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レジデントノート増刊 Vol.19 No.2 診断力を超強化!症候からの内科診療

  • ページ数 : 316頁
  • 書籍発行日 : 2017年3月
  • 電子版発売日 : 2018年10月5日
5,170
(税込)
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商品情報

内容

外来で自分と闘う研修医を助けます!!

エキスパート総合系指導医の思考プロセスを症候別に抽出し,フローチャートで見える。診断だけでなく治療もカバーし,エビデンスに基づく診断,検査,治療内容の選択について迅速に理解できる形をとりました。知っていると役立つ病歴・身体所見の取り方や検査所見の見方,非専門医が行う治療も伝授!

レジデントノートバックナンバー

序文

6年前に発行され,おかげさまで好評でした「診断力を強化する! 症候からの内科診療〜確定診断を導く思考プロセスから治療方針まで」の改訂増補版が本書です.新たに渡航後の発熱や出血傾向などの項目を入れパワーアップしました.もともと本書は外来で時間との闘いを余儀なくされている研修医のためにつくりました.

市中教育病院における総合外来や初診外来での診療は自分との闘いです.また,事前に連絡を入れてくれた紹介患者でなければ,前日の予習は不可能です.しかも患者を原則として断らずに診る.まさに自分との闘いですね.

また,外来では多彩な症候で患者さんが訪れ,なかには重症度と緊急度の高い疾患の患者さんが含まれています.さらに,検査結果待ちの患者を待合室や点滴処置室などで待たせている間に,もっと複雑な患者さんのカルテがどんどん積みあげられます.マルチタスクの診療能力が要求されます.

そんな外来では,適切な病歴聴取と診察をタイムリーに行って迅速な判断をくださなければならず,過不足のない鑑別診断を考え,それに基づいた過不足のない検査をオーダーしなくてはなりません.

検査によっては結果が数分で得られる血ガスなどから,数日後になって得られる外注検査などまであります.外注検査には重要な検査項目もありますが,当然,そのような外注検査結果が直ちに得られることはないので,即日の臨床判断には役に立ちません.

例えば,髄膜炎疑い患者さんなどでは,髄液検査を行うかどうか迷ったときは,原則としてやった方がいいですね.外来でもですね.あとで後悔する頻度が少なくなります.

私が日ごろからよく行う血沈検査(ESR)などは結果が出るまで1時間かかりますので,私はときに患者さんを1時間待たせることもあります.ちなみにESR2時間値は判断困難であり,現代医学ではほとんど無意味です.ここで申し上げたいことは,検査は結果が得られるスピードを考慮して出す必要があるということです.スピード感覚が大事です.

本書はエキスパート総合系指導医の思考プロセスを症候別に抽出し,フローチャートで見える化したものです.診断だけでなく治療もカバーし,エビデンスに基づく診断,検査,治療内容の選択について迅速に理解できる形をとりました.エキスパートのエッセンシャル思考をできるだけアルゴリズム化しています.

外来で自分と闘う研修医を助けたい.数年前にそんな思いで本書を企画し,今回はパワーアップして出版できることを嬉しく思います.研修医を助けることは患者さんを助けることになります.そのような指導医の願いが蓄積されたのが本書です.


2017年3月

JCHO本部 顧問/
臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄臨床研修センター センター長
徳田 安春

目次

第1章 全身の症状

1.発熱

発熱へのアプローチ

1.初診時の医療面接で診るべき点

2.発熱の原因

3.感染症を疑ったら

4.薬剤熱

5.膠原病

6.腫瘍熱

2.渡航後の発熱または下痢

渡航後の発熱または下痢へのアプローチ

1.まずは「渡航後」と認識することが重要

2.渡航地はどこか?

3.推定される潜伏期は?

4.どのような曝露歴があるのか?

