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- 整形・災害外科 2022年12月号 65巻13号 特集 寛骨臼骨切り術の合併症低減と早期回復を目指して 【電子版】
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内容
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序文
「教える」ということ
「財を遺すは下,仕事を遺すは中,人を遺すを上とする」。選手としても活躍し,プロ野球4 球団の監督を務めて名将の名を馳せた野村克也氏が大切にしていた言葉である。明治から昭和初期にかけて活躍した政治家,後藤新平の名言であり,財産を築いたり,仕事で業績を上げたりすること以上に,人を育てることは難しく,それゆえ価値があるとした言葉である。
われわれ臨床医には,目の前の患者を的確に診断して治療すると同時に後輩の医師を指導し育成することも求められている。私自身もこれまでに多くの先生方から様々なことを教えていただいたが,後輩たちを指導する立場になって「教える」ということがそう簡単ではないと痛感させられる。
わが国では,技術は「見て憶えろ」 「技を盗め」と言われることも多いが,手術で失敗は許されないため,初めに基本的な技術の指導が必要となる。また,若手医師に成功体験をさせることで手術に対する興味を深め,技術的にも伸びていくきっかけになると考えられる。技術的なことは言葉で伝えるだけでは不十分で,やはり実際に手を動かしてもらわなければ伝わらない。多くの施設でも同様だろうが,われわれの施設ではまず初めは見学,次に脊椎の左右半分の手術を経験させ,その後に実際に執刀させるという手順を踏んでいる。
ここで気を付けなければならないことは,こちらが重要あるいは注意すべきと考えている点と指導を受けている医師が意識している部位が必ずしも一致していないことである。指導者はこの点にも注意を払いながら安全かつ確実に手術が進んでいくように導くと同時に,危険な点に気付かせて同じ過ちを犯さないように教育する必要がある。術中・術後合併症などへの対処法などについての指導も重要である。
「好きこそものの上手なれ」は手術においても当てはまる。自分が興味をもった分野であれば時間を惜しまず勉強し,熱心に工夫して努力することで上達していくと考えられる。したがって指導に際しては,基本を教えた後は自ら学ぼうとする環境を整えて後押ししてあげることが重要なのかもしれない。
恩師である九州大学名誉教授 岩本幸英先生は在任中に教授の仕事としての人材育成を重視しておられ,「種をまき,水をやり,花を咲かせる」といった趣旨のことをよく話しておられた。私にはそこまでのことはできないかもしれないが,少なくとも学ぶ機会を与えることで知識や技術を習得し,その後に自分なりの磨きをかけて自らの力で花を咲かせてもらえればと思っている。
今後さらに進む高齢化社会,AI の導入などの技術革新,医療経済の問題など医療の現場が大きく変化していくことは間違いない。わが国の医療を支える次世代の医師を育てることはわれわれの責務であり,多くの後輩が育つことを願うとともに私自身も精進していかねばならないと思っている。
九州大学病院別府病院,整形外科
播广谷勝三
目次
特集:寛骨臼骨切り術の合併症低減と早期回復を目指して(企画:名越 智)
Periacetabular osteotomy の歴史と変遷
原 俊彦
寛骨臼移動術における早期回復と合併症予防
本村悟朗 ほか
東大式RAO の変遷と早期回復,合併症予防
田中健之 ほか
大転子切離寛骨臼回転骨切り術後の早期回復と合併症予防
天神彩乃 ほか
寛骨臼回転骨切り術後の早期回復と合併症への対処
庄司剛士 ほか
偏心性寛骨臼回転骨切り術の手術手技とpitfall
坪井真幸
Curved periacetabular osteotomy 後の早期回復と合併症低減の工夫
木下浩一
Spherical periacetabular osteotomy における早期筋力回復と合併症低減の試み
兼氏 歩 ほか
コンピュータ支援技術の応用による寛骨臼回転骨切り術の低侵襲化
池 裕之 ほか
―Personal View―
「教える」ということ
播广谷勝三
―新しい医療技術―
経仙骨的脊柱管形成術
富田 卓 ほか
―論究―
尺骨非定型骨折の経験と文献的考察
白山輝樹 ほか
―臨床―
高位脛骨骨切り術と脛骨顆外反骨切り術の臨床成績比較
樋口隆志 ほか
手指基節骨骨折に対するKirschner 鋼線刺入位置が術後可動域
制限に及ぼす影響
岩田英敏 ほか
―経験―
Cam type FAI に対するperipheral compartment first techniqueを用いた股関節鏡視下手術の経験
田中秀達 ほか
変形性膝関節症に対するジクロフェナク結合ヒアルロン酸ナトリウム関節内注射に局所麻酔薬を混合した場合の効果
戸田佳孝 ほか
整形外科手術 名人の know‒how「髄膜腫の診断と手術手技」
名越慈人
スポーツ医学 つれづれ草(36) 「ととのほりたるは,あしき」
武藤芳照
机上の想いのままに(55) 「言葉は生き物である」
西野仁樹
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書籍情報
- ISBN:9784003306513
- ページ数:150頁
- 書籍発行日:2022年12月
- 電子版発売日:2022年12月1日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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