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- 早期胃癌がみえる!見落とさない! 胃内視鏡検査・診断に自信がつく本
商品情報
内容
胃内視鏡検査・診断に関する知識を新たにまとめ上げ(第1章+関連知識)、胃粘膜を見る目・早期胃癌を拾い上げるための勘所を養うためのトレーニング問題を充実させた(第2章)。胃内視鏡検査において漫然とした「観察」状態から「探す」意識に視点が変わり、早期胃癌を的確に見極め、拾い上げ、質的診断まで自信をもって行うために必要なすべてが,この1冊に集約されている。
序文
思いもかけず本書の序文を書くことになった.早期胃癌をいかにして発見するか,消化器内視鏡研修を開始した直後に最初に課せられる課題であった.胃の中を胃カメラで撮影して,その現像フイルムから胃疾患を診断していた時代から,リアルタイムに内視鏡を観察しながら早期胃癌を発見することは1980年代に本格化した.私が医師となった1983年にはバイブル『消化器内視鏡診断テキストⅠ食道・胃・十二指腸』(竹本忠良・長廻 紘編,文光堂)が出版された.すべての内視鏡像に手書きのシェーマが付いて,数多くの内視鏡像が掲載されていた.医師となり研修医であった私は,先に1979年に発売されていたバリウムによる二重造影法が詳述された『腹部X線造影読影テキストⅠ食道・胃・十二指腸』(白壁彦夫著,文光堂)とともに,これら2冊の聖書を頼りに早期胃癌の発見・診断に没頭した時代があった.今でもこの二冊は私の机に鎮座されている.この時代に内視鏡診断は大きく変化し,撮影した内視鏡像で議論するのではなく,実際に視ている時にいかに集中して視るかですべてが決まることになった.観察時に見えなかったものは永久に見えないし,いかに努力して撮ったにしろ撮影された写真より,観察時の遠景,近景の肉眼像,空気の量を変えた像など,現場の診断がすべてとなった.時代は,光学内視鏡から,ビデオ内視鏡,画像強調内視鏡,拡大内視鏡へと推移し,診断における人工知能の応用も始まっている.知見ではあるが,最近の10年間で早期胃癌を発見するための診断学においてもっとも変化したことは,ピロリ菌現感染粘膜の背景からの早期胃癌診断から,ピロリ菌既感染粘膜の背景からの診断に変化したことではないかと考える.ピロリ菌未感染胃癌の内視鏡的特徴も明らかにされた.
本書は最初から気合いを入れて読み始める必要はない.まずは第2章「胃内視鏡検査・診断トレーニング問題」をいくつか診断してみてほしい.そこで「おや?」と思うことが出てくるはずである.その時に,第1章に戻って対応する場所を読んでみるのが良いように思える.最近,アルバイト先で早期胃癌様の病変の周囲にある規則正しい顆粒状白斑を観察していたが,その病変がリン酸ランタン胃症だと気づいた.学会での発表を聞いて私の脳内記憶が残っていたのである.内視とは頭を鍛えて視ることではないかと思う.
最後にこのような機会をいただいた編者の後藤田卓志教授,藤本一眞教授,ならびに金芳堂藤森祐介氏に深謝申し上げます.
平成30年10月
京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学
同附属病院内視鏡・超音波診療部 内藤 裕二
目次
第1章:胃内視鏡検査・診断の基本
1.検査と診断のコツ
1-1 胃の生理学
1-2 胃癌の拾い上げに役立つ胃粘膜所見
1-3 臨床における「胃炎の京都分類」の意義と使い方
1-4 リスク層別化を考慮した観察のコツ
1-5 ピロリ陰性胃癌の診かた?ピロリ未感染胃癌と除菌後胃癌
1-6 見落としの少ない内視鏡の操作手順とコツ
1-7 拡大観察の基礎知識
<関連知識>
・ピロリ感染と胃癌発癌
・対策型胃がん検診における胃内視鏡検診の目的と意義
・早期胃癌典型例でのNBI・BLI画像の比較
2.検査前のポイント
2-1 今だから必要な検査前の問診
2-2 標準的な前処置法(咽頭麻酔や鎮痙剤の使用適応まで)
2-3 抗血小板抗凝固の新ガイドラインを考慮した生検
2-4 鎮静剤の使用について(ガイドラインに準ずる)
2-5 経鼻内視鏡と経口内視鏡の選択について
<関連知識>
・内視鏡検査におけるガイドラインと偶発症および医師の責任
・偶発症と対応
第2章:胃内視鏡検査・診断トレーニング問題
症例1―61
<関連知識>
・Eカドヘリン遺伝子異常胃癌
・LCIの有用性
・ピロリ除菌後のPPI長期使用における異時性胃癌
・EBウィルス関連胃癌
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書籍情報
- ISBN:9784765317634
- ページ数:248頁
- 書籍発行日:2018年11月
- 電子版発売日:2019年1月25日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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