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- ICUから始める早期リハビリテーション
商品情報
内容
経験豊かな先生方が早期リハについてevidenceとして確立されている内容やcontroversialである内容など、基礎となる考え方から種々の問題について多角的に捉えて執筆。高齢化社会に関連する問題である終末期に提供する医療としてのリハについても記載しております。
序文
序
全国にある多くの救命救急センターや集中治療室では,今日も医師,看護師らによるチームが,生命を維持することすら困難な重症患者に対して,救命を第一に治療を進めています.しかし,救命すなわち治療の成功ではないことは,すべての医療者にとって周知の通りです.近年,救命された重症患者について,生活自立度など長期予後に関する調査研究がいくつか報告されました.その結果,救急・集中治療に携わる医療者は,患者の退院後の生活まで視野に入れた,効果的な治療計画を実施することが求められるようになっています.
私が脳神経外科医として学びはじめた頃,ベッドサイドでのリハビリテーション(以下リハ)はまだ十分に行われておらず,リハ室に移動できない患者に対しては,看護師が関節可動域訓練を行っていました.当時から,重症患者が少しでも機能障害の少ない状態に回復し,社会復帰してほしいという願いは,すべての医療者において全く変わらないものです.
救急・集中治療の領域において,リハは積極的に進められるようになりつつあります.一方,本書のなかでも解説されていますが,脳卒中に対する超急性期リハについては,否定的な結果を示す報告があります.しかし早期リハの目的は,早期に開始することではありません.早期リハについても科学的な評価,検討を行い,evidence-basedmedicineを展開すべきであると考えますが,医療は生活している人を対象としているので,全人的アプローチとしてリハを進めるためにnarrative-based medicineの側面も重要となります.今後,早期リハが有効なアプローチとなるように,安全で効果的な内容について検討を進めることが重要であり,さらに研究を進める必要があると考えます.
本書では経験豊かな先生方によって,早期リハについてevidenceとして確立されている内容やcontroversialである内容など,基礎となる考え方から種々の問題について多角的に捉え,執筆いただきました.また,高齢化社会に関連する問題である終末期に提供する医療としてのリハについても記載しております.本書が,救命救急センターや集中治療室で重症患者のために日夜努力されている医療者の一助となれば幸いです.
2016年1月
中村俊介
目次
執筆者一覧
Colo.Atlas
第1.早期リハビリテーションの基礎
1.救急・集中治療領域における早期リハビリテーションの考え方とは?
2.不動で起こる問題とは何か?
3.ICUにおいてADLをどう評価し,拡大させるのか?
4.高度侵襲下でのリハビリテーションの諸問題
5.チームアプローチとしての早期リハビリテーショ.~チームの構築をどう進めるのか
第2.リハビリテーション視点からの評価とリスク管理
1.いつから早期リハビリテーションを開始するか?
2.安全に早期リハビリテーションを行うには.~中止や再開の基準は?
3.早期リハビリテーションの内容決定と進め方は?
第3.早期リハビリテーションの実際
1.ABCDEバンドル,PAD/J-PADガイドラインにみる早期リハビリテーション
2.鎮静・鎮痛とリハビリテーション
3.人工呼吸管理と急性期呼吸リハビリテーション
4.ICU・CCUからはじめる心臓リハビリテーション
5.敗血症治療時における早期リハビリテーション
6.脳卒中・頭部外傷に対する早期リハビリテーション
7.重症整形外傷に対する早期リハビリテーション
8.熱傷に対する早期リハビリテーション
9.小児ICUでの早期リハビリテーション
10.ICUからはじめる摂食嚥下リハビリテーション
11.栄養管理と早期リハビリテーション
12.排泄障害と早期リハビリテーション
13.早期リハビリテーションと感染管理
14.ICUにおける運動療法の実際
15.ICUにおける作業療法の実際
16.高次脳機能障害と早期リハビリテーション
17.ソーシャルワーカー介入はいつから.~当院での実際
第4.困難な状況でのリハビリテーション
1.ECMO施行時の早期リハビリテーション
2.深部静脈血栓症と早期リハビリテーション
3.集中治療領域における終末期医療とリハビリテーション
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書籍情報
- ISBN:9784758112055
- ページ数:255頁
- 書籍発行日:2016年2月
- 電子版発売日:2018年3月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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