図解 脳神経外科

  • ページ数 : 360頁
  • 書籍発行日 : 2009年8月
  • 電子版発売日 : 2012年6月14日
5,940
(税込)
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商品情報

内容

脳神経外科臨床に携わるあらゆる皆様へ、脳神経外科を効率よく学ぶことができるテキスト「図解 脳神経外科」が電子版となりました。
タイトル通り、多くの図・写真・表が用いられ、雑多岐にわたる内容を視覚的に整理いただけます。

序文

はじめに

高齢化社会の到来により,脳神経疾患に罹患する人が益々増加しています.たとえば脳血管障害(脳卒中)は,我が国の寝たきり原因の第1位,国民総医療費の第2位,死亡原因の第3位を占めています.ちなみに,寝たきり原因の第3位は認知症です.すなわち,脳神経疾患が日本の社会や経済に如何に大きな影響を与えているかが分かると思います.

脳神経外科で扱う疾患は,血管障害・腫瘍・外傷・奇形・感染・機能神経外科などで,扱う器官は,脳・脊髄・末梢神経・血管・頭蓋骨・脊椎など,多岐に亘ります.これらの器官の正常と異常を知って疾患と病態を正確に診断し,治療について考えなければなりませんが,学ぶべき情報は膨大な量になります.特に脳機能を中心とした神経系の解明は人体最後のフロンティアとも呼ばれ,精力的な研究が為されていますので,日々新しい知見が蓄積されています.したがって,この広い領域における新旧の膨大な情報を効率よく整理して学ぶ必要があります.

この本は,医学生・研修医・レジデント・看護学生・看護師・そしてコメデイカルスタッフなど,脳神経外科臨床に携わるあらゆる人たちのためのまとめ,あるいは教科書として必要な情報を分かりやすくまとめたものです.国家試験対策用として,あるいは若手スタッフやコメデイカルスタッフのベッドサイドでの教科書としても活用いただけます.同様の趣旨で書かれた書籍は数多くありますが,この本独自の工夫がいくつかなされています.一つは,図解⦆脳神経外科というタイトル通り,多くの図・写真・表を使用し,これによって複雑多岐に亘る内容を視覚的に整理できるようにしてあることです.また,各項目はページ単位の読み切りであり,最初にまとめを記載することによって,まず要点を頭に入れるように構成されています.つまり,全体のオリエンテーションを付けてから本文に進むようになっていますので,きわめて効率的に学ぶことができます.さらに,文章は箇条書きにすることで短時間で読みやすいように構成されていますし,二色刷りで見やすく強弱を付けてあるのも特徴です.

編者・執筆者として,全国9大学の教授にお願いし,快く引き受けていただきました.実は,全員に共通していることは,昭和54 年(1979 年)医学部卒であるということです.札幌医科大学・埼玉医科大学・帝京大学・順天堂大学・浜松医科大学・大阪医科大学・神戸大学・山口大学・愛媛大学の教授を中心に,各施設のスタッフと共に,それぞれができるだけ自分の専門領域を担当しました.

この本によって,読者が脳神経外科を効率よく学び,正確な診断と最善の治療を選択できるように祈っています.


2009年 7月

編集者一同に代わって
黒岩敏彦

目次

1章 神経解剖

1.頭蓋骨・髄膜

2.大脳半球

3.大脳基底核

4.内包

5.錐体路

6.感覚路

7.大脳辺縁系

8.間脳・下垂体

9.小脳

10.脳幹部

11.脊髄の解剖

12.脳神経

13.脊髄神経

14.自律神経

15.脳室と脳脊髄液

16.脳の血管

17.脊髄の血管

2章 神経症状と徴候

1.頭痛

2.めまい

3.痙攣

4.運動麻痺

5.感覚障害

6.失語症

7.視力・視野障害

8.意識障害

9.認知症

10.呼吸異常

11.神経症候群

3章 頭蓋内圧亢進と脳浮腫

1.頭蓋内圧亢進と脳浮腫

2.脳ヘルニア

3.脳浮腫とその治療

4章 神経学的検査

1.身体所見

2.意識レベル

3.運動機能

4.反射

5.感覚機能

6.小脳機能

7.脳神経

8.脳死

5章 補助検査

1.頭蓋・脊椎単純撮影

2.X線CT(CT)

3.MRI

4.脳血管の検査

5.電気生理学的検査

6.脳槽、脊髄造影

7.脳機能検査

8.脳血流検査

9.超音波検査

10.髄液検査・血液生化学検査

6章 脳血管障害

1.脳卒中の分類

2.脳卒中の疫学

3.くも膜下出血と動脈瘤

4.脳動静脈奇形

5.その他の血管奇形

6.硬膜動静脈瘻

7.脳内出血

8.もやもや病

9.虚血性脳血管障害

10.静脈洞血栓症

7章 脳腫瘍

1.脳腫瘍総論

2.星状細胞系腫瘍

3.その他の神経膠腫

4.髄膜腫

5.下垂体腺腫

6.神経鞘腫

7.頭蓋咽頭腫

8.胚細胞腫瘍

9.髄芽腫

10.血管芽腫

11.悪性リンパ腫

12.脊索腫

13.類上皮腫と類皮腫

14.転移性脳腫瘍

15.頭蓋骨腫瘍

16.眼窩内腫瘍

17.神経・皮膚症候群

18.放射線療法

8章 頭部外傷

1.病態生理

2.重症頭部外傷の管理

3.頭蓋骨骨折

4.髄液漏・気脳症

5.外傷性頭蓋内出血,硬膜下血腫,硬膜外血腫

6.脳挫傷・びまん性脳損傷

7.慢性硬膜下血腫

8.小児の頭部外傷

9.高齢者の頭部外傷

10.外傷性てんかん

9章 水頭症

1.水頭症の基本

2.小児の水頭症

3.特発性正常圧水頭症

4.硬膜下液貯留

10章 奇 形

1.神経管の発生

2.二分頭蓋

3.開放性二分脊椎

4.潜在性二分脊椎

5.孔脳症

6.全前脳胞症

7.脳回の発生異常

8.脳梁欠損

9.キアリⅡ型奇形

10.ダンディ・ウォーカーDandy-Walker症候群

11.くも膜嚢胞

12.頭蓋縫合早期癒合症

13.頭蓋底陥入症

14.歯突起骨

11章 感 染

1.髄膜炎・脳炎

2.脳膿瘍・硬膜下膿瘍

3.真菌感染症・寄生虫

12章 脊椎・脊髄・末梢神経疾患

1.脊椎椎間板ヘルニア

2.脊柱管狭窄症

3.後縦靭帯骨化症

4.その他の変性疾患

5.脊髄腫瘍

6.脊髄血管障害

7.脊椎・脊髄損傷―急性期脊髄損傷の評価と処置

8.脊椎・脊髄損傷―脊髄損傷の分類と治療

9.脊髄空洞症

10.末梢神経損傷

13章 機能脳神経外科

1.不随意運動

2.パーキンソン病

3.頑痛症(難治性疼痛)

4.てんかん

5.顔面痙攣・三叉神経痛

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書籍情報

  • ISBN:9784765313889
  • ページ数:360頁
  • 書籍発行日:2009年8月
  • 電子版発売日:2012年6月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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