- m3.com 電子書籍
- レジデントノート2017年11月号 救急・ICUのコモンな薬の使い方
商品情報
内容
昇圧薬・利尿薬などの救急やICUで特によく使う薬について解説.薬の選択のしかた,具体的な希釈・投与の方法,注意事項など,各薬剤の違いを整理して,限られた時間で的確にすばやく処方できる!
> レジデントノートバックナンバー
序文
特集にあたって
医師になり,はじめて行いうる行為のなかで,それなりに新鮮かつ悩ましいのは,薬剤の処方ではないでしょうか? 研修医が,『今日の治療薬』のみを頼りに,処方を行わざるを得ない状況も,残念ながら稀ではなく存在するでしょう.
筆者が医師になり数十年が過ぎ,『今日の治療薬』を執筆する側に立った今も,薬剤処方の難しさはそう変わりません.より実践的で,よりロジカルな手引き書がどうしても必要です.現場に適切な指導医/ 専門医を見つけがたい状況,あるいは,現場の指導医にはカバーしきれない分野などについて,教科書的記述を少し超えた実践的指南書があるとよい.また,わからないことはわからないものとして明確化し,自ら調べ,考えるための基本資料があってほしい.この企画は,そんな背景から生まれました.
本特集で取りあげたのは,救急初療室(ER)あるいは集中治療室(ICU)で頻用する,とてもコモンな薬剤ばかりです.最低限これらだけでも押さえておけば,救急科ローテーションで生きていけるという範囲を,目標設定としました.使用すべき薬剤や処方例はすべてカバーできていません.最低限の薬剤を,基本的な病態生理の理解や,エビデンスを理解したうえで安全に処方できることをめざしました.
現場の言い伝えやマニュアルは,最新化(最適化)されていないことがあります.乏尿や腎庇護目的で使用されるフロセミド,低血圧や腎庇護目的のドパミン,発熱や疼痛に対する盲目的な非ステロイド系消炎鎮痛薬の処方など,現時点でのクリニカルエビデンスにより必ずしも支持されない処方が,疑問もなく選択されていないでしょうか? ステロイドパルス療法や,大量グロブリン療法など,日本独自の治療法の有用性は,どの病態でどのような質のエビデンスに裏付けられているのでしょうか? 研修医がそんな疑問を紐解くための,手がかりになればよいと思います.
薬剤選択,投与量,投与方法,タイミング,あるいは処方忘れや併用禁忌等々,薬剤処方に関連した診療上の落とし穴も大きいです.医療安全が叫ばれ,チーム医療が浸透しても,緊急時,急変時においてはチーズの穴はどうしても重なりやすくなります.最初に処方する医師がミスを犯さないことが何よりも大事で,重要な薬剤に絞って正確な知識を早く身につける必要があります.
Choosing wisely キャンペーンに代表される,不要な薬剤,無益な薬剤,リスクベネフィットが整合しない薬剤に対する処方の再考もしなければなりません.ある処方が,単なる医師の心の安寧を保つためだけのものになって,患者や,医療現場や,あるいは医療経済システムに不利益を及ぼすものになっていないかどうか,絶えず振り返り再考する必要があります.そのためには,言い伝えやルーチンの呪縛から離れて,個々の現場で自らがよく考え,慎重に処方判断や処方後観察,再評価を行う必要があります.そんなことも,この特集を通じて少しでも考えていただけるとありがたいです.
数10 ページの雑誌特集としては,些か風呂敷が広すぎたかもしれません.定期購読の方にも,たまたま購入された方にも,後悔の念を抱かせることがなければ幸いです.それでは,お楽しみください.
2017年10月
志馬 伸朗
目次
特集
特集にあたって〜薬をかしこく使うには
1.心肺蘇生に使用する薬剤
2.救急・ICU でよく使う鎮痛・鎮静・筋弛緩薬〜自分の"いつもの"を作ろう
3.救急・ICU でよく使う循環作動薬
4.救急・ICU でよく使う抗不整脈薬〜頻脈性不整脈の診療アルゴリズム
5.救急・ICU でよく使う利尿薬〜フロセミドを中心に
6.救急・ICU でよく使う抗痙攣薬
7.救急・ICU でよく使う抗凝固薬・拮抗薬
8.救急・ICU でのステロイドの使い方
9.救急・ICU で気管支喘息に用いる薬剤~超訳! 喘息予防・管理ガイドライン2015 の薬物療法
10.救急・ICU でよく使う消化器用薬
連載
実践! 画像診断Q&A―このサインを見落とすな
発熱,会陰部痛で来院した90 歳代男性
突然の呼吸困難で受診した30 歳代女性
臨床検査専門医がコッソリ教える...検査のTips!
第8回 脳波のみかた 判読編:本物はどれだ?
カゲヨミ 見えているのに読めないあなたへ
第8回 やっぱりシルエットサイン「影絵の原理と場所」
みんなで解決! 病棟のギモン
第20回 血糖値は下げたいけど網膜症の進行が心配
よく使う日常治療薬の正しい使い方
成人てんかんに対する抗てんかん薬の正しい使い方
循環器セミナー 実況中継 The Reality of Drug Prescription
第2回 循環器関連薬剤②ループ利尿薬じゃだめなの? 心不全急性期治療:後編
こんなにも面白い医学の世界 からだのトリビア教えます
第38回 医者はどこへ行くのか?
眼科エマージェンシー こんなときどうする?
第24回 眼と瞼が真っ赤
Step Beyond Resident
第171回 早期発見,早期介入! アルコール問題のスクリーニング〜アルコール救急のpitfall ~ PartⅢ
ドクターS の診療ファイル
SDH から探る,患者に隠れた健康問題とは? 第4回 多発する虫歯が示す家庭環境
エッセイ 対岸の火事、他山の石
第194回 ヒューリスティックスとは
総合診療はおもしろい!〜若手医師・学生による活動レポート
第51回 クルーズ船からの便り~船医のお仕事紹介~
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:51.6MB以上(インストール時:112.2MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:206.4MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:32.3MB以上(インストール時:80.8MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:129.2MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784758115957
- ページ数:165頁
- 書籍発行日:2017年10月
- 電子版発売日:2017年10月13日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。
※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。