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WHOガイドライン 成人・青年における薬物療法・放射線治療によるがん疼痛マネジメント

  • ページ数 : 132頁
  • 書籍発行日 : 2021年3月
  • 電子版発売日 : 2021年4月9日
2,640
(税込)
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商品情報

内容

「WHOがん疼痛ガイドライン」の最新翻訳版が刊行!

WHOが2018年に公表した“WHO Guidelines for the Pharmacological and Radiotherapeutic Management of Cancer Pain in Adults and Adolescents”の翻訳版。
緩和ケアに携わる医療者ならば誰もが知る「がんの痛みからの解放(Cancer Pain Relief)」(1986年)の後継にあたるガイドラインがいよいよ日本語版として刊行された。専門家の報告に基づいて作成された前書までとは異なり、新しいガイドラインはエビデンスに基づく標準的な手法で作成されている。また、これまで重視されてきた「三段階鎮痛ラダー」はANNEXに移動し、教育ツールの一つという位置づけになった。

※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文

監訳者序文

本書は、世界保健機関(WHO)が 1986年に出版した『がんの痛みからの解放』、1996年に出版された改訂第2版以来、22年ぶりの大幅な改訂が行われて2018年に出版された「WHOのがん疼痛ガイドライン」の日本語版である。WHOのがん疼痛ガイドラインは日本におけるがん疼痛治療の道しるべとなり、わが国のがん疼痛治療、緩和医療の普及とその質の向上に大きな貢献をしてきた。今回の改訂では以下に特徴づけられる大きな改訂がなされている。1.エビデンス重視の姿勢が取られていること(メタアナリシス、ネットワークメタアナリシスに基づいて推奨が行われている)2.エビデンスと世界の国々への実装可能性とのバランスを考えた推奨が行われていること(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの概念に基づいて、世界中の人々が利用できることを重要視している;例)価格に見合うだけの効果がない、高価な薬は推奨しない)3.エビデンスが十分でない領域においては、専門家会議の結果を加味して、推奨ではなく「ベスト・プラクティス・ステートメント」が出されていること(逆に言うと、エビデンスがないから何も推奨しないではなく、現在取り得る最善の手立てが示されている)4.オピオイド危機についても言及したうえで、オピオイド鎮痛薬の中止の項目が追加されたこと5.GABA誘導体については、製薬会社に不正があったことからシステマティックレビューの結果が記載されず、推奨などが行われなかったこと6.放射線治療についての項目が追加されたこと日本語版の編集にあたっては、以下のことに留意した。1.日本緩和医療薬学会、ならびに日本緩和医療学会会員有志の協力を得て、項目に応じてそれぞれの専門家が翻訳にあたること2.なるべく若手に翻訳・編集に関与してもらうことで、緩和ケアの普及を世界の視点で捉える機会を提供し、次回の改訂に備えること

このガイドラインが、わが国のがん疼痛緩和のさらなる普及と発展に寄与するばかりでなく、アジアをはじめとする緩和ケアがまだ十分に提供されていない地域での緩和ケアの実践につながり、人々のQOLの向上に役立てば、編著者一同最大の喜びである。


