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- Medical Practice 2023年10月号(40巻10号) 不整脈~内科医として知っておきたい基本と実際
商品情報
内容
序文
特集:不整脈 内科医として知っておきたい基本と実際
歴史的に不整脈診療を見ると,1989年に発表されたCAST試験を契機として様変わりしています.考え方の基本が変化したばかりでなく,その後,その創生期に比べると著しく進歩したカテーテルアブレーション,植込み型デバイスが,不整脈患者のアウトカムを大きく改善させました.同時進行で,多数の無作為化比較試験や疫学情報の蓄積が,全世界で不整脈に関するガイドラインを進歩させています.
このような約30年間の変遷する歴史の中でも,変わらないものもあります.それは,不整脈心電図の判読です.不整脈診療の出発点でもあるのですが,自信がない研修医,一般内科医の方が多いのではないでしょうか?あるいは,古くからある抗不整脈薬も変わらないものの一つでしょう.今に至っても「抗不整脈薬は怖い」という話をよく聞きます.一方で,進歩した不整脈診療は,患者にとっては福音ですが,不整脈を専門とする医師以外にとってはますます縁遠くなりすぎた感があります.残念なことに,不整脈を発見するのは,不整脈を専門とする医師ではありません.それを見つけて,初期判断と初期診療を行うのは,多くの一般内科医です.その重要なゲートキーパーとしての役割をサポートするため,進歩した不整脈診療の重要点を,より平易な形で,多くの医師に知ってもらう必要があります.本来,診療ガイドラインはそのためのものでしたが,昨今は不整脈専門医のためのガイドラインという色彩が強くなってきました.
このような時代背景と課題意識から,本特集では,不整脈診療で変わらないもの,変わったものを,重要なポイントに絞って,わかりやすく解説しています.「不整脈って案外難しくないな」と感じ,不整脈を診たときに適切に診断し,適切に専門医に紹介できる……こんな自信が少しでも生まれたらと願ってやみません.
山下武志
心臓血管研究所付属病院 名誉所長
目次
【特集】
扉……山下武志
座談会 不整脈治療の現況─歴史は治療を標準化したか?─
出席者:伊藤敦彦・山根禎一・山下武志・須永眞司
総説 不整脈ガイドラインのポイント
不整脈薬物治療ガイドラインのポイント……岩﨑雄樹
不整脈非薬物治療ガイドライン2018・フォーカスアップデート版2021:改訂のポイント……栗田隆志
セミナー 不整脈診療のためのミニマル知識
不整脈発生のメカニズムを知る……笹野哲郎
不整脈心電図読影のツボ……永嶋孝一
その不整脈,治療介入ははたして必要か?:基本的な考え方を学ぶ―専門医へ紹介すべき患者とは―……加藤武史
抗不整脈薬の基本を知り,自家薬籠とする……志賀 剛
洞機能不全症候群,房室ブロック:ペースメーカの適応と植込みのタイミング……原田将英ほか
発作性上室頻拍のメカニズムと治療……大塚崇之
特発性心室頻拍……山形研一郎
ブルガダ心電図,症候群の基準:どの患者が危ない?……石田祐司ほか
QT時間が延長していたら……島本恵子ほか
心不全に伴う不整脈管理の考え方……髙橋尚彦
トピックス
左心耳閉鎖デバイスの現状と今後の展望……原 英彦
心房細動の早期リズムコントロール:最近のRCTが教えること……小田倉弘典
治療 代表的な不整脈治療・管理の実際
緊急に専門医への紹介を要する不整脈緊急治療の実際……野田 崇
心房細動患者における脳卒中予防の考え方と実際……渡邉隆大ほか
心房細動・心房粗動のカテーテルアブレーション……大橋拓也ほか
心室期外収縮のカテーテルアブレーション:その適応と実際……宮﨑晋介
ICD:その適応と植込み・管理の実際……矢崎義直
この症例から何を学ぶか
軽度QT延長を示し,複数回の失神を生じた一例……廣田尚美ほか
Self-assessment test
【連載】
One Point Advice
はじめて経験した腹部触診所見の一例……古田達之
全身性エリテマトーデス患者に対してステロイドは中止できるのか?……花岡洋成
術後のリハビリテーションが重要……福井寿啓
高血圧患者のアセトアミノフェン連用……森田啓行
AIを用いた上部消化管内視鏡における早期胃がんの診断支援……小澤毅士
労作時息切れは,労作時の検査で診断を……瀬尾由広
3分で知る慢性腎臓病治療20年の進歩……今井直彦
母の教え給いし病(1)……高林克日己
今月の話題
COVID-19パンデミックが1型糖尿病の新規発症に与える影響……佐野寛行ほか
知っておきたいこと ア・ラ・カルト
高齢者の潰瘍性大腸炎……穂苅量太ほか
エキスパートが教える問診の勘どころ
対話から拾い上げるコモンディジーズ
(第4回)「膝から下が腫れて痛い」……鋪野紀好
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書籍情報
- ISBN:9784011304010
- ページ数:168頁
- 書籍発行日:2023年10月
- 電子版発売日:2023年10月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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