医学英語表現辞典

  • ページ数 : 662頁
  • 書籍発行日 : 2009年12月
  • 電子版発売日 : 2012年2月18日
13,200
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内容

医学論文を英訳する際、どのように訳せば原文の意味を確実に著わせることができるか、多くの文例、また適切な解説を収載しました。
また電子書籍版では、全文・串刺検索、南山堂医学大辞典リンクなど電子ならではの機能を搭載。重たい辞典をいつでも、どこでも、簡単に、そして立体的に参照いただけます。

序文

まえがき


医学論文を英訳する際に,原文の言い回しに窮したり,訳語がわからない場面に出会うと大抵の方は一般辞書や専門辞書の助けを借りることになる.その際,和英辞書で原文の英訳を探し出し,適切な英訳の語句をみつけるものである.自分が英訳しようとする原文に近い英語の例文を参考にしたり,またはそっくり拝借してなんとか切り抜ける経験をお持ちであろう.その参考になるものとして,できるだけ英語の例文のあるものをめざして,小生は1997年「医学英訳活用辞典」を発行した.その後,2002年に改訂版を出し,今まで医学論文を英訳する方々に地味ながら重宝していただいている.ところで,一方で英訳の腕が上がってくると,ご自身で原文にふさわしいと思われる英語表現や語彙が辞書を引かずとも頭に浮かんでくるものである.その際,確認の意味で,あるいは自身の訳文や語彙の使い方に少し不安があるといったときには和英辞書よりも一般辞書であれ専門辞書であれ,英和形式の辞書が便利であることを実感されている諸兄は多いことと思う.小生も「医学英訳活用辞典」を発刊するとき,英和形式にするか和英形式にするかで,少し迷ったものである.その際,初心者や使い勝手のいいのは和英辞書であろうと自分自身で納得して,和英活用辞典を既刊したのである.ところが,依然として,英和形式での医学専門辞書にも大いに魅力があり,常々まとまった形での書籍にしたいという意欲は捨てきれず,少しずつ英和形式での例文を集めてきた.これがまとまって一冊の辞書になれば,既刊の和英形式のものと合わせると,それぞれの形式の長所と短所を補い合って,かなり使い勝手の良いものになるという思いがあった.今回,ようやく原稿も増え,見出し語だけで3000語を越えることになり,一区切りとしてまとめることにした.

内容例文は原則として既刊の例文とは異なるものを新たに集めることにし,臨床論文だけでなく,基礎論文の例文も多く取り入れることにした.もちろん,小生の既刊の参考書の例文からは数多く採択しているのは辞書という一つの集大成をねらったことによるものである.英和形式の医学英語辞書は小生の最終的に念願としていたものであり,ここに世に出て諸兄の参考に供することができれば,誠に有難いことである.辞書といっても,独自の判断で作成したものであり,小生ひとりの思い込みや不備な点もあろうかと思うので,折に触れてご指摘いただき,今後さらによりよいものにすることが出来るよう願っている.気の遠くなるような原稿作成を地道にやってこられたのも株式会社 金芳堂社長市井輝和氏の暖かい励ましと助言があったからこそ,できたものと感謝している次第である.

この辞書が一人でも多くの方々に医学論文英訳の際のガイドブックとして,末長く利用していただければ著者として大変うれしく思うものである.本書の利用法については,諸兄にお任せするとして,少し本書の作成にあたり,配慮した点について触れたい.

特長としては,

① 基本単語(特に冠詞・前置詞)は,文法の観点から詳しく解説した.

② 基本単語では,主として動詞を中心に採択し,最初に一般英語での使い方を列記し参考に供した.

③ 医学英語としての例文は,基礎・臨床の両面から集め,参考表現を多くし,利用の便を図った.

④ 見出し語の各単語の名詞については,その単数形・複数形とそれに伴う冠詞の有無についての例文に配慮した.

⑤ 接頭語と接尾語についても,見出し語として直接調べられるようにし,専門用語の和訳を付した.

⑥ 知られている重宝なハイフン・ワードを組み入れた.

⑦ 必要に応じて[類語]を挙げ,見出し語との意味上の違いを示した.


以上,随時,必要なときに調べたい英単語から目的とする参考表現をご高覧いただけばそれで本書の役目は果たせていると思う.その上で,さらに医学英語の力を伸ばそうとされる方々はお好きな箇所,気になる単語の使い方を漫然とでも良いから医学英語の参考書として目を通されることをお薦めする.必ずや一つや二つ,英語の問題点の解決につながるものと信じている.

医学論文英訳の原点は,母国語である日本文の表現習得にあることは小生が言い続けているところである.よい英語を書こうとするならば,まず,母国語から勉強することである.原文から離れて,訳された英文はその時点で一人歩きするものであり,その英文が原文の日本文に引きずられて和製英語になっていないか,自分独自の英作文でないか,入念に英文を推敲し,欧米人の書いた英文に限りなく近づくべく,自分の英作ではなく,欧米人の書いた文の英借をする要領が大切である.その際の指針として,本辞書をご活用いただき,きれいな英文作成の際のよき友として本書が役立つことを心から願うものである.


2009年 9月

横井川 泰弘

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書籍情報

  • ISBN:9784765314053
  • ページ数:662頁
  • 書籍発行日:2009年12月
  • 電子版発売日:2012年2月18日
  • 判:B6判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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