- m3.com 電子書籍
- 産婦人科内視鏡手術ガイドライン 2024年版
産婦人科内視鏡手術ガイドライン 2024年版
日本産科婦人科内視鏡学会 (編) / 金原出版
商品情報
内容
「帝王切開瘢痕症」「遺伝的素因を有する卵巣がん未発症者」「再発婦人科がん」「組織切除回収法」などに関するCQが追加された必読の一冊。
序文
2024 年版序文
産婦人科内視鏡手術ガイドラインは2006年に初版が発刊されてから18年が経過し,この度第4版にあたる2024年版が上梓されることになりました。この間,婦人科内視鏡手術は良性から悪性まで適応が拡がり,ロボット支援手術が普及するなど急速に発展してまいりました。我が国における腹腔鏡手術,ロボット支援手術と子宮鏡手術の健全なる発展に,本ガイドラインが大いに寄与してきたことは言うまでもありません。
前版である2019年版からのこの5年間に婦人科内視鏡手術を取り巻く状況で大きく変化したのは,技術認定医の増加です。2024年7月時点で技術認定医の割合は腹腔鏡手術だけで全会員の28%に達しています。そして新たにロボット手術技術認定医も269 名に上っているなど,我が国の婦人科内視鏡外科医の技術は全体的に向上しております。そこで,国民がより高いレベルで安全で治療効果の高い内視鏡手術を享受できるよう,2024年版では技術認定医もしくは同等の技量を持った医師が内視鏡手術を行うことを前提として,作成することと致しました。また,ガイドラインの役割のひとつに,新規術式の妥当性,安全性の情報提供があります。とりわけ,様々な術式におけるロボット支援手術に対する検討は,我が国における新規導入・発展において欠かせません。そこで本ガイドラインでは,現時点で保険収載されていなくとも世界的にみて高いエビデンスを有する術式は,推奨度も付けて記載しています。
推奨度については,前版同様GRADE システムを採用しました。これはアウトカムを主体としてエビデンスの質を評価し,それに益と不利益,患者の価値観や希望,医療資源の活用状況を勘案して推奨度を決定するもので,エビデンスのみだと反映されにくい我が国の手術治療の現状に即したガイドラインの作成に有用なシステムです。今回もMinds 診療ガイドライン作成マニュアル2020 作成委員であり日本医療機能評価機構客員研究主幹,国際医療福祉大学消化器外科学教室教授の吉田雅博先生にご指導を仰ぎました。この場を借りて深甚なる感謝を申し上げます。
本ガイドラインが我が国の医療現場における医師の判断基準となるのみならず,治療成績や合併症についての患者さんと家族の理解に役立ち,医療を提供する側と受療する側の相互信頼が深まることを期待します。そして安全性,低侵襲性,根治性,経済性に優れた内視鏡手術の標準化・普遍化を通じて,国民の健康増進に寄与するものとなることを願っております。
最後になりましたが,多忙な日常診療,教育,研究活動の中でガイドライン作成に献身的に従事して頂いた作成委員会,評価委員会と作成委員の皆様に心から御礼申し上げます。
2024年7月
日本産科婦人科内視鏡学会ガイドライン委員会
委員長 明樂 重夫
目次
《腹腔鏡・ロボット支援手術編》
腹腔鏡・ロボット支援手術 総論
BQ1 開腹手術と比較して、腹腔鏡手術およびロボット支援手術における麻酔管理の留意点は?
BQ2 開腹手術と比較して、腹腔鏡手術およびロボット支援手術における体位の留意点は?
BQ3 高齢者に対して、腹腔鏡手術は他の術式と比較して低侵襲で安全か?
BQ4 肥満症例(BMI 30以上)に対して、腹腔鏡手術は開腹手術と比較して低侵襲で安全か?
BQ5 妊娠症例に対して腹腔鏡手術のメリットと留意点は?
BQ6 ロボット支援手術は腹腔鏡手術と比較して優れているか?
良性疾患
良性疾患 序論
第1章 良性卵巣腫瘍
CQ1 良性卵巣腫瘍に対して腹腔鏡手術は推奨されるか?
第2章 不妊症
CQ2 原因不明不妊に対して、腹腔鏡手術は推奨されるか?
CQ3 卵管性不妊症に対して、腹腔鏡下卵管形成術は推奨されるか?
CQ4 卵管留水症に対して腹腔鏡下卵管切除術は推奨されるか?
CQ5 多嚢胞性卵巣症候群に対して、腹腔鏡下卵巣開孔術は推奨されるか?
第3章 子宮内膜症
CQ6 卵巣子宮内膜症性嚢胞に対して、腹腔鏡手術は推奨されるか?
CQ7 子宮内膜症性腹膜病変に対して、腹腔鏡下に病変の切除・焼灼を行うことは推奨されるか?
CQ8 ダグラス窩深部子宮内膜症に対して、腹腔鏡手術は有用か?
CQ9 腸管・尿路子宮内膜症に対して、腹腔鏡手術は推奨されるか?
第4章 異所性妊娠
CQ10 卵管妊娠に対して、腹腔鏡手術は推奨されるか?
CQ11 卵管妊娠に対して、腹腔鏡下卵管保存手術は推奨されるか?
CQ12 間質部妊娠に対して、腹腔鏡下子宮温存術は推奨されるか?
