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レジデントノート増刊 Vol.19 No.5 主訴から攻める!救急画像

  • ページ数 : 219頁
  • 書籍発行日 : 2017年5月
  • 電子版発売日 : 2018年10月12日
5,170
(税込)
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商品情報

内容

救急外来で悩める諸先生方の心強い味方に!

一刻を争う救急の現場で,多岐にわたる主訴に対し,何を考え,いつ画像検査を行い,どう読むか.救急で出会う内因性の主訴から外傷まで,撮る撮らないの判断やモダリティの選択,押さえるべき読影のポイントを伝授!


レジデントノートバックナンバー

序文

皆さんは救急外来で画像検査をどのくらい施行しているでしょうか.おそらく一度の勤務で画像検査をしないときはないのではないかと思います.確かに頭部外傷や腹痛などの訴えは画像検査がなければ患者の正しいマネジメントが決められないかもしれません.くも膜下出血や大動脈解離,多発外傷など,救急外来で見逃してはいけない疾患にも,画像検査がなければ診断できないものも多くあります.特に疾患頻度の差などから救急外来では危険な疾患の「除外」に重きがおかれるため,画像検査の閾値が低く設定されることが多く,画像検査が増える傾向にあります.また,見たい部位全体を画像化できるため視覚的に「診た」という安心感を医師が得られるのかもしれません.

しかし,当然ながら撮像された画像がすべての情報を含んでいるわけではなく,せっかく撮った画像も解釈しなければ意味をもちません.救急外来において非特異的な腹痛に対する腹部CTは医師の事前確率が高ければ診断は施行後も変わらなかったという研究があり,検査が必要かという判断は非常に重要です.また,必要であった場合もどのモダリティを用いるのかの判断を誤ると確認したい所見がみられない,否定したはずが否定しきれていないという状態になります.さらに,読影医が夜間も常駐していたり遠隔読影を行ったりする施設はまだまだ稀有であり,撮った画像はほとんどの場合自身で読影しなければなりません.適切な検査を選ばなければ,忙しい救急外来で多くの情報量を含んだ画像の読影は逆に医師の業務負担になるでしょうし,偶発的な所見の解釈に苦しめられることが増える可能性すらあります.そのため画像検査は何を,いつ,どのように施行し,どう解釈するかという複合的な能力を求められるものです.

本号ではまず総論としてX線,CT,MRI,超音波の各モダリティを各分野の専門家に解説してもらっています.各論ではそれを活用し日々の診療で実践している立場の救急医に,そもそも画像検査がいつ必要なのか,という視点から基本的な画像の読み方までを解説してもらいました.各論を主訴別に分けたこと,読影方法だけでなく何をいつ撮るのかに言及したことでより実践に即した構成とすることができました.救急外来で悩める諸先生方の心強い味方になれると思っています.


2017年4月

東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科・IVR 科
舩越 拓

目次

第1章 画像診断の基本

1.X線

1. 胸部単純X線写真

2. 腹部単純X線写真

3. 四肢単純X線写真

4. 頭蓋単純X線写真

2.CT

1. CTの基礎

2. CT撮影のオーダーについて

3.MRI

1. 救急におけるMRIの適応

2. 撮像法

3. 拡散強調像のピットフォール

Advanced Lecture:中枢神経系以外での緊急MRIの適応

4.エコー

1. エコーの基礎知識とマナー

2. 救急診療におけるエコー

3. 救急外来における心エコー・腹部エコー

Advanced Lecture:心肺停止患者におけるエコー

第2章 内因性疾患の画像診断

1.頭痛の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

2.腹痛の画像診断

1. 腸管虚血

2. 虫垂炎

3. 憩室炎

4. 胆嚢炎

5. 胆管炎

Advanced Lecture:特殊な患者群の腹痛

3.胸痛の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

4.腰痛の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 尿管結石症疑いのCT読影のコツ

5.咳・痰の画像診断

Step1. 胸部単純X線を撮影するべきかどうか

Step2. 胸部単純X線で肺炎を除外できるかどうか

Step3. CT撮影まで施行するべきかどうか

Step4. 胸部CTを撮影したら,どう読影するか

6.背部痛の画像診断

1. 背部痛を診たとき,何を考えるか

2. 急性大動脈解離を考えるとき

3. 感染性脊椎炎を考えるとき

7.ショックの画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. ショックをエコーですばやく鑑別する:RUSH exam

Advanced Lecture:1. CVP推定に最も有効なものは?

