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- がん治療のための緩和ケアハンドブック
商品情報
内容
豊富な症例から、症状・状況に合わせた早期からの緩和ケア、鎮痛薬の選び方からスイッチングなど必要な知識が身に付きます。患者やその家族のつらさを癒す声掛けやICの具体例が満載!オピオイド換算表付きです。
序文
はじめに
私は2003年に医師となり近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門に入局して以来,一貫してがん治療と緩和ケアの両立に取り組んできました.現在も腫瘍内科では抗がん剤治療を担当するとともに,緩和ケア外来・緩和ケアチーム・連携ホスピスでは身体緩和担当医師として携わっています.
今回,私自身が腫瘍内科と緩和ケアの両者を勉強してきた経験をもとに,緩和ケアが苦手な内科医や外科医の皆さんのための,わかりやすく実践的な緩和ケアマニュアルを作成できないかと考え筆をとりました.緩和ケアを専門としない先生方が間違いやすいポイントを随所に盛り込んで強調することで,内科医や外科医の皆さんにとっては「かゆいところに手が届く」内容を目指しました.また,緩和ケア医の皆さんにとっても「緩和ケア非専門医がどこを間違いやすいのか」が明確となり,チーム介入時などに役立つ内容にしたつもりです.このような内容ですので,初期研修中や緩和ケア医・がん治療医をめざす先生方の入門書として,開業や異動を機に突然緩和ケアにかかわることとなり途方に暮れている先生方の道標として,緩和ケアチームや緩和ケア病棟のスタッフの皆様の備忘録としてもご利用いただければ幸いです.
本書を用いる際の注意点ですが,緩和ケアはナラティブな側面も大きく,ある患者様には適切な治療やIC が別の患者様には不適切なこともあり,同じ患者様においても「医学的に正しい対応」と「患者様の希望を踏まえた現実的な対応」が異なることもあります.本書でまずは標準的な対応を身に付けていただいたうえで,WHO 方式がん疼痛治療法の5原則にもありますように「for the individual」「with attention to detail」を大切に診療に臨んでいただければ幸いです.
また,緩和ケア領域では適応外使用やエビデンスが乏しい治療も多いため,本書とともに添付文書や文献を実際にご確認いただいたうえで,個々の処方の適応をご判断いただければ幸甚です.
最後にご監修いただきました中川和彦先生,小山敦子先生,執筆中にご助言を賜りました近畿大学医学部内科学心療内科部門の羽多野裕先生,近畿大学医学部麻酔科学講座の岩元辰篤先生,兵庫県立加古川医療センター緩和ケア内科の坂下明大先生,国立がん研究センター東病院緩和医療科の田上恵太先生,近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門・心療内科部門・緩和ケアチームの皆様,そして近畿大学のがん診療を支えていただいている各部署の皆様に感謝申し上げます.また羊土社編集部の鈴木美奈子様,谷口友紀様,山村康高様には企画段階よりご助言をいただき,出版まで継続的に支えていただきましたことを深謝致します.
2017年1月
近畿大学医学部附属病院がんセンター
緩和ケアセンター・腫瘍内科兼務
吉田 健史
目次
監修の序
はじめに
第1章がん緩和ケアの基本
1.がん緩和ケア概論
2.緩和ケアの場や環境の調整・地域連携
3.「本当に抗がん剤を続けるの?」
4.「本当に抗がん剤はもうできないの?」
5.WHO方式がん疼痛治療法① 3つの目標
6.WHO方式がん疼痛治療法② 5つの原則
7.WHO方式がん疼痛治療法③ 3段階除痛ラダー
8.がん性疼痛の評価
第2章非オピオイド鎮痛薬
1.アセトアミノフェン
2.NSAIDs
3.肝・腎障害時,経口摂取困難時の非オピオイド鎮痛薬
第3章オピオイド鎮痛薬
A.基本の知識
1.オピオイド使用の基本的イメージ
2.オピオイドの副作用対策
3.オピオイド過量の診断とナロキソンによる拮抗
4.どのオピオイドを選択するか
5.どの投与経路でオピオイドを投与するか
6.オピオイドタイトレーション
7.オピオイドスイッチング
8.突出痛へのレスキュー
B.薬剤の使い方
1.弱オピオイド(トラマドール)
2.モルヒネ
3.オキシコドン
4.フェンタニル
5.タペンタドール
6.オピオイド注射剤
7.フェンタニルROO製剤
第4章鎮痛補助薬,神経ブロック
1.鎮痛補助薬(ステロイドを除く)
2.ステロイド
3.神経ブロック
第5章症状の緩和
A.精神症状
1.不眠
2.せん妄
3.気持ちのつらさ
B.身体症状
1.倦怠感・食欲不振・口腔粘膜炎
2.嘔気・嘔吐(抗がん剤による嘔気・嘔吐を含む)
3.便秘・下痢(抗がん剤による下痢を含む)
4.イレウス
5.骨転移
6.悪性腸腰筋症候群
7.皮膚障害(抗がん剤による皮膚毒性を含む)
8.がん性胸水
9.がん性心嚢水
10.がん性腹水
11.脳転移・がん性髄膜炎
12.呼吸困難
13.脊髄圧迫症候群への対応(Oncogenic Emergency)
14.高Ca血症への対応(Oncogenic Emergency)
15.苦痛緩和のための鎮静
第6章インフォームド・コンセントのNGとOK
1.SHAREプロトコールを用いたBad newsの伝達
2.Hope for the best, but prepare for the worst
3.家族が患者本人へのBad news伝達を拒否する時
4.生検やStaging中の病状悪化が懸念される場合
5.抗がん剤治療を開始する時
6.患者が標準治療以外の治療を希望する時
7.抗がん剤治療を中止し緩和ケアに集中していく時
8.緩和ケアに対する誤解を解く
9.オピオイドに対する誤解を解く
10.ホスピスに対する誤解を解く
11.在宅緩和ケアへの理解を進める
12.持続的鎮静に対する誤解を解く
13.終末期の検査や輸液に対する誤解を解く
14.予後について伝える
15.将来の意思決定能力低下に備えて今後のことを相談する 〜Advance care planning(ACP)〜
16.答えにくい質問への対応:「私はもう死ぬのでしょうか?」
17.状態が悪いなかでの希望に応える:「もう一度~がしたい」
18.看取りへ向けて
第7章冷や汗症例に学ぶ緩和ケア
1.オピオイドは最初が肝心!
2.ロキソニン®1日3回毎食後では夜間に痛みで目が覚める!
3.レスキューも増量した?
4.オピオイドが効かないのか? 足りないのか?
5.貼付剤はいきなり貼らないで!
6.麻薬の総量を考えている?
7.体動時痛のみでオピオイド増量?
8.オキノーム®では間に合わない?
9.増量してないのにオピオイド過量?
10.モルヒネ無効の呼吸苦?
11.炎症の強い腫瘍にステロイドを!
12.神経ブロックは早めのコンサルトを!
13.低Alb血症時のCa値に注意!
14.本当にぎっくり腰?
15.せん妄患者の不眠にレンドルミン®?
16.せん妄で痛みが増強?
17.セレネース®は眠剤じゃない!
18.気持ちのつらさか? アカシジアか?
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書籍情報
- ISBN:9784758118033
- ページ数:336頁
- 書籍発行日:2017年1月
- 電子版発売日:2018年2月2日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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