5.身体所見や血液検査から鑑別を絞る

6.重症度の高い疾患,治療可能な疾患,頻度の高い疾患から除外していく

■症例ではこう考える

3.浮腫

1.診断のための病態生理

2.病歴を症状に合わせて,聴取する

3.その次は身体診察

4.浮腫の治療と利尿薬の適応について

5.薬剤性浮腫

Advanced Lecture

■ 特殊疾患に伴う浮腫

4.リンパ節腫脹

リンパ節腫脹へのアプローチ

1.なぜリンパ節は腫脹するのか?

2.病歴聴取,診察から診断する

3.診断のための検査

4.生検の適応

治療と今後の方針・経過

■ 症例ではこう考える

5.黄疸

黄疸へのアプローチ

1.黄疸の定義を知る

2.黄疸患者の鑑別診断

3.黄疸患者の病歴聴取

4.黄疸患者の身体診察

5.黄疸の検査

6.私の診療指針

治療と今後の方針・経過

1.急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)

2.膵がんによる閉塞性黄疸

3.薬剤性肝炎

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

1.意外に多い敗血症に伴う黄疸

2.閉塞性黄疸に術前減黄術はルーチンで行うべきではない?

6.血圧上昇

血圧上昇へのアプローチ

Step1.高血圧緊急症を見逃すな

Step2.2次性高血圧症を疑う

治療と今後の方針・経過

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

7.体重減少・体重増加

体重減少

1.体重減少へのアプローチ

2.診断のフローチャート

3.治療と今後の方針・経過

4.症例1ではこう考える

Advanced Lecture

1.体重減少をきたした糖尿病患者では悪性腫瘍の合併に注意する

2.高齢者の体重減少

体重増加

1.体重増加へのアプローチ

2.診断のフローチャート

3.治療と今後の方針・経過

4.症例2ではこう考える

8.食欲不振

食欲不振へのアプローチ

1.食欲不振に随伴する症状を聴取する

2.患者の年齢から推察する

3.患者の心理・社会的背景を聴取する

4.生理的範囲のものなのか,病的なレベルのものなのか,心身両面から検討する

治療と今後の方針・経過

症例1.うつ病

症例2.神経性無食欲症

9.出血傾向

■ 出血傾向のメカニズム

血小板減少へのアプローチ

1.DIC

2.TTP/HUS

3.ITP

4.骨髄異形成症候群,再生不良性貧血など造血障害

5.薬剤性血小板減少・血小板機能低下

6.偽性血小板減少症

凝固異常へのアプローチ

1.先天性凝固異常

2.後天性血友病血液

内科専門医への相談のタイミング

第2章 頭頸部の症状

1.頭痛

頭痛へのアプローチ

1.バイタルサイン,意識障害の有無を確認する

2.二次性頭痛の除外からはじめる

3.見逃したくない・危険な二次性頭痛

4.二次性の除外の次は一次性頭痛

5.慢性連日性頭痛と早朝頭痛

6.頭痛の診断フローチャート

治療と今後の方針

1.片頭痛

2.薬物乱用性頭痛

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

1.雷鳴頭痛

■ 片頭痛様頭痛(migraine-h5ke headache)

2.めまい

めまいへのアプローチ

1.めまい診療の基本的な流れ

2.診察:緊急度から考える

3.主な疾患:頻度の多い疾患を考える

治療と方針・経過

1.急性のめまい:BPPVなど

2.慢性のめまい:心因性めまい

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

3.意識障害

意識障害へのアプローチ

1.意識障害のバイタルサイン

2.意識障害の病歴

3.意識障害の身体所見

4.検査

5.意識障害の原因と治療

6.症例ではこう考える

Advanced Lecture

4.咽頭痛・嗄声

1.患者の訴え:「喉が痛い」という主訴を読み解く―それは喉(咽喉頭)ではないかも!

2.Five killer sore throats

3.最悪のシナリオ Don't be killed by sore throat mimicker!

