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- 産婦人科の実際 2018年12月号 67巻13号 特集 外科解剖学から解き明かす広汎子宮全摘手術【電子版】
商品情報
内容
■特集 外科解剖学から解き明かす広汎子宮全摘出術
1. 腹腔鏡下および開腹下の子宮頸癌に対する広汎子宮全摘出術の将来展望
2. 腹腔鏡下広汎子宮全摘出術-保険適用への歩み-
3. ロボット支援下広汎子宮全摘出術-わが国の現状と課題-
4. 骨盤内の血管の解剖と骨盤内リンパ節郭清
ほか
序文
企画者のことば
2018年4月より,わが国において子宮頸癌に対する腹腔鏡下広汎子宮全摘出術が保険適用となった。しかしその直前の3月末,Society ofGynecologic Oncology のannual meetingにおいて,ロボット支援を含む腹腔鏡下広汎子宮全摘出術と開腹下広汎子宮全摘出術のランダム化比較試験にて,腹腔鏡下広汎子宮全摘出術群で有意に骨盤内再発率が高く生存率が低かったという驚くべき結果が報告された。そしてその結果は2018年11月にThe New England Journalof Medicine誌に掲載された。そのような結果が出た背景として,米国と日本の広汎子宮全摘出術術式の違いや,子宮マニュピレーターの使用の有無,腟カフを形成しているか否かなどが影響した可能性が考えられる。しかし,それでは果たして,日本では本当に腹腔鏡下広汎子宮全摘出術が安全・確実な手術として広まっていっているのか,正確な外科解剖の知識が共有されているのか,という疑問もある。
本来,腹腔鏡というアプローチそのものは,根治性や安全性を損なうものではない。むしろ,拡大視ができることや,気腹による腔の展開しやすさは開腹よりも有利である。そして,臍のポートから入れるカメラの角度は,ちょうど広汎子宮全摘出術において必要となる視野の角度と合っている。しかし,腹腔鏡下手術では触診ができないため,より正しい外科解剖学の知識が要求される。そして,エネルギーデバイスを多用するため,十分に注意しないと遅発性臓器損傷を生じうる。実際,これまで先進医療として腹腔鏡下広汎子宮全摘出術が行われてきたなかで,少なからず尿路系損傷が報告されてきた。一方,臓器損傷や大量出血をおそれるあまり,根治性を犠牲にした不十分な手術を行うことが許されないことは言うまでもない。
本特集号は,これからわが国において,腹腔鏡下広汎子宮全摘出術が広まっていくということを念頭に置き企画した。最近,Cadaverを用いた研究や,ロボット支援下を含む腹腔鏡下手術の拡大視などによって,広汎子宮全摘出術のための外科解剖学の知見が大きく変わりつつある。本特集によって,根治性と安全性を兼ね備えた,質の高い広汎子宮全摘出術を行うための最新の外科解剖学の知識を身につけていただければ幸甚である。
松村謙臣
目次
特集 外科解剖学から解き明かす広汎子宮全摘出術
1. 腹腔鏡下および開腹下の子宮頸癌に対する広汎子宮全摘出術の将来展望
2. 腹腔鏡下広汎子宮全摘出術-保険適用への歩み-
3. ロボット支援下広汎子宮全摘出術-わが国の現状と課題-
4. 骨盤内の血管の解剖と骨盤内リンパ節郭清
5. 子宮がんにおけるセンチネルリンパ節
6. 子宮周囲の解剖と広汎子宮全摘出術の工夫(1)
7. 子宮周囲の解剖と広汎子宮全摘出術の工夫(2)-膀胱子宮靱帯の外科解剖学と内視鏡下広汎子宮全摘出術への応用-
8. 子宮周囲の解剖と広汎子宮全摘出術の工夫(3)
9. 子宮周囲の解剖と広汎子宮全摘出術の工夫(4)
■今日の話題
若年女性におけるHPVワクチンの効果について
■総説
子癇発症の高血圧重度は非妊高血圧脳症(高血圧緊急症)より低い-その背景を妊娠による脳動脈血管壁の変化から探る-
■診療
当院における妊孕性温存の現状と課題
■臨床経験
付属器疾患に対する低コスト脊椎麻酔下吊り上げ式腹腔鏡手術
■症例
妊娠25週頃に重度の羊水過少に至るも、自然に羊水量の改善を認めた胎児発育不全の2症例
腹腔鏡下手術で診断した孤立性卵管捻転の1例
繰り返された無症候性妊娠子宮捻転
■海外文献から
・スマートフォンアプリによる月経痛に対する自己指圧の効果
・胎児と新生児の高度溶血性疾患に対する母体経静脈的免疫グロブリン投与による早期胎児輸血の遅延効果
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書籍情報
- ISBN:9784003106713
- ページ数:126頁
- 書籍発行日:2018年12月
- 電子版発売日:2019年9月18日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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