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- 不整脈診療Skill Upマニュアル
商品情報
内容
疾患ごとに、特徴、診断の進め方、心電図診断、治療の実際とポイントを解説し、薬物療法は患者の状態や状況に応じて具体的な処方例を紹介。日常診療ですぐに役立つ1冊です。
序文
不整脈学の進歩はまさに日進月歩であり,不整脈のメカニズムの解明のみならず,診断および治療法においてもこの10年で大きく変化した.
不整脈の発生メカニズムの解明は,三次元表示可能な高精度のマッピングシムテムの技術開発に寄与するところが大きい.以前は,心筋細胞の活動電位レベルでメカニズムを論じることが多かったが,最近ではマッピングを用いて興奮伝播の観点で説明されることが多くなり,複雑で難解とされた不整脈を視覚的に理解することが可能になった(概略図).
診断においては,Holter心電図,加算平均心電図のような以前からの診断装置に加えて,心臓突然死の予防を考慮に入れたT-wave alternans,heart rate variabilityなどの新しい指標の測定装置が開発され,リスクの層別化において威力を発揮している.観血的検査法である心臓電気生理検査も,さまざまな電極カテーテルが開発され,心内電位の記録と電気刺激に役立っており,また,CARTOあるいはEnSiteなどの新しいマッピングシステムと併用することで,以前に増して難しい頻脈性不整脈の診断に欠かせない手法となっている.
薬物療法については,CAST研究の報告を受け,抗不整脈薬の使い方が変化し,特別な薬剤として認識されていたKチャネル遮断作用を主とするⅢ群薬の使用頻度が,特に心室性不整脈を中心にして増加した.静注薬においては,リドカインが心室頻拍の停止には無効であることがガイドラインでも述べられ,変わってアミオダロン静注薬がその中心になりつつある.また,AFFIRM研究やわが国で行われたJ-RHYTHM研究の報告を受け,心房細動に対しては心拍数調節療法も決して洞調律維持療法に劣らない治療法であることが認識された.さらに,発作回数の少ない心房細動に対しては,pill-in-the-pocket法,すなわち発作があった時点で,抗不整脈効果の高いNaチャネル遮断薬を投与する方法も定着しつつある.このような急速な変化を受けて,欧米,そしてわが国からも不整脈の診断・治療に関する画期的なガイドラインが出され,日々の診療に大きく貢献している.
非薬物療法においては,カテーテルアブレーション,ペースメーカー,植込み型除細動器(ICD)の普及が急速に進んでいる.カテーテルアブレーションについては,WPW症候群や房室結節二重伝導路に起因する発作性上室頻拍あるいは心房粗動に対して威力を発揮するのみならず,最近では心房細動に対しても薬剤抵抗性で発作性であれば積極的に行われるようになってきた.現在,肺静脈隔離術が主流であるが,CFAEと呼ばれる低振幅の分裂電位をターゲットにして行うアブレーションも行われている.ペースメーカーについては,単に徐脈性不整脈に対して心拍を捕捉する装置に加えて,心房細動の抑制機能も備えた多機能の装置も使用されるようになった.ICDについては,持続性心室頻拍,心室細動といった不整脈イベントをきたした症例のみならず,一度も不整脈イベントをきたしたことのない患者に対して,リスクが高いと判断されれば一次予防という目的で使用されるようにもなった.また,心臓再同期療法(CRT)が重症心不全治療の治療法に用いられていたが,ICDの機能を兼ね備えたCRT-Dも使用できるようになり,心機能の低下した重症心室性不整脈患者の治療に新たな活路を見出している.
本書は,これから不整脈学を学ぼうとする若い循環器医師,そしてさらにスキルアップを目指す若い不整脈医のために企画された実践書である.執筆者は,現在,第一線で不整脈の診断・治療を実際に行っているスペシャリストの先生方にお願いした.最近のトピックはもちろんのこと,かゆいところに手が届くような内容もふんだんに盛り込んでいる.不整脈診療の場において必携の書として役立つことを期待したい.
2008年 7月
杏林大学医学部 第二内科
池田 隆徳
目次
序
総 論
第1章 不整脈の考え方
1. 不整脈の起こる機序
2. 不整脈の基盤となる病態
3. 不整脈の症状と身体所見
4. 危険性の高い不整脈
第2章 不整脈の診断法
1. 12誘導心電図
2. 携帯心電図・負荷心電図
3. 心臓電気生理検査(EPS)
4. リスク層別化に用いる心電図指標
第3章 不整脈の治療法
1. 薬物療法
2. カテーテルアブレーション
3. ペースメーカー・ICD・外科手術
4. 緊急時の対処法
各 論
第1章 徐脈性不整脈
1. 洞不全症候群
2. 房室ブロック
第2章 頻脈性不整脈(上室性)
1. 洞性頻脈・心房期外収縮
2. 心房細動
3. 心房粗動
4. 心房頻拍
5. 発作性上室頻拍(WPW症候群)
6. 発作性上室頻拍(非WPW症候群)
第3章 頻脈性不整脈(心室性)
1. 心室期外収縮
2. 心室頻拍・torsade de pointes
3. 心室細動・心停止
第4章 伝導障害
1. 脚ブロック・分枝ブロック
2. 2枝・3枝ブロック
第5章 遺伝性不整脈疾患
1. QT延長症候群
2. Brugada症候群
3. カテコラミン誘発性多形性心室頻拍
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書籍情報
- ISBN:9784758107341
- ページ数:263頁
- 書籍発行日:2008年8月
- 電子版発売日:2012年9月29日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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