRスキルアップに役立つことを切に願っています.そして,運動器疾患,神経系疾患,内部障害の症状に悩む患者さんが治療効果を実感する機会が増えればたいへん嬉しいです.最後に下記の方々に改めて感謝を申し上げて監修の序とさせていただきます.
・編集を快く引き受けていただき,いつも的確なアドバイスをしてくださった中丸先生,廣幡先生,田屋先生,渡邉先生,中村先生,藤野先生
・本シリーズの羅針盤となる見本原稿を作成したくださった瓦田先生
・玉稿を書き上げてくださった信頼できるエキスパートの先生方
・小生に素晴らしい企画を提案してくださった羊土社の鈴木様
・感服せずにはいられない校正で出版まで導いてくださった羊土社の大家様
・今,本書を手にとってくださっている「将来のエキスパートの方々と,彼らを教育している指導者の方々」
2017年5月
相澤純也
目次
第1章 クリニカルリーズニングとは
1.クリニカルリーズニングの定義とプロセス
2.クリニカルリーズニングの学習法
3.客観的指標とフィジカルアセスメント(主観的評価)のとらえ方
第2章 循環器疾患のクリニカルリーズニング
1.心不全 血圧が低く息切れを認めるが,運動療法ができるか?
2.心臓弁膜症術後 術前からの心不全により低栄養を併発しているが,離床できるか?
3.急性大動脈解離術後 術後酸素化障害を認めるが,離床できるか?
第3章 呼吸器疾患のクリニカルリーズニング
1.急性呼吸不全 人工呼吸器管理中であるが,離床できるか?
2.慢性呼吸不全 自己排痰に難渋しているが,どのように排痰させるか?
3.間質性肺炎 運動誘発性低酸素血症を認めるが,どのような運動療法を行うか?
第4章 代謝疾患のクリニカルリーズニング
1.糖尿病 血糖コントロールが不良であるが,どのような運動療法を行うか?
2.CKDの急性増悪 浮腫や呼吸苦を認めるが,運動療法ができるか?
第5章 その他のクリニカルリーズニング
1.がん 倦怠感が強いが,どのような理学療法を行うか?
2.心不全(フレイル) フレイルを呈している心不全に対し,どのような運動療法を行うか?
3.心不全(在宅) 在宅維持期の心不全に対し,どのような自立支援を行うか?
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書籍情報
- ISBN:9784758102193
- ページ数:223頁
- 書籍発行日:2017年5月
- 電子版発売日:2018年1月26日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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