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- 産婦人科の実際 2024年5月号 73巻5号 特集 産婦人科医が知っておきたい プレコンセプションケアの最前線Ⅰ 【電子版】
商品情報
内容
序文
企画者のことば
厚生労働省の令和5（2023）年6月の人口動態調査によると，令和4（2022）年の出生数は史上最低の77,0747人，合計特殊出生率は1.26で史上最低レベルであった。別の調査では，夫婦の理想とする子どもの数は2ないし2.5と報告されるなか，少子化が進むのはなぜであろう。
人口動態調査報告書を読み進めると，想定を超えた事実が明らかになってくる。令和4（2022）年には45歳以上の母親からの出生数が1,658人（全体の0.22％），40歳から44歳は46,336人（6.0％）を占め，昭和60（1985）年に比べると出生数に占める割合はどちらも10倍以上に増加している。
高い年齢層の出産の増加は，女性の有職率の増加，それに伴う結婚年齢の高年齢化により，不妊症の割合が増え，生殖補助医療の適用が増したことによると考えられる。生殖補助医療による出生数の増加は少子化の流れに抗するものとも考えられるが，それに要する治療周期数は年齢により加速度的に増加し，挙児に至らない患者数も増大している。
プレコンセプションケアは「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」（WHO）とされ，近年多方面から注目されている。日本における国民の性や生殖に関する知識が低いことは国際的に知られ，リプロダクティブヘルス・リプロダクティブライツが十分に守られているとはいえない。妊孕性に関する正確な知識に乏しく，正しいライフ・プラン，ライフキャリア・プランの選択がなされていない現状が，少子化と非効率的な生殖補助医療実施につながっていると考えられる。私はプレコンセプションケアの若年者を含めた広がりが少子化への処方箋となると考え，産婦人科医療にかかわるすべての人に向けて本企画を立案した。プレコンセプションケアへの関心を高め，その普及の一助になれば幸いである。
堤 治
山王病院名誉病院長，同 リプロダクション・婦人科内視鏡治療センター
目次
特集 産婦人科医が知っておきたいプレコンセプションケアの最前線I
1.日本の生殖補助医療の現状からみたプレコンセプションケアのすすめ
堤 治
2.自治体で取り組むプレコンセプションケア−東京都福祉局
東京都福祉局子供・子育て支援部家庭支援課
3.国立成育医療研究センターにおけるプレコンセプションケア
荒田 尚子
4.企業のD&Iとプレコンセプションケア
羽生 祥子
5.乳幼児の保護者へのプレコンセプションケア
池田 裕美枝
6.わが国の性教育の歴史的変遷とプレコンセプションケア
西岡 笑子
7.思春期のプレコンセプションケア
安達 知子
8.職域におけるプレコンセプションケア
佐藤 美香
9.プレコンセプションケアにおける助産師の役割
安達 久美子
シリーズで学ぶ最新知識
障がいがある女性と産婦人科医療−配慮を必要とする女性をどうサポートするか？ 第2回 性と子育てへの支援
橋本 洋之
今日の話題
不妊治療公的医療保険適用に関する質問紙調査
戸高 里美
原著
経口GnRH antagonist製剤relugolixの子宮筋腫への術前投与の検討
細井 美帆
臨床経験
加齢に伴う卵子紡錘体の位置変化と受精および胚発生との関連
小岩 佳夏子
第二極体の挙動とその後の胚発育との関連
志村 陶子
症例
妊娠21週に脾動脈瘤破裂のSHiPをきたし母体救命後に流産され、その後の妊娠で生児を得た1例
光岡 真優香
成熟嚢胞性奇形腫合併卵巣偽粘液腫破裂後の化学性腹膜炎により横隔膜交通症をきたした1例
塚原 春菜
海外文献から
妊娠中期に特発性性器出血を起こした妊婦への抗菌薬治療は羊水内の炎症を軽減する子宮全摘時に両側付属器摘出術を行った場合の長期予後に関するシステマティック・レビューおよびメタアナリシス
大分大学医学部附属病院産科婦人科学
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書籍情報
- ISBN：9784003107305
- ページ数：112頁
- 書籍発行日：2024年5月
- 電子版発売日：2024年5月21日
- 判：B5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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