4.「咽頭痛+α」での鑑別

5.嗄声

6.悩ましいカテゴリー:"喉の違和感"程度の主訴に強くなる

■ 症例ではこう考える

第3章 胸部の症状

1.胸痛

胸痛へのアプローチ

1.まずkiller diseaseの可能性を探る

2.虚血性心疾患以外の疾患に特徴的な胸痛

3.胸膜由来の胸痛をきたす疾患

4.心膜由来の胸痛

5.消化器由来の胸痛

6.皮膚,筋骨格系由来の胸痛をきたす疾患

7.その他の胸痛

治療と今後の方針・経過

1.急性冠症候群,安定狭心症

2.急性大動脈解離

3.肺血栓塞栓症

4.胃食道逆流

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

2.動悸 不整脈を訴える患者さんを診たときに考えること

動悸へのアプローチ

1.まず除外すべき疾患

2.頻脈性不整脈の診断・治療のポイント

Advanced Lecture

1.心房細動について

2.抜歯時の注意点について...

3.呼吸困難

喘鳴を伴う呼吸困難へのアプローチ

1.まず除外すべき疾患

2.考えるべき頻度の高い疾患

3.本症例での具体的な治療

4.入院適応

5.まとめ

慢性の労作時呼吸困難へのアプローチ

1.まず除外すべき疾患

2.考えるべき頻度の高い疾患

3.本症例での具体的な治療

高齢者の心不全の診断について

Advanced Lecture

1.低酸素血症の鑑別

2.血液ガスの解釈

■ まとめ

4.咳・痰・血痰・喀血

咳嗽・喀痰に対するアプローチ

1.咳嗽・喀痰の持続期間による分類

2.診断に結び付く病歴

3.診断に結び付く身体所見

4.専門医へのコンサルテーションを要する状態

5.入院・隔離を考慮する状態

6.治療と今後の方針,経過

血痰・喀血に対するアプローチ

1.血痰・喀血の鑑別と頻度

2.大量喀血か

3.診断に結び付く病歴

4.診断に結び付く身体所見

5.専門医へのコンサルテーションを要する状態

6.入院・隔離を検討する状態

7.治療と今後の方針,経過

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

5.胸やけ・嚥下困難・しゃっくり

胸やけ・嚥下困難・しゃっくりへのアプローチ

1.胸やけ

2.嚥下困難

3.しゃっくり(吃逆)

治療と今後の方針・経過

1.GERD(逆流性食道炎)

2.しゃっくり(吃逆)

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

第4章 腹部の症状

1.悪心・嘔吐 致死的疾患(特に心筋梗塞・脳血管障害)を見逃すな!

悪心・嘔吐へのアプローチ

1.全身症状に着目し,重篤で緊急性の高い疾患を想定しながら,腹部疾患だと決め打ちせずに病歴聴取をする

2.腹部疾患は消化器疾患およびその他疾患も必ず鑑別疾患に考える

3.治療

2.急性腹痛

急性腹痛へのアプローチ

1.腹痛の特徴,部位を尋ねる

2.腹痛以外の症状や既往などで絞り込む

3.腹腔内臓器以外の疾患

4.腹痛患者の視診,触診,打診,聴診

5.鑑別診断の流れ

主な疾患のポイントと今後の方針・経過

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

■ 見逃しやすい腹痛の例

3.下痢,便秘そして腹満 まぼろしを追って結果を出せ!

下痢のアプローチ

Unit 1.急性か遷延性か慢性か?(時間で考える)

Unit 2.生活上で問題はないか?(食事,旅行,ペット,性交歴など)

Unit 3.感染? 感染以外のもの?

Unit 4.便の性状(血性下痢であれば起因菌が絞れ,抗菌薬の使用に結びつくことが多い)

Unit 5.本人の状態はどうなのか?

