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実験医学増刊 Vol.35 No.15 The オートファジー 研究者たちの集大成が見える最新ビジュアルテキスト

  • ページ数 : 224頁
  • 書籍発行日 : 2017年9月
  • 電子版発売日 : 2018年11月23日
5,940
(税込)
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商品情報

内容

オートファジーはどうやって起こるのか?なぜ私たちの体で必要なのか?その理解がどう創薬に役立つのか?

メカニズムの全貌に迫りつつあるオートファジー研究の現在地を、その歴史と展望とともにご紹介します。

実験医学 最新号・バックナンバー・増刊号

序文

大隅良典博士のノーベル賞受賞決定(2016年10月3日)というビッグニュースからまもなく1年が経とうとしています.「早いもので」と言うのはおそらく私たちだけで,大隅先生にとってはとても長い1年だったかと思います.実はこの増刊号は受賞決定の前から企画していたのですが,10月から12月まで続いた「大隅旋風」のあまりの勢いに吹き飛ばされそうになりました.本来であればタイムリーな企画と言うべきところ,いささかタイムリーすぎたようです.年が明けてからやっと企画を再開し,ついに発行に至ることができました.

ノーベル賞の授賞対象となった研究領域ですから,オートファジーについてはすでに多くのことがわかったと想像されると思います.これは,もちろん一部には正しいのですが,あまり正しくはないようにも思います.大隅先生ご自身もおっしゃっているように,まだわかっていないことがたくさんあります.特に,本質的な基礎研究の部分で未解明な課題が山積しています.しかし,これまでの蓄積をもってすれば,これらの課題もこれから着実に解明されていくと思われます.また,ノーベル賞をきっかけにして,オートファジーと疾患や創薬との関連がいっそう注目されるようになってきています.こちらはまだ初期段階ではありますが,臨床医学や製薬企業からの研究者とともに今後より盛んになっていくことが期待されます.

この増刊号では,世界のオートファジー研究を牽引している日本人研究者に,基礎から臨床までの幅広い範囲の解説をお願いしました.丸ごと一冊オートファジーということから,ある程度の網羅性を心がけましたので,初学者でもオートファジーに関する全般的知識を得ることができると思います.一方で,最先端の研究をおこなっている研究者だからこそ書ける,最新のトピックスも数多く含まれています.オートファジー研究はまだまだ発展していますので,本書がその理解の役に立てば望外の喜びです.

末筆ながら,嵐が鎮まったばかりのお忙しいところご執筆いただきました皆様方には,ここに深く感謝申し上げます.


2017年8月

水島 昇,吉森 保

目次

第1章 総論

オートファジー総説のメタレビュー

1.オートファジー関連の国内外研究会

2.オートファジー微細形態学―メゾスケール構造の克服

3.オートファジーの定量的解析

第2章 オートファジーの分子機構

1.オートファジー始動複合体の形成メカニズム―天然変性タンパク質Atg13がつなぐ自己高次集積

2.オートファゴソーム成熟と融合の分子機構

3.Rabによるオートファジー制御

4.非小胞輸送型オートファジー―chaperone-mediated autophagyとRNautophagy,DNautophagy

5.クリノファジー:分泌顆粒分解機構

第3章 選択的オートファジー

1.酵母における選択的オートファジー

2.選択的オートファジーにおけるオートファジーレセプタータンパク質

3.p62分解とNrf2経路

4.マイトファジーによるミトコンドリアの品質管理:どこまで明らかになったのか?

5.ゼノファジーとリソファジー

第4章 オートファジーの生理的意義

1.哺乳動物におけるオートファジーの生理機能

2.哺乳類初期胚におけるミクロオートファジーによるシグナル制御

3.オートファジーと生体防御応答

4.寄生性原虫におけるオートファジーの多様性

5.植物のオートファジー

第5章 オートファジーの病態生理的意義

1.オートファジーと神経変性・パーキンソン病【

2.オートファジーとがん

3.幹細胞の未分化制御におけるオートファジーの役割

4.非アルコール性脂肪性肝疾患の病態進展における肝細胞オートファジーの影響

5.オートファジー創薬と課題

6.リソソームと膵炎

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書籍情報

  • ISBN:9784758103657
  • ページ数:224頁
  • 書籍発行日:2017年9月
  • 電子版発売日:2018年11月23日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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