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- Medical Practice 2024年8月号（41巻8号）水・電解質異常～いつでも起こりうる電解質異常，その時あなたは
商品情報
内容
特集テーマは「水・電解質異常～いつでも起こりうる電解質異常，その時あなたは」．記事として，［座談会］水・電解質異常を疑う時，安全かつ有効な治療とは，［総説］水・電解質異常は増加している─水・電解質異常を疑う症候・身体所見と最近のトピックス─，［セミナー］輸液療法のポイント，［トピックス］腎性尿崩症の治療薬の進展［治療］高ナトリウム血症治療の注意点．連載では，［One Point Advice］，［今月の話題］ 他を掲載．
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序文
水・電解質異常
いつでも起こりうる電解質異常，その時あなたは
水・電解質異常は臨床現場でいつでも起こりうる病態であり，診療科や専門分野に関係なくあらゆる場面で遭遇する可能性がある．患者の病歴，症状，所見から水・電解質異常を疑うケースでは，適切に検査が行われるが，患者が意識不明で病歴を詳しく聴取できない状況や食欲不振や全身倦怠感などの非特異的症状しかみられなかった場合では，そもそも水・電解質異常であることが疑われずに，数週にわたって放置されるなど，現場で適切に対応されていないケースもある．
そこで，本特集では，内科の研修医や専攻医はもちろんのこと，内科以外の専門分野を持つ医師も含めて，日常臨床で水・電解質異常に遭遇したとき，どのように対処したらよいか，病態として考えられることは何か，という基本的事項に立ち返り，さらに応用まで幅広い知識を得ることを切り口とした．そのためにそれぞれの領域の第一線で活躍されている先生方に，それぞれの病態における体液異常の診断と治療のポイントがどこにあるのかを明確にわかりやすく解説していただいた．
体液の恒常性は腎臓の働きによって維持されており，腎臓のネフロンによって調節される複雑な生理学的機構が存在する．さまざまな電解質異常の病態を理解するためには，生理学的知識の理解が不可欠である．また，近年，SGLT2阻害薬やミネラルコルチコイド受容体拮抗薬，HIF-PH阻害薬などさまざまな種類の薬が開発され，臨床応用されている．新しい薬の開発は，患者にメリットをもたらすが，それと同時に起こりうるさまざまな合併症やリスクに関する知識も常にアップデートされる必要がある．本特集はそうした新規治療薬の知見とリスクについてもカバーできたと自負している．刻々と時代が進化し，医療が進歩する中で，水・電解質異常という最も診療の基本となる分野について改めて基礎知識を整理し，さまざまな水・電解質異常に遭遇したときに，どうすべきか？，その答えを読者とともに見つけていきたい．
ご多忙のところ，本特集にご執筆いただいた先生方に心より感謝申し上げます．本特集によって読者の先生方が水・電解質異常を正しく理解し，日々の臨床に生かし，患者のアウトカムの向上につながれば幸いです．
三村維真理
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科
目次
【特集】
扉……三村維真理
座談会 水・電解質異常を疑う時，安全かつ有効な治療とは
出席者：本西秀太・本田謙次郎・三村維真理・山内敏正
総説 日常診療における電解質異常の病態と鑑別診断
水・電解質異常は増加している─水・電解質異常を疑う症候・身体所見と最近のトピックス─……杉本俊郎
ナトリウム代謝異常の病態と鑑別診断……村島美穂ほか
カリウム代謝異常の病態と鑑別診断……藤兼正人ほか
セミナー 水・電解質異常への具体的なアプローチUpdate
輸液療法のポイント……和田健彦
血液ガス検査値の解釈と注意点……菅原真衣
カルシウム/リン代謝異常の病態と鑑別……木村聡一郎ほか
マグネシウムの管理……今井直彦
代謝性アシドーシスの原因と治療……坂口悠介
浸透圧変化が引き起こす病態，原因と治療法について……泉 裕一郎
遺伝子異常による電解質異常……寺川可那子ほか
摂食障害と水・電解質異常……鳥羽宏司ほか
がん患者における水・電解質異常……石井太祐
小児患者にみられる水・電解質異常……梶保祐子
SGLT2阻害薬による電解質への影響……平川陽亮
トピックス
腎性尿崩症の治療薬の進展……原 悠ほか
宇宙旅行における腎臓の役割─うちゅうじん研究からわかったこと─……鈴木教郎
治療 日常診療の注意と電解質補正の要点
高ナトリウム血症治療の注意点……志水英明
低ナトリウム血症治療の注意点……間中勝則
高カリウム血症の治療と注意点……松浦 亮
低カリウム血症治療の注意点……串田夏樹
高カルシウム血症治療の注意点……副田圭祐ほか
この症例から何を学ぶか
大腸全摘術後，イレウスを契機に低ナトリウム血症，高カリウム血症をきたした一例……山田はるかほか
Self-assessment test
【連載】
One Point Advice
感染性心内膜炎……三河貴裕
新しい痙縮のコントロール方法……安保雅博
見逃さない・見つけ出す・放置しない，そして繋げる……川手信行
認知症新薬登場がもたらすもの……飯塚友道
しびれの診療における問診のコツ……桑原 基
今後の創薬の展望……窪田直人
知らない病気は診断できない─CAEBV─……狩野俊和
嚥下機能評価の入り口……井口はるひ
今月の話題
肥満症治療薬……長尾博文ほか
知っておきたいこと ア・ラ・カルト
漢方薬による腸間膜静脈硬化症……福原誠一郎
エキスパートが教える問診の勘どころ
対話から拾い上げるコモンディジーズ
（第14回）「寝ても疲れが取れないんです」……田島寛之
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書籍情報
- ISBN：9784011304108
- ページ数：164頁
- 書籍発行日：2024年7月
- 電子版発売日：2024年7月29日
- 判：B5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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