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- 肺炎診療―どう見極め、まず何をすべきか
商品情報
内容
これだけは知っておきたいエッセンスを凝縮。画像診断、重症度判定、抗菌薬の使い方、予防のポイントetc…。診療の流れを系統立てて分かりやすく解説。まず行うべき初期対応をはじめ、診療の基本が総合的に学べます。一般内科医、総合診療医、開業医にオススメ!
序文
序
肺炎は呼吸器系の病気のなかで最もありふれた病気である.肺の急性感染症である肺炎は抗菌薬の発達した現代では制御可能な病気と一般に受け取られがちだが,1970年代の後半以降死亡率が上昇し2011年には脳血管障害を上回り,わが国の全死因の第3位となった.これは人口の高齢化が関係しており,肺炎で死亡する人の95%以上が高齢者であるという統計があることはよく知られた事実である.わが国の高齢化は欧米の先を進んでおり,今後さらなる高齢化の進行とともに肺炎の罹患率の増加が見込まれる.一方で近年は再び肺炎による死亡率は徐々に低下に転じていることも報告されている.もしかすると2014年に始まった高齢者への肺炎球菌ワクチンの定期接種に関係しているかも知れない.このように肺炎は「老人の友」といった側面と同時に「vaccine preventable disease:VPD」としての横顔も有している.
肺炎が最もありふれた病気であることは,その診療が外来でも入院でも行われること,また診療を担当するのも一般内科医(総合診療医),呼吸器専門医,感染症専門医とバリエーションがあることを意味している.呼吸器専門医であり同時に感染症専門医でもある自分は,それぞれの立場で診療のやり方が微妙に異なることも多くの局面で実感している.さらにはわが国と欧米のガイドラインの違いの存在も知っている人には混乱のもととなっているかもしれない.1つの疾患の診療にダブルスタンダード,トリプルスタンダードが存在するのは適切ではないといった思いが本書の企画につながった.企画を行った者として,立場の違いや洋の東西はあったとしても,1つの疾患の診療に普遍的真理は存在するはずである.
本書はこのような視点から「ガイドラインが改訂されても,変わらない診療の神髄」を確立した執筆陣が担当し完成に至った書籍である.一方で本書の特徴は非感染性病態による肺炎類似疾患に関しても記載したことにある.感染以外の病態で肺炎類似のclinical presentationを呈するmimickerの存在をいつも念頭に置く必要があり,自分はいつも研修医には「肺炎診療で最も大切なことは感染によるものか,否かを判断することである」と指導している.このように本書は一般内科医,呼吸器専門医,感染症専門医と立場が異なっても明日からの現場での診療に必ずや役に立つものと自負している.お気付きの点があれば忌憚ないご意見を期待している.最後に本書の企画から出版までサポートしてくれた羊土社編集部の野々村万有さん,山村康高さんにこの場を借りて深謝申し上げたい.
2017年5月
亀田総合病院呼吸器内科 主任部長
青島 正大
目次
第1章 肺炎とは
1 肺炎の疫学
2 肺炎の病態
第2章 診断のためにこれだけは知っておこう!
1 診断のアウトライン
2 喀痰検査・血液検査・尿検査
3 画像検査
4 重症度診断
第3章 治療のためにこれだけは知っておこう!
1 薬物療法
1 抗菌薬
2 支持療法
1 呼吸管理
2 ステロイドの要否
3 輸液
4 栄養管理
第4章 予防のためにこれだけは知っておこう!
1 口腔ケア
2 食事の仕方(摂食・嚥下指導)
3 誤嚥予防の薬剤
4 ワクチン接種(vaccination)
第5章 考えかたを身につけよう!
1 市中肺炎はこう診よう!
Case1 48歳男性,湿性咳嗽と発熱を主訴に来院
2 院内肺炎はこう診よう!
Case2 57歳男性,弁置換術後のリハビリ中に,悪寒戦慄が出現
3 合併症のある患者はこう診よう!
Case3 46歳男性,発熱・咳嗽を主訴に来院
4 非感染性肺炎はこう診よう!
Case4 68歳男性,湿性咳嗽,労作時呼吸困難を主訴に来院
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書籍情報
- ISBN:9784758118118
- ページ数:159頁
- 書籍発行日:2017年6月
- 電子版発売日:2018年3月23日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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