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- 実験医学別冊 あなたのラボにAI(人工知能)×ロボットがやってくる
商品情報
内容
人気雑誌『 実験医学』別冊!人工知能は生命科学研究を行い、研究論文を書けるのか?ロボットは繊細な実験プロトコールを再現できるのか?変わるライフサイエンスの現場を描く、導入実例とレビューを満載した1冊
序文
忘れもしない,2011 年12 月.パシフィコ横浜で行われた分子生物学会の展示ホールで,われわれが開発したロボットをはじめてお披露目した.ライフサイエンスのベンチワークをヒューマノイドで自動化するというコンセプトを示すため,10 分ほどのデモンストレーションで実演した.チューブやディッシュを操作し,ピペッティングや,遠心機の操作をしてみせた.
朝の10 時から夕方5 時まで,1 時間おきに8 回のデモをくり返した.私もはじめての"マイクパフォーマンス"で,ロボットとともに演じた.毎回,通路に人があふれるほどの人気を博し,最終日・最終回では調子に乗ってアンコールまでした.
オートサンプラーやディスペンシングマシンといった,専用ロボットに見慣れた医・生物学者には,相当な衝撃を与えたものと思う(実験医学2012 年4 月号pp 939-940).
その2 年後の2013 年12 月,神戸ポートアイランドで行われた分子生物学会「2050 年シンポジウム」では,30 年後の未来からタイムマシンでやってきた研究者が未来を語るというイベントが行われた.ベストパフォーマー賞を受賞したのは,当時カナダのトロント大にいた谷内江望氏だった.未来人を演じ,「ロボットクラウドバイオロジー」という未来を提案した.30 年後には,もはやベンチワークに忙殺される研究者はいないのだと.
その約1 年後,日本への帰国を機に,私は谷内江氏に出会った.
実は本書の企画の発端は,その時点にまで遡る....発端から数えて6 年後の2017 年末,同じく分子生物学会(ConBio2017)で本書を発刊することができた.
思えばこの6 年間でわれわれをとり巻く状況は大きく変わった.AI とロボットというコトバがこれほど大きなバズ・ワードとなると,二人とも全く予想も期待もしていなかった.ただ,行くべき道は「これだ」という確信だけであった.
やがて,人の身振り手振りをまね人と会話するロボットが販売され,機械がトップ棋士を破り,大企業が自動運転の覇権をかけて熾烈な競争を繰り広げている.社会は期待とともに,それ以上の恐れをもって,これらを受け止める.
AI・ロボットによって失業する職種が話題となり,次の時代の「勝者」と「敗者」を分ける議論が止むことはない.
...ライフサイエンス・医学はどうなるのか?もちろん,好むと好まざるとにかかわらず,われわれも無縁であろう筈がない.それどころか,AI・ロボットの投資先として最も効果的で,かつポジティブなインパクトを生み出せるのは,ライフサイエンス・医学研究だと確信している(総論参照).もちろんそれは,われわれが自らの意思で,あるべき未来をつかみとろうと"戦う"ならば,である.
それが真実であるか否かは,ぜひ,本書を手にとり,自身の目で確かめていただきたい.
2017年11月
夏目 徹
目次
概論
それはユートピアか,ディストピアか?
特別寄稿
ノーベル・チューリング・チャレンジ
ライフサイエンスにおける深層学習
機械学習・人工知能が明らかにする脳内情報表現
機械の目で形態を"見る"ゴーストサイトメトリー
創薬とAIの良好な関係
AI・ロボットコミュニティレポート
生命情報科学若手の会
人工知能のパワードスーツを着た医師達の登場
医師と対話して腕を磨く画像診断AI
日本における人工知能のヘルスケア分野への応用
現代科学を超えて―AI駆動型科学へ
長鎖DNA合成のオートメーション化による生命科学の未来
ラボオートメーション時代
LabDroid Hands-onレビュー
LabDroidを用いた高精度プロテオミクス
次世代エピジェネティクス研究への展望
LabDroidにおける高精度実験手技(エクソソーム実験)
ラボオートメーション時代
英国における合成生物学とラボオートメーション
ラボ内での全自動進化実験システムの構築
翻訳レビュー
Siri of the Cell―生物学はiPhoneから何を学べるだろうか
AI・ロボットコミュニティレポート
AI・LabDroidと交わす言葉をつくりだす
特別寄稿
バイオメディカルロボット「Maholo」誕生
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書籍情報
- ISBN:9784758122368
- ページ数:140頁
- 書籍発行日:2017年12月
- 電子版発売日:2018年7月13日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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