治療薬イラストレイテッド改訂版

  • ページ数 : 383頁
  • 書籍発行日 : 2009年10月
  • 電子版発売日 : 2012年10月12日
6,380
(税込)
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商品情報

内容

イラストによる作用解説・充実の処方例で臨床に役立つ!

各診療科で使う主な薬の作用機序と具体的な使い方が1冊に。
イラストで薬理作用をスッキリ解説し、さらに充実の処方例、投薬の注意、患者説明のコツで診療に即役立ちます!

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序文

改訂の序

医学の進歩は著しく,新しい病態が明らかになるとともに,新しい治療薬出現の原動力となっている.ES細胞やiPS細胞などの万能細胞研究の進歩は,将来の重篤な臓器障害の根治的治療法の可能性を期待させる.一般に,科学の進歩はシーズとニーズの緊張感のある循環によってもたらされると考えられているが,最近の生命科学分野の力強い進歩は,人類の健康な長寿への願望という強いニーズによって後押しされながら加速している印象がある.一方,これらの新しい医学知識が実際の臨床に応用されるまでには,生身の人間が対象であることから,安全性や有効性について十分な検証が必要であることは言うまでもない.1つの薬剤が開発から市場に出るまでには10年以上かかると言われ,さらにその薬剤の科学的エビデンスが臨床現場で定着するまでには5~10年を要することがしばしばである(エビデンス-診療ギャップ).私たちが現在使用している各々の薬剤についても,できるだけすみやかに医学の進歩(シーズ)は社会に還元されるべきであり,このエビデンス-診療ギャップをできるだけ埋める努力が期待されるところである.

薬剤の使用にあたっては,その安全性と有効性を十分に理解しなければいけないことはもちろんであるが,臨床現場ではエビデンスの確立と定着(例えばガイドラインの設定)を必ずしも待つことができない場合がしばしばである.薬剤の背景にある医学的シーズやニーズあるいは作用機序をしっかりと理解することが,薬剤の適切な使用やエビデンス-診療ギャップの実際的な縮小につながると期待している.

本書ではイラストを用いて,薬剤の作用機序をわかりやすく解説することにより,適切な薬剤使用のガイドとなることを期待している.また薬剤への過信はしばしば医療過誤の原因となることから,投薬時の注意や患者さんへの説明のコツ,処方例についてもわかりやすく記載するように心がけた.今回の改訂では,新しく臨床で利用されている薬剤を加えるとともに,日本で今後承認される予定の薬剤についても解説を加えた.本書が高度化する薬物療法において,薬物の作用機序や安全性,副作用を確実に理解する一助となり,患者本位の医療,安心・安全な医療,患者に信頼される医療の実現に貢献できることを念願している.


2009年 9月

山田信博



初版の序

薬物療法に関する情報は増加の一途であり,新しい薬理作用を持つ薬物が実地臨床において次々と登場している.多忙な臨床のなかでは,氾濫する多様な薬物に関する情報を,いちはやく入手し,的確に整理し,活用する工夫が重要となっている.何よりも,患者本位の最適な薬物療法をベッドサイドにおいて実施することが重要であり,最新の薬理作用のメカニズムを熟知しておく必要がある.患者へのわかりやすい説明とともに,安全性と有効性に関する科学的根拠に基づく診療が同時に求められている.言い換えれば,薬物療法の実施に際しては,科学的に合理的であることを十分に患者に納得させることができる薬物療法であるように心掛けたい.安心な信頼できる薬物療法を確保するために,漫然とした薬物投与,薬物投与過誤を絶対に避けなければならない.

しかし,薬理作用はともすれば大変複雑であり,理解しにくい.そこで本書では視覚的に薬理作用を理解できるように工夫し,主要な薬物療法についてイラストや表を用いて解説した.また,薬の作用機序を理解して処方するために,疾患別に具体的な処方例も紹介した.さらに有効性と安全性に関する情報も簡潔に記載し,患者へ説明する際のコツを紹介した.本書は日常診療で薬の説明や服薬指導をされる際に,十分に役立つものと期待している.

2004年 4月

山田信博

目次

第1章 総論:薬物治療の基礎

1)薬物が働く基本的なメカニズム

2)薬物が及ぼす作用と副作用,耐性と依存

3)ところで薬(くすり)とは?

4)薬剤の適用時に考えること

5)薬物血中濃度測定に基づく投与量設計

6)小児の薬用量

7)高齢者の薬用量

8)妊娠時に禁忌の薬物

9)臨床上重要な併用禁忌

第2章 各科別薬の作用機序と処方例

1.循環器系

1 ● 降圧薬

2 ● 抗狭心症薬

3 ● 抗不整脈薬

4 ● 心不全治療薬・強心薬

5 ● 利尿薬

6 ● 末梢血管拡張薬

7 ● 抗血栓薬(抗血小板薬,抗凝固薬)

2.消化器系

1 ● 健胃・消化薬

2 ● 消化性潰瘍治療薬

3 ● 鎮痙薬と鎮痛薬

4 ● 下剤

5 ● 止痢・整腸薬

6 ● 炎症性腸疾患治療薬

7 ● 肝・膵疾患治療薬

8 ● 胆嚢・胆道疾患治療薬

3.呼吸器系

1 ● 気管支拡張薬・吸入ステロイド薬

2 ● 去痰薬

3 ● 鎮咳薬

4.血液系・悪性腫瘍

1 ● 造血薬

1 )赤血球系の造血薬(EPO,鉄剤,ビタミンB12と葉酸)

2 )白血球系の造血薬(G-CSF,M-CSF)

3 )血小板増加薬(ロミプロスチム,エルトロンボパグ)

2 ● 止血薬・抗凝固薬

3 ● 血液製剤

4 ● 抗悪性腫瘍薬

5 ● 分子標的薬

6 ● 経口鉄キレート薬

5.神経科系

1 ● 頭痛薬

2 ● 抗てんかん薬

3 ● 抗脳循環障害薬,脳保護薬,抗アルツハイマー型認知症薬

4 ● パーキンソン病治療薬

5 ● 筋弛緩薬

6 ● 制吐薬

7 ● 麻酔薬

6.精神科系

1 ● 抗精神病薬

2 ● 抗不安薬

3 ● 抗うつ薬

4 ● 睡眠薬

7.代謝系〔糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・痛風〕

1 ● 糖尿病薬

1 )インスリン製剤

2 )経口血糖降下薬

3 )インスリン抵抗性改善薬

4 )速効性インスリン分泌促進薬

5 )食後過血糖改善薬:α-グルコシダーゼ阻害薬

6 )DPPⅣ阻害薬

2 ● 脂質異常症(高脂血症)治療薬

3 ● 尿酸降下薬

8.内分泌系(骨・Ca,ホルモン製剤)

1 ● 骨,カルシウム代謝薬

2 ● 甲状腺機能異常症治療薬

3 ● 女性ホルモン剤

4 ● 男性ホルモン剤

5 ● その他のホルモン剤

1 )成長ホルモン

2 )下垂体後葉ホルモン

9.炎症・アレルギー・免疫系

1 ● 副腎皮質ステロイド

2 ● 非ステロイド性抗炎症薬

3 ● 生物製剤

4 ● 抗リウマチ薬

5 ● 抗ヒスタミン薬

6 ● 抗アレルギー薬

7 ● 免疫抑制薬

10.感染症

1 ● 抗菌薬

2 ● 抗真菌薬

3 ● 抗ウイルス薬

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書籍情報

  • ISBN:9784758106757
  • ページ数:383頁
  • 書籍発行日:2009年10月
  • 電子版発売日:2012年10月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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