2021年2月

神戸大学医学部附属病院 緩和支持治療科 特命教授 木澤 義之
聖隷横浜病院 薬剤部 部長 塩川 満
湘南医療大学 薬学部長 鈴木 勉

目次

エグゼクティブサマリー

推奨のサマリー

1.はじめに

2.本ガイドラインの目的と対象

3.ガイドラインの論点

4.ガイドラインで用いられた手法

5.がん疼痛マネジメントの基本指針

5.1.痛みの最適なマネジメントの目標は、許容できるレベルまで痛みを軽減し QOL を維持できるようにすること

5.2.患者の全体的な評価が治療の指針となるべきであり、人によって痛みの感じ方や表現の仕方が違うことを理解する

5.3.患者、介護者、医療従事者、地域社会、社会の安全を確保する

5.4.がん疼痛のマネジメント計画には薬物療法が含まれ、心理社会的およびスピリチュアルなケアが含まれることもある

5.5.オピオイドを含む鎮痛薬は入手可能かつ安価でなければならない

5.6.鎮痛薬の投与は「経口で」「時間を決めて」「患者ごとに」「そのうえで細かい配慮を」

5.7.がん疼痛マネジメントはがん治療の一部として統合されるべきである

6.成人・青年における薬物療法・放射線治療によるがん疼痛マネジメントのための推奨事項

6.1.疼痛緩和の開始

6.2.疼痛緩和の維持

6.2.1.オピオイド鎮痛薬の選択

6.2.2.突出痛の治療

6.2.3.オピオイドスイッチングまたはオピオイドローテーション

6.2.4.モルヒネ速放性製剤と徐放性製剤の選択

6.2.5.オピオイド鎮痛薬の投与経路

6.3.オピオイド鎮痛薬の中止

6.4.がん疼痛マネジメントのための鎮痛補助薬

6.4.1.コルチコステロイド

6.4.2.抗うつ薬

6.4.3.抗けいれん薬

6.5.骨転移による痛みのマネジメント

6.5.1.ビスホスホネート

6.5.2.モノクローナル抗体

6.5.3.ビスホスホネートとモノクローナル抗体の比較

6.5.4.放射線治療における単回照射と分割照射の比較

6.5.5.骨転移による痛みに対するラジオアイソトープ

7.研究課題

ガイドライン作成者の利益相反

資金源

文献

ANNEX1.痛みの評価

1.BRIEF PAIN INVENTORY(BPI)

2.CRITICAL-CARE PAIN OBSERVATION TOOL(CPOT)

3.PAIN ASSESSMENT IN ADVANCED DEMENTIA tool(PAINAD)

4.INTEGRATED PALLIATIVE CARE OUTCOME SCALE(IPOS)

文献

ANNEX2.システマティックレビューおよびガイドラインの作成方法

1.エビデンスの収集および評価:方法

検索方法

研究の質的な評価およびレビューの統合方法

2.推奨を支持するエビデンス:方法

合意の形成と不合意の解決に採用されるグループプロセス

エビデンスの質および方向性に関する評価

価値観と好みに関する評価方法、受容性、実装可能性、公平性

資源を検討する方法

推奨の強さおよびエビデンスの質に関する考察

文献

ANNEX3.システマティックレビューエビデンスのプロファイルとエビデンステーブル

ANNEX4.ガイドライン作成の背景および作成者の経歴に関する詳細

システマティックレビューを行った臨床疑問の PICO

ピアレビュー

ガイドラインの見直しと改訂の計画

ガイドラインの普及とその影響を評価する計画

派生する制作物

ガイドラインの導入、普及、評価

ガイドラインの出版に携わった関係者

システマティックレビューチーム

ネットワークメタアナリシスチーム

GRADE 方法論者

外部オブザーバー

WHO ガイドライン統括委員会

ガイドライン作成グループ(GDG):経歴と利益相反の開示

外部評価グループ:経歴と利益相反の開示

利益相反の管理方法

ANNEX5.オピオイド鎮痛薬と国際条約

国連の薬物条約とそのガバナンスシステム

麻薬に関する単一条約およびオピオイド鎮痛薬

薬物誤用と患者のニーズ

国際麻薬取締条約に基づく管轄国当局

オピオイドの医学的必要性の全国推定に関する条約の要件

信頼できる推定の重要性

強オピオイド鎮痛薬の国内製造

強オピオイド鎮痛薬の輸入/輸出システム

輸入/輸出の許可証および確認書の必要事項

オピオイドの輸出、輸入および消費に関する報告システム

強オピオイドの流通

オピオイド鎮痛薬の処方および調剤のための通常の要件

人生のすべての段階における包括的ケアの構成要素としての緩和ケアの強化に関する世界保健機関決議 67.19(2014)

文献

ANNEX6.薬理学的特徴とオピオイド換算表

I.薬理学的特徴

1.アスピリン

2.コデインリン酸塩

3.フェンタニル

4.ヒドロモルフォン

5.イブプロフェン

6.メサドン

7.モルヒネ

8.ナロキソン

9.オキシコドン

10.アセトアミノフェン(パラセタモール)

II.典型的開始用量

III.オピオイド換算表

IV.オピオイドの中止

文献

ANNEX7.エビデンスのネットワークメタアナリシス:がん疼痛・突出痛管理(治療)の開始と維持のための鎮痛薬の比較

ANNEX8.用語集

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書籍情報

  • ISBN:9784307102100
  • ページ数:132頁
  • 書籍発行日:2021年3月
  • 電子版発売日:2021年4月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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