麻酔科医として必ず知っておきたい周術期の循環管理

  • ページ数 : 350頁
  • 書籍発行日 : 2016年5月
  • 電子版発売日 : 2017年8月10日
8,140
(税込)
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商品情報

内容

循環管理のエキスパートがわかりやすく解説!

「循環管理を始める前に」「モニタリングの実際」「実際の循環管理」の三部構成で基本原理から実践までがよくわかります。麻酔科専門医を目指す専攻医はもちろん、周術期の麻酔に携わる医師や、臨床工学技士、看護師など幅広い方におすすめです。

序文

周術期管理において,循環モニターと循環制御が重要であることに議論の余地はなく,すべての職種において,絶え間なく,また,意識することなくかかわり合っている内容と思われます.しかしあまりに日常で触れ合う機会が多く,つきつめてモニタリング機器の原理を理解したり,異常値が生じるメカニズムを考えたりする機会が少ないかもしれません.また,次々と臨床に登場する数多くの機器の功罪や差違を,包括的に整理する機会はさらに少ないかもしれません.しかしながら麻酔関連の学会での演題区分を見てみると,循環管理に関する演題比率はとても多いため,これらの領域の関心の高さと臨床的重要性が示されていることが想像されました.

そこでこのたび,循環管理を極める前の段階で,各種モニターをわかりやすく解説し,機種ごとの特徴や差違を網羅した書籍を作成できないかと本書を企画させていただきました.さらにこれらを理解するうえで,必要な原理の解説や実機の紹介,実例を挙げた循環管理も実践には必須と考え,これらを含んだ項立てをさせていただきました.麻酔科専門医をめざす医師の必携の書となることを願って制作を進めさせていただきました.

ご執筆に関しては,麻酔科および麻酔科以外の科目をご専門とする循環管理のエキスパートの先生方を筆頭に,これからの麻酔科学会を牽引していっていただける若手医師の先生方にも多くご担当いただきました.読者の皆様におかれましては,そのエネルギーを感じながら読み進めていただけますと幸いです.また,初稿を拝読して,私は予期せぬ嬉しい誤算がございました.これは執筆者の先生方の熱意で,わかりやすい表現でありながら内容的には成書にひけをとらない項が数多く存在していることです.このため各科専門医・専攻医・初期研修医・看護師・臨床工学技士など,どなたが手にされても臨床の参考になる項が多く含まれる書籍が完成したと嬉しく感じさせていただいております.

本書が臨床現場の皆様,ひいては患者様に大きな恩恵をもたらすことを祈念して,序文とさせていただきます.皆様のご活躍を心より祈念しております.


2016年4月

旭川医科大学 麻酔・蘇生学講座
国沢 卓之

目次

第1部 循環管理を始める前に

第1章 温故知新

1.Frank-Starlingの法則

2.Guytonの静脈還流曲線

3.Forrester分類

4.Stevenson/Nohria分類

5.圧容量曲線

6.Fickの原理

7.Stewart-Hamilton法とpulse contour法

8.肺動脈カテーテルの功罪

9.抵抗係数(RI)と拍動係数(PI)

10.自然周波数と減衰係数

11.Westのzone分類

12.後負荷の評価とその重要性

第2章 新しい機器のトピックス

1.フロートラックの第4世代アルゴリズム

2.上大静脈血酸素飽和度測定の功罪

3.EV1000の肺血管外水分量

4.Radical-7®によるPIとPVI測定

5.LiDCOrapidの新世代アルゴリズム

6.エスクロンTM

第3章 難しそう,でも有用な概念

1.早期目標指向型治療(EGDT)

2.周術期GDTプロトコルを利用した術中管理

3.術後回復能力強化プログラム(ERASプロトコル)

4.目標指向型輸液管理(GDT)

5.輸液反応性

6.動的指標

第4章 正しく理解していますか?

1.心機能とは

2.EF

3.前負荷の3段階 〜静的指標は常に劣勢か?〜

第2部 モニタリングの実際

第1章 多くの情報が得られる機器

1.心電図 〜心拍数・不整脈・虚血のモニター〜

2.経食道心エコー検査

 A)モニターとしての役割

 B)基礎的検査

 C)診断すべき異常所見

第2章 実際の測定項目:直接指標

1.非観血的動脈圧

2.観血的動脈圧

3.中心静脈圧

4.肺動脈圧/肺動脈楔入圧

5.混合静脈血酸素飽和度(SvO2)

6.心拍出量①(希釈法を利用した計測)

 A)熱希釈法

 B)経肺熱希釈法

 C)色素希釈法

 D)リチウム希釈法

7.心拍出量②(その他)

 A)動脈圧波形解析法

 B)脈波伝播時間解析法

 C)ドプラ法

 D)バイオインピーダンス法・バイオリアクタンス法

 E)容積補償法

 F)部分的二酸化炭素再呼吸法

 G)経食道心エコー

第3章 実際の測定項目:間接指標

1.尿量

2.乳酸値

3.静脈-動脈血二酸化炭素分圧較差(PCO2 gap)

4.カプノメーター

5.体温モニター

6.運動誘発電位(MEP)

7.脳代謝モニタリング

 A)頸静脈血酸素飽和度(SjO2)

 B)近赤外線分光法(NIRS)

8.脳循環モニタリング

 A)経頭蓋超音波ドプラ法(TCD)

 B)眼血流

9.人工心肺機能モニタリング

第3部 実際の循環管理

第1章 循環管理の方法

1.循環作動薬の種類と使用法

2.機械的補助循環を利用した循環管理

第2章 一般手術の循環管理

1.不整脈合併患者の麻酔

2.心疾患合併非心臓手術の麻酔

3.小児麻酔

4.産科麻酔

5.ロボット支援手術

第3章 心臓手術の循環管理

1.心臓手術

2.小児心臓手術

3.大血管手術

4.人工心肺中

5.低侵襲心臓外科手術(MICS)

6.ロボット支援心臓手術

7.経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)

第4章 手術室外の循環管理

1.集中治療領域の循環管理

2.救急領域の循環管理

3.NICUでの循環管理

第5章 トラブルシューティング

1.INVOSTM 5100C使用中のrSO2低下

2.血圧上昇

3.動的指標は輸液過剰の指標になりうるか?

4.体動がSpO2に与える影響

5.低酸素血症時のSpO2測定

6.自発呼吸時の動的指標


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書籍情報

  • ISBN:9784758111164
  • ページ数:350頁
  • 書籍発行日:2016年5月
  • 電子版発売日:2017年8月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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