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- 病理と臨床 2022年4月号(40巻4号)副甲状腺・副腎の病理と臨床
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内容
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序文
特集:副甲状腺・副腎の病理と臨床
内分泌腫瘍は,他臓器と同様の過形成・良性腫瘍・悪性腫瘍という形態学的な分類が行われる一方,産生ホルモンの多寡による機能亢進・機能低下がある.病理組織所見と臨床症状が必ずしも一致しないため,形態学の知識のみでは病態の正確な把握は難しい.本号の特集では,副甲状腺と副腎につき病理診断と臨床診断・治療の最新の情報を解説し,病理医・臨床医の相互理解を深めたいと思う.
副甲状腺が病理検体として提出されるのは,副甲状腺機能亢進症の責任病変として腫瘤が切除されてくる場合である.疾患としては過形成,腺腫,癌にほぼ限られ種類は少ない.しかし元来が微小な臓器であることもあり,術前の局在診断はしばしば困難で,術中迅速で病変が切除されているか確認を求められることも稀ではない.また,病理診断にも観察者間の相違が無視できないほど大きいといった問題がある.そこで,まずは多数の副甲状腺症例を扱っている伊藤病院での経験をもとに鈴木章史先生に原発性副甲状腺機能亢進症の術前診断の流れにつき記載していただく.続いて川井田,亀山が,特に副甲状腺癌につき,近年各臓器で発刊されている病理報告様式 International Collaboration on CancerReporting(ICCR)を含めた病理診断の現在につき解説する.副甲状腺機能亢進症診療ガイドライン作成委員会委員長である日比八束先生には原発性副甲状腺機能亢進症の外科手術と病理診断に基づく術後管理につきご教示いただく.
本誌の特集で副腎の病理が取り上げられたのは7年前に遡る.その後2017年にWHO分類の改訂があったが,臨床的にも「高血圧診療ガイドライン2019」「褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018」などが各学会から発刊され,新たな知見が蓄積されている.これについては,まず吉田,柴田が皮質の臨床診断の最近における進歩につき概説する.次に西本紘嗣郎先生には独自に作成されたアルドステロン合成酵素に対する抗体を用いたアルドステロン産生病変の検出法や,アルドステロン産生に関する最新の病理などにつき解説いただく.笹野公伸先生と木村伯子先生にはそれぞれコルチゾール産生病変と褐色細胞腫・パラガングリオーマにつきWHO分類2017での病理診断の解説およびICCRの報告様式に加え,実際の病理診断の限界についても記載いただく.「褐色細胞腫・パラガングリオーマ診療ガイドライン2018」の委員である田辺晶代先生にはその臨床的な進歩につき解説いただく.
今回の特集が日々の副甲状腺・副腎の診療に役立つことを願っている.
亀山香織 [昭和大学横浜市北部病院 臨床病理診断科]
柴田洋孝 [大分大学医学部 内分泌代謝・膠原病・腎臓内科学]
目次
【特集】
原発性副甲状腺機能亢進症の術前診断……鈴木章史
副甲状腺腫瘍の病理―特に副甲状腺癌の報告様式について―……川井田みほ 他
原発性副甲状腺機能亢進症の外科的治療……日比八束
副腎皮質腫瘍の臨床診断の進歩……吉田雄一 他
アルドステロン産生病変の病理と遺伝子変異……西本紘嗣郎 他
コルチゾール産生病変の病理……笹野公伸 他
褐色細胞腫・パラガングリオーマの臨床診断……田辺晶代 他
褐色細胞腫・パラガングリオーマの病理……木村伯子
【連載】
マクロクイズ[156]
久保田星歩 他
鑑別の森[7]
胸腺のB3型胸腺腫と扁平上皮癌
Answer 1:立山 尚
Answer 2:江本 桂
若手病理医のためのキャリアパス講座[5]
病理から医薬品開発へ―患者にいい薬を届けよう―……村上雅人
【今月の話題】
病理学研究の発展に向けて……北川昌伸
日本病理剖検輯報とそのデータベース……宇於崎 宏
【ひろば】
病理診断報告書にみるリンパ腫診断学の基本的特性に関する誤解……中峯寛和
【Information】
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書籍情報
- ISBN:9784011204004
- ページ数:96頁
- 書籍発行日:2022年4月
- 電子版発売日:2022年4月13日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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