Advanced Lecture:2. CTでわかるHypovolemia!?

8.発熱の画像診断

1. 発熱の診断において基本的なこと

2. focusがはっきりしない例① 腸腰筋膿瘍

3. focusがはっきりしない例② 肝膿瘍

Advanced Lecture:1. 腸腰筋膿瘍について

Advanced Lecture:2. 肝膿瘍について

9.意識障害の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

Advanced Lecture:TIAと意識障害

10.片麻痺の画像診断

1. 患者の急変を見据えた初期診療を

2. 身体診察をして得られる画像所見を想像する

3. 画像検査の選択は? CT or MRI? 〜画像検査は答え合わせのつもりで

4. 読影のポイント

Advanced Lecture:1. ASPECTS(Alberta stroke programme early CT score)

Advanced Lecture:2. 血管内治療につなげる

11.頸部痛の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

Advanced Lecture:石灰沈着性頸長筋炎

12.呼吸苦の画像診断

1. 呼吸苦あれば絶対に胸部単純X線は必要ですか?

2. 心不全? 肺炎? X線でどこまで迫れる?

3. 心不全? 肺炎? わからないとは言わせない,肺エコーの実力!

13.吐下血の画像診断 CTをどう使うか?

1. 吐下血でCT検査は必要か?

2. CTプロトコールの設定

3. 画像読影の手順とポイント

4. 消化管出血の治療について

14.嘔吐・下痢の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

15.喀血の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

Advanced Lecture:精査,コンサルトについて他科とも事前のコンセンサスを

第3章 特殊な患者さんでの画像診断

1.小児の腹痛の画像診断

1. 診察

2. 画像検査

2.妊婦の腹痛の画像診断

1. 画像検査は何を選ぶべきか?

2. 妊娠中の腹痛関連疾患と画像検査

第4章 外因性疾患の画像診断

1.多発外傷(重症外傷)の画像診断

1. 外傷全身CT(trauma panscan)の適応

2. 外傷全身CTの撮影のしかた

3. 外傷全身CTはどう読む

4. FACT読影の実際

5. FACT読影のあとの精査

Advanced Lecture:受傷機転を考えながら読む

2.上肢の外傷の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

Advanced Lecture:肘関節の読影ポイント

3.下肢の外傷の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

Advanced Lecture:大動脈内遮断バルーンカテーテル(IABO)による下肢虚血

4.頭部外傷の画像診断

1. 頭部外傷におけるCT検査

2. 最も急ぐ頭部CT:切迫するD を見極める

3. 軽症頭部外傷に対するCT

4. CTを読む!

5. 実際の症例を見てみよう

5.脊椎外傷の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

Advanced Lecture:脊髄損傷について

6.腹部外傷の画像診断

1. 超音波検査のポイント

2. 腹部CTのポイント

3. 血管造影を行う場合

Advanced Lecture:穿通性腹部外傷の注意点

7.胸部外傷の画像診断

1. primary survey(PS)における画像診断

2. secondary survey(SS)における画像診断

8.骨盤外傷の画像診断

1. どのような鑑別を考えるか?(骨盤骨折の分類)

2. 診断に必要な画像検査

3. 救急ですばやく・見逃しなく読むコツ

Advanced Lecture:TAEの適応

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書籍情報

  • ISBN:9784758115889
  • ページ数:219頁
  • 書籍発行日:2017年5月
  • 電子版発売日:2018年10月12日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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