嚥下障害、診られますか?

  • ページ数 : 231頁
  • 書籍発行日 : 2015年9月
  • 電子版発売日 : 2016年5月13日
3,740
(税込)
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商品情報

内容

初期対応からリハビリ、栄養・服薬指導まで診療に自身がもてる!

誤嚥性肺炎の患者さんを「とりあえず絶食」にしていませんか?その前にできることが,実はたくさんあります!
著者が研修医・レジデントに病棟で日々教えていることを中心に据え、特に第4章のQ&Aコーナーでは、嚥下障害例での経鼻胃管や気管カニューレの取り扱い、薬の内服方法、そして栄養剤や嚥下調整食の選択まで、病棟で困る事例を多く取り上げ、明日にでも活用できる内容になっています。

序文

はじめに

これまで,悪性新生物,心疾患,脳血管疾患が日本人の死因の上位3つを占めてきましたが,2011年から肺炎が脳血管疾患を抜いて死因の3 位となっています.

その肺炎の一部,いや多くに嚥下障害が関与していると推察されます.医療の進歩により平均寿命が延び,超高齢化社会となっている今,私たちは嚥下障害への対応を求められているのです.そんななか,「嚥下ブーム」「嚥下障害ブーム」と言えるくらい,嚥下障害に関する書籍が刊行されています.昨今の日本摂食嚥下リハビリテーション学会の学術大会では約5,000人の参加者があり,会場の席が足りなくて立ち見がでることも珍しくありません.

これだけ嚥下障害に注目が集まっていますが,医学生・研修医・レジデントに対する嚥下の教育はいかがでしょう?充実している施設は一部であり,多くの施設はきちんとした教育体制がとれていないのではないでしょうか.私が尊敬する臨床医でも嚥下障害には対応できず,言語聴覚士や看護師に任せきりだったりします.リハビリテーション・看護・介護のスタッフに比べて,医師が最も嚥下障害に興味をもっていない,対応ができていないのかもしれません.

嚥下障害の本といえば耳鼻咽喉科やリハビリテーション科の専門医向けだったり,メディカルスタッフ向けだったりするなか,羊土社さんから研修医・レジデント向けの本を出版しませんかと声をかけていただきました.私としても若い先生方にもっと嚥下障害へ興味をもってほしかったので,二つ返事で執筆を引き受けました.

本書は私が研修医・レジデントに病棟で日々教えていることを中心に据え,看護師・言語聴覚士・薬剤師・栄養士に協力をお願いし,とにかく実践的な内容にしております.なかでも一番力を入れたのは第4章のQ&Aのコーナーです.嚥下障害例での経鼻胃管や気管カニューレの取り扱い,薬の内服方法,そして栄養剤や嚥下調整食の選択まで,病棟で困る事例を多く取り上げました.これらは明日にでも活用いただける内容だと思います.

本書が皆さんの日常臨床に役立ち,そして嚥下障害に関心をもつ方が増えてくれたら幸いです.


2015年7月

東京慈恵会医科大学附属柏病院 神経内科
谷口 洋

目次

第1章 誤嚥性肺炎と嚥下障害

1 日本人の死因第3位が「肺炎」に!

2 誤嚥性肺炎の原因となる嚥下障害とは

3 ところで,嚥下のしくみを説明できますか?

4 嚥下の解剖生理

5 いつ嚥下障害を疑うか

6 嚥下障害に出会ったら

[Column1] 猿の惑星:猿が喋った!

第2章 嚥下障害の評価

1 嚥下障害の評価法の種類

2 まずはスクリーニングテストから始めよう

3 嚥下造影検査:嚥下機能検査のゴールドスタンダード

4 機動力が魅力の嚥下内視鏡検査

[Column2] 猿の惑星 新世紀:猿もむせる?

第3章 嚥下障害の治療

1 主な治療方法とゴール設定

2 経口摂取をしていなくても口腔ケア

3 リハビリテーション(間接訓練)

4 リハビリテーション(直接訓練)

5 摂食方法と食形態の工夫

6 嚥下調整食を理解しよう

7 手術やその他の治療も知っておこう

[Column3] ネアンデルタール人とクロマニョン人

第4章 Q&A こんなときどうする?

Q1 誤嚥性肺炎に罹患したらもう経口摂取不可ですか?

Q2 気管切開孔を閉鎖してから経口摂取?

Q3 カニューレ選びのポイントを教えてください

Q4 経鼻胃管が挿入されていますが,食べてよいでしょうか?

Q5 酸素を吸入中ですが,食べてよいでしょうか?

Q6 窒息を疑う患者さんにどう対応したらよいですか?

Q7 気管切開の適応と方法を教えてください

Q8 胃瘻作成に納得してくれません

Q9 経口摂取せず,経管栄養だけなのに発熱しました.なぜですか?

Q10 栄養剤はどれを使えばよいですか?

Q11 痩せてきました.栄養が足りないのでしょうか?

Q12 薬が内服できません

Q13 胃管がよく詰まります.栄養剤のせいでしょうか?

Q14 看護師さん,私の入院患者の指示簿は十分ですか?

Q15 リハビリテーション依頼のコツを教えてください

Q16 退院時の食事指導はどうしたらよいですか?

[Column4] ディープインパクト:非常食としてあの栄養剤が!

第5章 嚥下障害を引き起こす代表的な疾患と対処法

1 脳梗塞

2 パーキンソン病

3 加齢

[Column5] 剣を飲む人:Sword swallower

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書籍情報

  • ISBN:9784758117760
  • ページ数:231頁
  • 書籍発行日:2015年9月
  • 電子版発売日:2016年5月13日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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