実験医学別冊 完全版 ゲノム編集実験スタンダード

  • ページ数 : 386頁
  • 書籍発行日 : 2019年12月
  • 電子版発売日 : 2020年1月8日
7,480
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商品情報

内容

医学・生命科学・農林水産学での遺伝子操作に欠かせない実験技術を徹底解説.国内外で開発が続く各種CRISPR-Cas関連ツールの入手・作製法と,様々な生物種での詳細なプロトコールを網羅した決定

序文

CRISPR-Cas9の開発によるゲノム編集の爆発的な広がりから,およそ7年が経ち,ゲノム編集は単にDNAを切断して遺伝子を改変する技術からさまざまな発展技術へと展開してきた.基礎研究では,ゲノム編集ツールの導入技術の改良やCRISPRのさまざまな変異体の作製によって正確な遺伝子改変が可能となり,これまで改変が困難であった生物種への適用がさらに広がっている.塩基配列を改変する技術に加え,DNAやヒストンの修飾レベルを改変するエピゲノム編集因子,人工の脱アミノ化酵素や転写調節因子など,海外を中心とした幅広い技術への展開には驚かされるばかりである.一方,国内においても最近,Casの改変, 新しいゲノム編集ツールの開発,遺伝子ノックイン法の開発やCRISPRライブラリーを利用した研究など,海外に負けない際立った研究が展開されている.

ゲノム編集は言うまでもなく,産業分野での利用価値は非常に高く,ゲノム編集によって作出された農水畜産物の市場への展開が目前に迫っている.国内ではさまざまな有用な品種が作出され,産業界から大きな期待が寄せられている.一方,疾患治療におけるゲノム編集の利用は,がん治療のための免疫細胞の改変や遺伝性疾患の治療など,海外を中心に進められている.国内での治療に向けたゲノム編集研究は遅れていると言わざるを得ない.さらに,ヒト受精卵でのゲノム編集を用いた基礎研究が開始され,海外ではヒト胚での遺伝子の発現や機能解析が進められている.国内においても基礎研究に限定したなかでのヒト受精卵を用いた研究を積極的に進めていく必要がある.

このような状況の中,ゲノム編集の基本的な技術にもさまざまな工夫が加えられており,多くの研究者へ基礎技術から応用技術について現時点のスタンダードとなる技術書が必要と感じ,本書を企画した.2014年に羊土社から発刊した「今すぐ始めるゲノム編集」と同じく,基本原理と実験マニュアルから構成されており,トップクラスの研究者にさまざまな分野での可能性を説明していただいた.本書を編集するにあたり,辛抱強くつき合っていただいた羊土社の早河輝幸さんに深く感謝する.

最後に,本書がゲノム編集初心者の実験の立ち上げと専門研究者の研究の発展へつながれば,幸いである.


2019年10月

編者を代表して
山本 卓

目次

Ⅰ 基礎編

1.ゲノム編集の原理と応用

2.新旧ゲノム編集ツール(ZFN・TALEN・CRISPR)の長所と短所

3.遺伝子改変の戦略①:ノックアウト

4.遺伝子改変の戦略②:プラスミドドナーを用いたノックイン

5.遺伝子改変の戦略③:一本鎖ドナーを用いたノックイン

6.ゲノム編集と応用技術を取り巻く法規制〜カルタヘナ法,遺伝子ドライブ

Ⅱ 実践編

A ツール作製とアプリケーション

1.CRISPRdirectによるガイドRNA配列の設計

2.CRISPR-Cas9の作製法とプラスミドドナーの設計法・作製法

3.オフターゲット作用の検出・評価

4.CRISPRライブラリーを用いた遺伝子スクリーニング法

5.Target-AIDの設計と作製

6.エピゲノム編集:特定領域のDNA脱メチル化操作を例として

7.特定内在遺伝子の転写-核内局在の同時イメージング

8.CRISPR-Cas9を応用した遺伝子の光操作技術

B 各生物種への適用

9.糸状菌でのゲノム編集

10.培養細胞でのゲノム編集

11.iPS細胞における欠失挿入導入ゲノム編集実験

12.ヒトiPS細胞のAAVS1遺伝子座への遺伝子組込み

13.小型魚類でのゲノム編集

14.Crispant:両生類における遺伝子機能解析

15.gRNA/Cas9複合体を用いたマウスでのゲノム編集

16.ラット受精卵でのゲノム編集

17.植物でのゲノム編集

Ⅲ 応用編

1.Cas9/Cas12aの立体構造と機能改変

2.CRISPRを利用した配列特異的なDNAの単離

3.ゲノム編集技術を用いた次世代微生物育種

4.移植用臓器作製への応用

5.モデル霊長類でのゲノム編集

6.遺伝子治療とゲノム編集

7.農作物でのゲノム編集

8.養殖魚でのゲノム編集

9.家禽でのゲノム編集

コラム

CRISPR-Cas12/13を応用した核酸検出技術

ニックを用いた小規模ゲノム編集法

非分裂細胞での効率的遺伝子ノックイン法

RNA編集ツールとしてのPPR技術の開発

microRNAを利用した細胞種特異的なゲノム編集法

人工染色体とゲノム編集によるヒト化薬物動態モデルラットの作製

タンパク質集積技術による高度ゲノム編集・転写調節

改変したCas9やsgRNAによる高効率相同組換え


索引

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書籍情報

  • ISBN:9784758122443
  • ページ数:386頁
  • 書籍発行日:2019年12月
  • 電子版発売日:2020年1月8日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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