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- Medical Practice 2023年2月号(40巻2号) 関節リウマチと周辺疾患―アンメット・メディカル・ニーズに挑む ―
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内容
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序文
関節リウマチと周辺疾患
アンメット・メディカル・ニーズに挑む
関節リウマチの診療の現場は2000年代の生物学的製剤,2010年代の小分子標的化合物(JAK阻害薬)導入によって大きく様相が変わったと随所で指摘されている.インフリキシマブ(レミケード ®)の発売が2003年,トファシチニブ(ゼルヤンツ ®)の発売が2015年,現在では上市されているバイオシミラーも併せて生物学的製剤が11種類,JAK阻害薬が5種類日本国内で使用可能である.どこにアンメット・メディカル・ニーズがあるのだろうか?
近年,豊富になったこれらの治療選択肢のどれを選択しても思うような臨床的効果が得られない難治性関節リウマチ(difficult-to-treat RA:D2TRAと呼称される)の一群が注目されている.「難治性関節リウマチ」は複合的な要因で生じることが判明しており,真の意味で薬剤への治療抵抗性を示すケースから,併存症,さらには経済的理由によって今日的治療の恩恵を受けられないケースまでさまざまである.そして,今日的治療に至るまでの段階,例えば適切な診断の遅れ(COVID-19禍における受診控えを含む),適切な初期治療が行われない(ドクターズ・ディレイ),専門医の偏在や受診閾値の高さなど,2020年代のわが国においても「関節リウマチ診療のアンメット・メディカル・ニーズ」は厳然として存在すると言わざるを得ないのが実情である.
Medical Practice誌上で約4年ぶりとなる本特集では,関節リウマチ診療における第一線の先生方にご解説いただくことによって,関節リウマチの診断と治療のポイント並びにピットフォールがどこにあるのかについて理解しやすくすることを目指した.
ご多忙のところ本特集にご執筆いただいた先生方に心より感謝申し上げるとともに,本特集によって読者の先生方1人ひとりが(たとえ小さくても)「アンメット・メディカル・ニーズ」を埋めていただき,最終的にはわが国の関節リウマチの患者1人ひとりに大きな福音がもたらされることを祈念している.
萩野 昇
帝京大学ちば総合医療センター第三内科学講座(リウマチ)
目次
【特集】
扉……萩野 昇
座談会 関節リウマチ診療のアンメット・メディカル・ニーズに挑む
出席者:須永眞司・萩野 昇・川畑仁人・篠原 聡
総説 関節リウマチ診療の現在
病診連携を意識した関節リウマチの早期診断……玉井慎美
関節リウマチの診療ガイドライン……平田信太郎
難治性関節リウマチ─D2TRAとは何か―……井畑 淳
セミナー 関節リウマチの実地臨床に必要なトピックスのUpdate
末梢性脊椎関節炎─関節リウマチとの比較―……小野慶介ほか
関節炎をきたす諸疾患─RA mimickers―……高岸勝繁
関節リウマチにおける超音波検査の今日的立ち位置……小田修宏ほか
COVID-19禍における関節リウマチ診療……原田拓弥ほか
関節リウマチと感染症─予防・早期発見・治療―……村中清春
関節リウマチと薬剤性肺障害……瀬戸口京吾
MTX関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)……大岩 寛
関節リウマチ治療に際して得られる社会的支援……德永健一郎
関節リウマチと骨粗鬆症……花岡亮輔
トピックス
関節リウマチの免疫病態生理……庄田宏文
関節リウマチのゲノム医療の実現へ……浅原健一郎ほか
治療 原則を意識しつつ各論的に考える
関節リウマチ診療の原則……山口裕之ほか
メトトレキサート……難波大夫
生物学的製剤……陶山恭博
JAK阻害薬……髙梨敏史ほか
関節リウマチの手術療法……伊澤直広ほか
関節リウマチのリハビリテーション……大西 誠ほか
高齢者の関節リウマチ診療……久保かなえ
この症例から何を学ぶか
進行性肺線維症を合併する,活動性の高い関節リウマチ……百瀬 匡ほか
Self–assessment test
【連載】
One Point Advice
感染性咳嗽診療のコツ……宮下修行
糖尿病患者の適正体重をどう評価するか……宇都宮一典
患者からの「大丈夫」という言葉……我妻康平
子癇前症とスタチン……森田啓行
知っているようで知らない検査結果の読み方……安本篤史
潰瘍性大腸炎治療でのアザチオプリンの留意点─新薬ラッシュの今だからこそ─……本谷 聡
日常診療における腎機能の評価について……北田宗弘
好中球減少症……森 毅彦
今月の話題
DOACに対する中和剤……矢坂正弘ほか
知っておきたいこと ア・ラ・カルト
医療の世界のジェンダー・ジャスティス……伊藤たかね
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書籍情報
- ISBN:9784011304002
- ページ数:180頁
- 書籍発行日:2023年2月
- 電子版発売日:2023年1月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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