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商品情報
内容
炎症をいかに長期に安全に抑制していくかを求められるIBD。医師をはじめとして、看護師・薬剤師・栄養士などのメディカルスタッフとの連携と分担というチーム医療を進めることが重要となる本疾患の専門的なノウハウやポイントを分かりやすく解説しました。
序文
監修の序
潰瘍性大腸炎とクローン病は炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)と総称され,日本では以前はまれな疾患でしたが,現在20万人以上の患者さんがいます.消化管に慢性の炎症が続き,原因不明で根本治療がなく,長期にわたる治療が求められます.
近年多くの治療薬が開発され,それらをいかに適切に選んで炎症を鎮め,炎症のない寛解期を維持して,患者さんに通常の生活を送っていただけるよう工夫することが求められています.特に抗TNF-α抗体など生物学的製剤の臨床応用はIBDの治療に革命をもたらしました.クローン病は消化管の機能障害(disability)が蓄積する進行性疾患ととらえられていますが,生物学的製剤登場以後,従来治療では変えられなかったクローン病の自然史が改善されるのでは,との期待も出てきています.一方,抗TNF-α抗体治療が潰瘍性大腸炎にも有効であることが明らかとなり,同様に潰瘍性大腸炎の疾患概念も見直そうという機運があります.
適切な治療により多くの方が通常の生活を送れるようになりましたが,その続行には,他の慢性疾患でも求められているチーム医療が大切となります.IBDでは,特に20歳前後に発症することが多く,勉学や仕事に専念すべき人生の重要な時期に治療を続けていくことになります.多くの方が普通の生活ができるようになってきましたが,服薬中止や疲労・ストレスなどで再燃される方もあります.また,副作用の出現,さらには生物学的製剤の無効例などが問題となってきました.今後も新しい薬物療法が加わり,治療選択肢が豊富となり,IBD治療はさらに複雑化してきます.薬物治療について正しく理解し,これを適切に行うことがますます重要になってくるのは間違いありません.適切な治療には,まずその薬剤の正確な知識と情報が求められ,各患者さんの病態を十分に把握することが必要となります.IBD診療の基本は,個々で病態が異なる患者さんにきめ細やかな治療を提供することであります.
根本的な治療法の開発が待たれますが,現状においては炎症をいかに長期に安全に抑制していくかが求められます.そのためには医師をはじめとして,看護師・薬剤師・栄養士などのメデイカルスタッフとの連携と分担というチーム医療を進めることが重要となってきました.
本書は,日常臨床の場でいかに適切な治療を行うか,種々の面からそれぞれの専門家に,ノウハウやポイントをわかりやすく解説いただいています.編者の熱意と努力,さらには出版社の方々との密接な討論から完成した,他書では経験しないようなチームワークの結実した成果であり,すばらしい内容となったと自負しています.編者・著者・出版社の方々のご協力に深謝します.読者の方々には,本書をもとにきめ細やかな適切なチーム医療を進めていただき,多くの患者さんの日常生活が健常人と近いものとなるよう,協力して治療していただければと存じます.
2016年10月
北里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター
日比紀文
目次
推薦の言葉
監修の序
略語一覧
第1章 IBDのチーム医療とその必要性
1)きめ細やかなIBD治療をめざして
2)IBDにおけるチーム医療
3)IBDのメンタルケア
4)家族看護
5)IBDの医療・社会支援制度
第2章 IBDとは
1)IBDとはどういう疾患か
2)IBDを疑う症状
3)潰瘍性大腸炎の診断基準と分類
4)クローン病の診断基準と分類
5)IBDの鑑別診断
6)腸管合併症
7)腸管外合併症
8)IBDの長期予後
9)IBDのがん化・サーベイランス
①潰瘍性大腸炎
②クローン病
第3章 IBDに必要な検査
1)血液,尿検査,便検査
2)X線診断
①胸腹部単純X線
②消化管造影検査
③X線検査の介助・看護
3)CT・MRI検査
4)超音波検査
5)内視鏡検査
①上部・下部・小腸鏡・カプセル
②内視鏡検査の介助・看護
6)病理検査
第4章 IBDの内科治療
A 考え方と注意点
1)班会議治療指針,ガイドライン
2)内科治療の考え方
3)日常生活の注意事項・感染予防
4)高齢者に対する考え方と注意点
B 内科治療の実際
1)5-ASA製剤
2)ステロイド
3)局所療法(坐剤・注腸)
4)チオプリン製剤
5)タクロリムス
6)シクロスポリン
7)抗TNF-α抗体製剤
8)血球成分吸着除去療法
9)その他の薬剤
第5章 IBDの食事・栄養療法
1)IBDにおける食事・栄養療法の考え方
2)IBDの栄養評価法
3)潰瘍性大腸炎の食事・栄養療法(活動期・寛解期)
4)クローン病の食事・栄養療法(活動期・寛解期)
5)経管栄養療法
6)在宅静脈栄養法(HPN)
第6章 IBDの外科治療
A 考え方
1)医師の立場から
2)看護師の立場から
B 外科治療の実際
1)外科治療の適応とタイミング
2)術式と合併症
3)術後の治療
4)肛門病変
5)ストーマ
第7章 女性のIBD診療
1)妊娠・出産を希望する女性に対する治療
2)女性に対する看護
第8章 小児期・思春期のIBD診療
1)小児と成人のIBDの違い
2)小児IBD治療の考え方
①小児科医の立場から
②外科医の立場から
③看護師の立場から
④薬剤師の立場から
⑤栄養士の立場から
⑥臨床心理士の立場から
3)家族・学校への対応
4)ワクチン接種
5)小児科から成人科への移行期支援(トランジション)
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書籍情報
- ISBN:9784758110631
- ページ数:287頁
- 書籍発行日:2016年11月
- 電子版発売日:2018年2月23日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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