Unit 6.随伴症状

Unit 7.Red Flag

■ 病原微生物と病原菌の特徴と治療

■ この症例での実際

慢性の下痢へのアプローチ

1.慢性下痢の医療面接でルールインもしくはルールアウトできるもの

2.がんを疑うアプローチ

3.治療

便秘へのアプローチ

■ 医療面接のポイント

腹満へのアプローチ

1.病歴のとりかた

2.視診

4.血便,便潜血反応陽性

血便へのアプローチ

1.緊急性疾患の除外と鑑別診断

2.便潜血検査の適応

3.大腸内視鏡検査の適応

治療と今後の方針・経過

1.大腸腺腫性ポリープ

2.大腸癌

3.潰瘍性大腸炎

4.虚血性大腸炎

5.宿便潰瘍

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

第5章 四肢と背部の症状

1.関節痛・関節炎

関節痛へのアプローチ

1.評価の第1段階:真の関節痛か? その他の重要な病歴聴取のポイント

2.評価の第2段階:炎症性か非炎症性関節炎か

3.評価の第3段階:単関節炎か,多関節炎か

4.評価の第4段階:関節炎の分布はどうか

5.評価の第5段階:関節炎の広がりはどうか

6.症例ではこう考える①

7.診断のフローチャート

治療と今後の方針・経過

■ 症例ではこう考える②

■ 症例のまとめ

Advanced Lecture

2.頸部痛,腰痛・背部痛

頸部痛へのアプローチ

1.まず除外すべき疾患・徴候

2.病歴

3.身体診察

4.検査・治療と今後の方針

■ 症例1ではこう考える

腰痛・背部痛へのアプローチ

1.まず除外すべき疾患

2.病歴

3.身体診察

4.検査

5.治療

■ 症例2ではこう考える

第6章 神経の症状

1.しびれ・知覚障害

しびれ・知覚障害へのアプローチ

1.病歴から得られる情報

2.身体所見から得られる情報

3.症例提示①

4.症例提示②

5.症例提示③

■ まとめ

Advanced Lecture

1.しびれ診療で呼吸筋麻痺を起こす神経筋疾患

2.最も多い糖尿病性神経障害のしびれの対症療法

2.歩行障害

歩行障害へのアプローチ

1.まず除外すべき疾患

2.実際に歩行を確認する

3.鑑別を考えよう

治療と今後の方針・経過

1.Parkinson病

2.うつ病

3.ビタミンB12欠乏症

■ 症例ではこう考える

3.記憶障害

記憶障害へのアプローチ

1.除外すべき疾患

2.考えるべき高頻度疾患〜認知症

3.その他の高頻度疾患〜せん妄

治療と今後の方針・経過:

1.家族の教育,介護資源の導入

2.薬物治療

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

■ 1分間認知症スクリーニングについて

第7章 腎・尿路の症状

1.血尿・タンパク尿 腎・尿路疾患の診断プロセス

腎・尿路疾患を察知し,見逃さないための病歴聴取や身体診察法

1.病歴聴取(医療面接)

2.病歴聴取のポイント

3.全身症状と腎・尿路疾患に特異的な症状の把握のために

4.無症状または症状に乏しい場合の腎・尿路疾患に関する情報収集法

5.腎・尿路疾患における身体所見のとりかたのポイント

血尿へのアプローチ

1.この症例の精査における問題点は?

2.この症例における臨床的アプローチ

3.一般的な血尿へのアプローチ

タンパク尿へのアプローチ

1.この症例の精査における問題点は?

2.この症例における臨床的介入は?

3.一般的なタンパク尿へのアプローチ:試験紙法で陽性のアルブミン尿を認めたとき

■ 血尿・タンパク尿へのアプローチのまとめ

2.多尿・乏尿

多尿・乏尿へのアプローチ

1.多尿へのアプローチ

2.DIの治療

3.乏尿へのアプローチ

■ 症例ではこう考える

Advanced Lecture

■ 先天性尿崩症

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書籍情報

  • ISBN:9784758115858
  • ページ数:316頁
  • 書籍発行日:2017年3月
  • 電子版発売日:2018年10月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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特記事項

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