コラム1 帝王切開瘢痕部妊娠に対しての内視鏡手術の適応は?
第5章 子宮筋腫 1. 単純子宮全摘出術
CQ13 子宮筋腫に対して、腹腔鏡下単純子宮全摘出術は推奨されるか?
コラム2 良性疾患手術時の追加卵管切除(OBS)による卵巣がん発症予防について
第6章 子宮筋腫 2. 筋腫核出術
CQ14 子宮筋腫に対して、腹腔鏡下子宮筋腫核出術は推奨されるか?
コラム3 術前GnRHアナログ(アゴニスト、アンタゴニスト)の使用は?
コラム4 子宮および筋腫に対するモルセレーターの使用は?
コラム5 子宮腺筋症に対する保存的手術について
第7章 骨盤臓器脱(腹腔鏡下仙骨腟固定術)
CQ15 骨盤臓器脱に対して腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)は推奨できるか?
第8章 先天性腟欠損症
CQ16 先天性腟欠損症に対する造腟術で腹腔鏡手術は推奨されるか?
第9章 帝王切開瘢痕症
CQ17 帝王切開瘢痕症に対する内視鏡手術は推奨されるか?
第10章 ロボット支援手術
CQ18 良性子宮疾患に対して、ロボット支援下単純子宮全摘出術は推奨されるか?
CQ19 ロボット支援下仙骨腟固定術は推奨されるか?
コラム6 ロボット支援下子宮筋腫核出術は有用か?
悪性疾患
悪性疾患 序論
BQ7 婦人科悪性腫瘍手術に対する腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)において子宮マニピュレーターの使用は勧められるか?
BQ8 子宮悪性腫瘍に対する腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)は開腹手術と比較して、周術期合併症が少ない手術と考えられるか?
第11章 子宮頸がん
CQ20 HSIL/CIN3、AISに対して、腹腔鏡下単純子宮全摘出術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ21 IA1期に対して腹腔鏡下単純子宮全摘出術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ22 IA2, IB1, IB2, IIA1期(日産婦2020, FIGO 2018)に対して、腹腔鏡下広汎子宮全摘出術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ23 IB3期以上の子宮頸がんに対する腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)での傍大動脈リンパ節切除は勧められるか?
FRQ1 IB3, IIA2, IIB期に対する腹腔鏡下根治術(ロボット支援手術を含む)は腹式広汎子宮全摘出術と比べて勧められるか?
第12章 子宮体がん
CQ24 子宮内膜異型増殖症に対して腹腔鏡下単純子宮全摘出術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ25 再発低リスクと推定される子宮体がんに対して腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ26 再発中・高リスクと推定される子宮体がんに対して腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ27 進行子宮体がんに対して腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
第13章 卵巣がん
CQ28 卵巣上皮性境界悪性腫瘍が疑われる症例に対して、腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ29 早期卵巣がんに対して腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ30 術前に良性腫瘍の診断で手術施行し、術後に卵巣がんの診断を受けた症例に対して腹腔鏡手術(ロボット支援手術を含む)での追加手術は勧められるか?
CQ31 進行卵巣がんに対して審査腹腔鏡手術は勧められるか?
CQ32 進行卵巣がんに対して腹腔鏡下腫瘍減量手術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
CQ33 遺伝的素因を有する卵巣がん未発症者に対して腹腔鏡下リスク低減卵管卵巣摘出術は勧められるか?
第14章 再発婦人科がん
CQ34 再発婦人科がんに対して腹腔鏡下腫瘍減量手術(ロボット支援手術を含む)は勧められるか?
《子宮鏡手術編》
子宮鏡手術 総論
BQ9 子宮腔病変の検索方法は?
BQ10 子宮鏡手術の合併症は?
BQ11 合併症の予防法は?
BQ12 術後の子宮腔癒着予防に対して、セカンドルック子宮鏡は有用か?
BQ13 手術機器の違いによる手術成績の差は?
BQ14 着床不全症例における子宮鏡検査の意義は?
第1章 子宮粘膜下筋腫
CQ35 子宮粘膜下筋腫に対して、子宮鏡手術は推奨されるか?
第2章 子宮内膜ポリープ
CQ36 子宮内膜ポリープに対して、子宮鏡手術は推奨されるか?
第3章 中隔子宮
CQ37 中隔子宮に対して、子宮鏡手術は推奨されるか?
第4章 子宮腔癒着症
CQ38 有症候性子宮腔癒着症に対して、子宮鏡手術は推奨されるか?
第5章 子宮腔内悪性腫瘍
CQ39 子宮腔内悪性腫瘍に対する子宮鏡検査の意義は?
第6章 手術機器
CQ40 子宮腔病変に対して組織切除回収法は推奨されるか?
FRQ2 自動灌流システムを用いた子宮鏡手術は推奨されるか?
コラム7 オフィス子宮鏡手術の適応と使用機器の選択は?
2013年版の発刊にあたって
2013年版序文
2019年版の発刊にあたって
2019年版序文
索引
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:13.0MB以上(インストール時:47.7MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:51.8MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:13.0MB以上(インストール時:47.7MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:51.8MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784307301572
- ページ数:256頁
- 書籍発行日:2024年9月
- 電子版発売日:2024年9月12日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。