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- 小さくて頼もしいモデル生物
商品情報
内容
実験医学の人気連載「モデル生物の歴史と展望」が待望の単行本化!
知られざる系統化の歴史と生命科学への貢献を学べば,実験の見方が変わります。
バイオリソースを育てた森脇先生監修のモデル生物に愛情を注ぐ13人の専門家による珠玉のメッセージ。
序文
序
ヒトの生命機能を知りたいがために,ヒトや他の主要な実験生物のゲノムの全塩基配列解読・解析が進められてきました.しかしゲノムがわかればわかるほど,生物の表現型はそんなに簡単ではなく,1つの形質の発現に,複数の遺伝子が関与することが明確になってきました.また今日存在するゲノムの配列と,それをもとにして成り立っている生物個体は,長い進化の歴史を経ている『進化の産物』であることも,配列レベルからあらためて明らかとなりました.「自分の遺伝子は自分のものだ」などとは決して威張れないのです.
生物のさまざまな機能を明らかにするためには,分子生物学的な解析やコンピューターでの解析ももちろん大切ですが,モデル生物を使った実験を避けて通ることはできません.ヒトによる育成の過程を経てつくられた実験生物,家畜,愛玩動物では,環境への適応に加えて,人為的選択の影響も遺伝子に残っているはずです.進化と育種の歴史を理解する,すなわちそのモデル生物のもつ独自性を理解することは,研究自体の独自性や奥行きを深めることに役立つはずです.
本書は,2008年から約2年にわたって「実験医学」誌に掲載された連載「モデル生物の歴史と展望」に,若干の加筆・修正を行ってまとめたものです.各項目では,わが国のバイオリソースとして確立され,高い品質と広いユーザーをもついくつかのモデル生物を取り上げ,おのおののリソースを基盤とする研究において成果をあげられるとともに,リソース事業の推進にも貢献しておられる専門家にお願いして,上記の視点から紹介していただきました.
本書を,モデル生物を扱っているもしくは興味のある読者はもちろん,生命科学を志すすべての学生や研究者に役立てていただければ,これに勝る喜びはありません.
2013年10月
森脇和郎
目次
世界各国で愛玩される マウス ―ゲノム時代におけるGenealogy の新しい意義【森脇和郎】
column 江戸時代ペットマウスの里帰り/世界中の野生ネズミを集めて
日本オリジナルのペットフィッシュ メダカ ―実験室と野外を結ぶモデル淡水魚【酒泉 満】
column 江戸時代のヒメダカと限性遺伝
イギリス生まれで世界が育てた小さな虫 線虫 C. エレガンス ―遺伝子, 細胞, 個体をつなげ7年間で6人とともにノーベル賞を受賞【香川弘昭】
column 知好楽
遺伝学研究の最前線を飛び続ける ショウジョウバエ ―50,000種類以上の系統がすぐに使える【山本雅敏】
column 赤い眼をしたショウジョウバエ―命名の歴史
ヒトに近縁な半透明の生き物 カタユウレイボヤ ―脊索動物の生命現象のゲノム科学的解明をめざして【佐藤矩行】
column モデル動物のゲノム
雑草からの華麗な転身 シロイヌナズナ ―国際協調とゲノム研究が育んだスーパーモデル植物【小林正智】
column 標準系統Columbiaの由来
何千年も前から人類とともに 酵母 ―システムとして動く生命体の提示をめざして【下田 親】
column 動く遺伝子を発見した日本人研究者
大黒様とともに福をもたらす ラット ―国際的プロジェクトが進行中【芹川忠夫】
column 伏見人形に伝わる愛玩用ラット
あらゆる生き物のお腹のなかに 原核生物 ―2大モデル微生物:大腸菌と枯草菌【仁木宏典】
column 細菌の性と遺伝
日本の歴史とともに未来に続く カイコ ―日本人に身近な生物から独自な研究を【伴野 豊】
column 戦争と系統保存
植物でも動物でも菌類でもない 細胞性粘菌 ―多様な有用性を秘めた社会性アメーバ【漆原秀子】
column 細胞接着分子―細胞性粘菌はお手本
江戸期から愛され続ける アサガオ ―日本で独自の発達を遂げたバイオリソース【仁田坂英二】
column 江戸時代の栽培家はメンデルの法則を知っていた?
ヒトと同じ真猿類 コモンマーモセット ― Biomedical Super Model への期待【伊藤豊志雄】
column マーモセットの仲間たち
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書籍情報
- ISBN:9784758120470
- ページ数:142頁
- 書籍発行日:2014年4月
- 電子版発売日:2016年3月25日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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