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- 臨床放射線 2022年3月号 67巻3号 特集 MRIによる中枢神経画像診断の進歩【電子版】
商品情報
内容
急性期脳梗塞や脳腫瘍などにおけるoscillating‒gradient spin‒echo(OGSE)法を用いた拡散強調像のピットフォール:拡散時間の影響
定量的磁化率マッピングの画像診断
脳血管領域における4D flow MRIの基礎と臨床応用 ほか
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序文
はじめに
新しいMRI診断技術の開発は,中枢神経画像診断から始まることが多い。なぜなら頭部は固定しやすく,また肺,心臓や消化管のような粗大な生理的拍動が少ないためである(脳も心拍や呼吸によって拍動しますし,脳脊髄液の流れもありますが,消化管のダイナミックな動きに比べたら些細なものです……)。それゆえに,中枢神経で有用性が確立されたとしても,躯幹部のその他の部位にそのまま技術を転用できないこともある。それでもやはり生理的な動きの少ない部位で技術開発するのは理にかなっており,それを剛体ないし非剛体変換でも頑健なる応用ができるようにするのは別次元の話である。
そこで,今回は中枢神経画像診断の進歩として拡散,磁化率,流れおよび緩和測定に注目し,それぞれについて概説してもらうことにした。
拡散強調像の最先端については,最近はエコー時間(TE)と拡散時間との関係が問題となっている。TEの変化に伴い拡散時間も変化するため,拡散強調像での病変コントラストがつかなくなることがある。また,拡散時間によって例えばepidermoidの信号は変化する。逆に,パラメータ設定によっては,神経線維や脳微細構造(制限拡散)が評価できる(推定できる)ことにもなる。このあたりの関係や未来の展望も語っていただいた。
磁化率については,定量的磁化率マッピングの基礎と,その特性を活かして,どのような疾患への応用に役立つのか,その可能性を語っていただいた。
流れについては動的な現象を対象としており,大動脈などの頭部以外での知見が豊富である。このため中枢神経が技術開発の端緒ではない特異な分野であり,今回は4 D flow MRIについてその基礎と,血管拍動など病態解明への臨床応用をご解説いただいた。
緩和測定については,定量的マルチパラメトリックMRIによるdata—drivenな画像診断が注目されており,MR fingerprintingとsynthetic MRIが話題の中心となる。データを用いた画像診断は,従来の視覚的評価を主体とした画像診断に対して客観性を補完することが期待される。しかし,その手法には問題点もある。定量的撮像が普及すると,異なる時期や患者,施設でのデータを統合した解析が可能になるなど展望も含めてご執筆いただいた。
拡散については順天堂大学の前川朋子先生,磁化率は北海道大学の対馬史泰先生,流れは日本医科大学の武田康寛先生,そして緩和測定は順天堂大学の藤田翔平先生という気鋭の研究者にご執筆を依頼した。研究,臨床やご家庭でお忙しい中,執筆の労を賜りました先生方に厚く御礼申し上げたい。今回の特集により,最新技術それぞれの現状と期待される応用,問題点について読者の皆様の理解が深まれば幸いである。
森 墾(自治医科大学 放射線医学講座)
目次
特集
はじめに 森 墾
急性期脳梗塞や脳腫瘍などにおけるoscillating‒gradient spin‒echo(OGSE)法を用いた拡散強調像のピットフォール:拡散時間の影響 前川朋子
定量的磁化率マッピングの画像診断 対馬史泰ほか
脳血管領域における4D flow MRIの基礎と臨床応用 武田康寛ほか
マルチパラメトリックMRIによるデータ駆動型の画像診断補助―MR fingerprinting とsynthetic MRI 藤田翔平
総説
COVID‒19肺外病変の画像診断―ACE2遺伝子発現率という観点から 樋口智博ほか
症例
COVID‒19との関連が疑われた脳梗塞の4例 清水麻里奈ほか
錐体斜台部に発生したsolitary fibrous tumorの1例 田代茜子ほか
ソマトスタチン受容体シンチグラフィが診断に有用であった主膵管内進展型膵神経内分泌腫瘍の1例 森川友郎ほか
血便症状で発見されたdesmoplastic small round cell tumorの1例 沖野 佳ほか
腎 angiomyolipoma with epithelial cysts(AMLEC)の1例 小林祐介ほか
先天性腎欠損を伴った精嚢腺嚢胞(Zinner症候群)が疑われた1例 首藤直大ほか
myeloid sarcomaの1例 武本花奈子ほか
小児の右下肢に多発するepithelioid hemangioma の1例 庄司美咲ほか
連載
今月の症例 関本篤人ほか
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書籍情報
- ISBN:9784003206703
- ページ数:116頁
- 書籍発行日:2022年3月
- 電子版発売日:2022年3月16日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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