うまく続ける!消化器がん薬物療法の基本とコツ

  • ページ数 : 278頁
  • 書籍発行日 : 2016年4月
  • 電子版発売日 : 2017年8月18日
5,500
(税込)
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商品情報

内容

『消化器Book6うまく続ける消化管がん化学療法』の5年ぶりとなる改訂版!

本書では、この5年間の間に変更があった新しい治療法を組み込みました。また、要望の多かった、「肝臓がん」「胆道がん」「膵臓がん」も加え、最新の知見とともに、“うまく続ける” エッセンスがつまった内容となっています。

序文

改訂の序

思い起こせば,本書の改訂前である『消化器Book6うまく続ける消化管がん化学療法』の原稿依頼を受けたのは2010年秋である.編者は大阪医科大学瀧内比呂也教授であったが,まだ若手の一人であった私に声をかけていただき,素直に嬉しかったことを覚えている.当時は消化器がんの化学療法を行うのは,専門的なトレーニングを受けた腫瘍内科ではなく,消化器外科医であり,消化器内科医であった.がん薬物療法の教育や研修を十分に受けた医師が回りにいないなか,目の前の患者さんをなんとかしなくてはいけないという思いで化学療法がなされていたことは想像に難くない.そんな現状を危惧した瀧内教授が,より実践的に,より理解しやすいようにと企画されたのが,『消化器Book6うまく続ける消化管がん化学療法』であった.そのために,具体的なレジメンの投与量や投与順,支持療法の使い方の記述,実際の症例提示など,細やかな配慮がなされ,実際に多くの臨床現場で活用されたと思う.その後月日は流れ,消化器がん薬物療法にもさまざまな新薬や,新たな治療戦略が登場してきた.がん薬物療法の教育や研修を受けた医師の数は増えてはいるものの,いまだに治療の主体は消化器外科医であり,消化器内科医であることは事実である.残念ながら,初版を企画された瀧内先生は最早この世におられないが,その意思を受け継ぎ,目の前の患者さんの治療に役に立つような実践的な本となるよう,この改訂版を世に出すとともに,瀧内先生のご冥福を祈りたいと思う.

本書では,初版の,"うまく続ける" 部分を残しつつ,この5年間の間に変更があった新しい治療法を組み込んだ.選択肢は増したが,何をどのように行っていくか,そして副作用をどのようにコントロールしていくかなど,多彩な臨床判断が迫られるようになった.「食道がん」での術前化学療法,「胃がん」ではオキサリプラチン,ラムシルマブの承認,「大腸がん」ではAll RAS検査の導入や,TAS102やレゴラフェニブの承認などの変化がある.これらを患者さんひとりひとりの利益として還元できることを,本書では心掛けた.

また,要望の多かった,「肝臓がん」「胆道がん」「膵臓がん」も加え,真の意味での"消化器がん" 薬物療法となったことが,今回の改訂の一番の収穫である.肝胆膵がんの編者には,この分野において早期開発から第Ⅲ相試験まで幅広く活躍されている森実千種先生をお迎えした.最新の知見とともに,"うまく続ける" エッセンスがつまった内容となっており,これから消化器がん薬物療法を行おうとしている医師にぜひ手を取って見ていただき,目の前の患者さんの治療に役に立てていただきたいと思う.


2016年3月

加藤 健

目次

改訂の序

初版の序

付録① 減量?延期? うまく続けるために知っておくべき6つのこと

付録② 消化器がんの主な臨床試験

略語一覧

第1章 食道がん

①根治的化学放射線療法

CF+RT療法

②術前補助化学療法

CF療法

③切除不能進行・再発食道がんに対する薬物療法

CF療法,タキサン(DTX単独療法,PTX単独療法)

④知っておくべき副作用対策

第2章 胃がん

①ファーストラインの選択

S-1+CDDP療法のエビデンスと実際

②高齢者に対する胃がん薬物療法の選択

S-1単独,S-1+CDDP療法

③セカンドラインの選択

CPT-11単独療法,wPTX(±ラムシルマブ)

④S-1術後補助化学療法後の再発に対する選択

CPT-11(+CDDP),PTX(+ラムシルマブ),DTX,XP療法

⑤HER2陽性胃がんに対する治療選択

トラスツズマブ+XP療法(カペシタビン+CDDP)

⑥胃がんに対する術後補助化学療法の選択

S-1単独療法,カペシタビン+オキサリプラチン療法

⑦腹腔内洗浄細胞診陽性(CY1)胃がんに対する治療

S-1単独療法,S-1+CDDP療法,S-1+DTX療法,S-1+オキサリプラチン療法

⑧術前補助化学療法

S-1+CDDP療法

⑨知っておくべき副作用対策

第3章 大腸がん

①All RAS 野生型大腸がんのファーストラインの選択

FOLFIRI/FOLFOX+ベバシズマブ/セツキシマブ/パニツムマブなど

②RAS 変異型大腸がんのファーストラインの選択

FOLFIRI/FOLFOX4/mFOLFOX6/XELOX/FOLFOXIRI±ベバシズマブ,5-FU+LV/カペシタビン±ベバシズマブ

③ファーストラインにおけるメンテナンス療法の実際

5-FU+LV療法±ベバシズマブ,カペシタビン±ベバシズマブ

④All RAS 野生型大腸がんのセカンドラインの選択

⑤RAS 変異型大腸がんのセカンドラインの選択

bevacizumab beyond progression(BBP)も含めて

⑥All RAS 野生型大腸がんのサードライン

セツキシマブ/パニツムマブ,レゴラフェニブ/TAS-102

⑦レゴラフェニブ,TAS-102の使い方と選択

⑧大腸がんに対する術後補助化学療法の考え方

5-FU+LV療法(RPMI法)とUFT+LV療法,カペシタビン療法,FOLFOX療法,XELOX療法

⑨知っておくべき主な副作用対策

第4章 胆膵がん

①切除不能進行・再発膵がんに対する薬物療法

GEM単独療法,S-1,FOLFIRINOX,GEM+nab-PTX

②膵がんに対する術後補助化学療法の選択

S-1療法,GEM療法

③切除不能進行・再発胆道がんに対する薬物療法

GEM+CDDP併用療法,GEM単独療法,S-1単独療法

④胆道がんに対する術後補助化学療法の考え方

⑤知っておくべき副作用対策

第5章 肝がん

①切除不能進行肝がんに対する薬物療法

ソラフェニブ単独療法

②切除不能進行肝がんに対する動注化学療法の考え方

低用量FP肝動注,IFN併用5-FU肝動注,CDDP肝動注

③知っておくべき主な副作用対策

ソラフェニブの主な副作用と対策

第6章 神経内分泌腫瘍・神経内分泌がん(NET・NEC)

①切除不能進行神経内分泌腫瘍(NET)に対する薬物療法

ソマトスタチンアナログ,エベロリムス,スニチニブ,ストレプトゾシン

②切除不能進行神経内分泌がん(NEC)に対する薬物療法

EP療法,IP療法

③知っておくべき副作用対策

第7章 臨床力を鍛えるCase Study

①大量腹水を有する胃がんに対する薬物療法

症例提示

Strategy①

Strategy②

Strategy③ 実際の治療

②高齢者大腸がんに対する薬物療法

症例提示

Strategy①

Strategy②

Strategy③ 実際の治療

③局所進行膵がんに対する化学療法・化学放射線療法

症例提示

Strategy①

Strategy②

Strategy③ 実際の治療


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書籍情報

  • ISBN:9784758110594
  • ページ数:278頁
  • 書籍発行日:2016年4月
  • 電子版発売日:2017年8月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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