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小児科 2019年4月臨時増刊号 60巻5号 小児一次救急マニュアル―帰宅可能か?二次救急か?判断のための手引き―【電子版】

  • ページ数 : 460頁
  • 書籍発行日 : 2019年4月
  • 電子版発売日 : 2019年10月30日
8,800
(税込)
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商品情報

内容

軽症患者のなかに紛れ込んだ重症児を見逃さない!
慌ただしい小児一次救急の現場で必要な「この子はこのあと重症化するか否か」「帰宅可能か二次救急か」の判断方法を、症状別,事故・外因別アプローチで解説。

序文

小児医療の王道は一次救急にあると言っても過言ではないと思います.どんなに専門領域で業績を上げていようと,一次救急ができない,一次救急をやらない医師は小児科医とは言えないのではないでしょうか.

とは言っても一次救急は上っ面な知識だけでは務まりません.判断を誤れば重大な事態を招くこともありましょう.もちろん各臓器別,病態別の専門領域についてもそれなりの知識と経験が必要であることは言うまでもありません.ただ,各領域の専門診療では,ある程度診断の方向性がついている患者が主な対象であり,まれな疾患も含めて各論の知識が最も求められることになります.その一方で,一次救急では,まだ海のものとも山のものとも判断がつかない初期症状,軽微な症状,非特異的な症状を訴える患者を対象とすることが多く,専門領域の診療とは全く別のスキルが必要となります.

どんな疾患でも小児では一般的に進行が早いと言われているため,一次救急で見逃してしまうと思わぬ重症化に繫ることがあります.帰宅させて良いのか,二次救急に紹介するべきか,何を根拠に判断すれば良いのか,それは小児科医であれば誰でも直面する永遠のテーマかもしれません.キーワードは,「病名」でも「重症か否か」でもなく,「重症化するかどうか」であろうと考えられます.

本書の企画意図は,「帰宅可能か? 二次救急か?」という視点から小児一次救急のバイブルを作成するというものでした.まず,一次救急の基礎的一般論から始まり,症状別アプローチに特に重点を置いて編集されています.次いで,主な疾患について解説を加え,事故や外因による病態への対処にも言及していますが,重症な場合に必要な処置については最後に記載されています.本書が「重症化するかどうか」の判断の基準を示すことに力を注いだことの現れであります.

一次救急では必ずしも診断名を特定する必要はありません.放っておいたら重症化してしまうかどうかの判断が最も重要なのです.本書は診断学や救急医学の成書ではありません.最前線の一次救急の現場で座右の書として皆様の実践的一助となることを願っています.


「小児科」編集委員一同

目次

1. 一次救急の基礎

一次救急における子どもの診察の基本と手順

一次救急における重症度・緊急度の評価

一次救急における子どもへの薬物投与

一次救急に必要な機器

小児二次救急医療体制

保護者へのアドバイス

2. 症状別アプローチ

発熱

嘔吐

頭痛

鼻出血

アナフィラキシー

脱水

咳・呼吸困難

喘鳴

下痢・下血

動悸

チアノーゼ

胸痛

腹痛

けいれん

一過性意識消失(失神)

発疹

黄疸

乏尿

血尿

子どもの便秘(小児排便障害)

腹部膨満

四肢痛

虐待の疑い

予防接種後の副反応

3. 一次救急でみられる主な疾患

感染症

神経疾患

呼吸器疾患

循環器疾患

消化器疾患

免疫・アレルギー

救急外来で遭遇する内分泌・代謝疾患

腎・泌尿器領域

血液・腫瘍性疾患

自傷行為と自殺企図

4. 事故・外因性原因別アプローチ

軽症頭部外傷

誤飲・誤嚥

火傷・熱傷

骨折とその疑い

溺水

墜落・転落

薬物中毒

食中毒

熱中症

咬傷・虫刺症

肘周囲の痛みや外傷

小外科(小児外来で行う創傷処置)

5. 一次救急に必要な処置

心肺蘇生

気道異物除去

心臓マッサージ

人工呼吸

二次救急を見逃さないために必要な画像診断

静脈ラインの確保と輸液の基本

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書籍情報

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