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- ぶどう膜炎を斬る!〈専門医のための眼科診療クオリファイ13〉
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内容
>専門医のための眼科診療クオリファイ シリーズ
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序文
序
ぶどう膜は虹彩・毛様体・脈絡膜の総称である.昔の解剖学者が,強膜をていねいに剝がしたちょうどその裏側に濃紫色の組織が出てきたことから“ぶどう膜” と命名したといわれている.ぶどう膜は,全体を通してみると,確かにつながった1 枚の“被膜” となっている.眼球内での占有体積はわずかであるが,コンパクトな部分に豊富な量の血液が流れている.この“血流が多い,血管密度が高い” という性格から,膠原病・自己免疫疾患,感染症,癌などさまざまな要因でぶどう膜を介して眼内炎症が惹起される.ひと口に“ぶどう膜炎” といっても,単にぶどう膜の炎症のみを指すのではなく,実際はほぼ眼球全体の炎症の総称ともいえる.その意味で,広く眼全体の炎症状態を代表する呼び名として,ぶどう膜炎のことを“内眼炎” と呼ぶこともある.
「ぶどう膜炎は,とっつきにくい」という声をよく聞く.具体的には,「診断がつかないことが多くて,自信をもって患者さんに説明できない」,「治療といえば,結局ステロイドしかないのではないか」,「ステロイドを投与しても治らないこともあるし,よくなってもすぐ再発するので困る」などがある.本巻は,そんな苦手意識をもつ医療者の立場に立って,診療の手順に沿ってわかりやすく解説することに主眼をおいた.
診察のポイント,鑑別診断の手順,必要かつ最低限の検査,治療法の選択,開発中の新しい治療法.本巻では,このような視点から,現時点で最高の執筆陣が最新情報をわかりやすく解説している.本巻が,読者のぶどう膜炎診療の役にたつことを願っている.
2012年7月
山口大学大学院医学系研究科眼科学分野/教授
園田 康平
目次
1 ぶどう膜炎の疫学
2 所見から診るぶどう膜炎
肉芽腫性炎症と非肉芽腫性炎症
前房浸潤細胞,角膜後面沈着物の種類と鑑別
虹彩結節・隅角結節・虹彩癒着の種類と鑑別
前房蓄膿の鑑別診断
硝子体混濁の鑑別診断
網膜視神経炎の鑑別疾患
網膜血管炎・滲出斑の鑑別診断
滲出性網膜?離の鑑別診断
脈絡膜?離の鑑別診断
3 検査
細隙灯所見のとらえ方
眼底所見のとらえ方
眼底検査/造影検査,OCT,MP—1
眼内液検査
レーザーフレアセルメーターの使い方
病理検査
発展するPCR 検査,網羅的診断法
4 治療
適正な副腎皮質ステロイド全身投与法
副腎皮質ステロイド局所投与法バリエーション
免疫抑制薬の現状と今後の可能性
分子標的治療薬とぶどう膜炎治療
非ステロイド性抗炎症薬の可能性
ぶどう膜炎を併発した白内障手術
ぶどう膜炎における緑内障手術
ぶどう膜炎における硝子体手術
5 感染性(外因性)ぶどう膜炎
結核
梅毒
HTLV—1関連ぶどう膜炎
ウイルス性虹彩毛様体炎
ウイルス性網脈絡膜炎
眼トキソプラズマ症
眼トキソカラ症,猫ひっかき病
内因性転移性眼内炎
眼日和見感染症
6 内因性ぶどう膜炎
サルコイドーシス
Vogt−小柳−原田病
Behcet病
Fuchs 虹彩異色性虹彩毛様体炎
Posner?Schlossman症候群
急性前部ぶどう膜炎 肱岡邦明 234
炎症性腸疾患に伴うぶどう膜炎
皮膚疾患に伴うぶどう膜炎
糖尿病に伴うぶどう膜炎
小児のぶどう膜炎
7 特殊なぶどう膜炎
仮面症候群
水晶体起因性ぶどう膜炎
交感性眼炎
8 ぶどう膜炎研究
実験的ぶどう膜炎による基礎研究:過去,現在,そして未来へ
自己炎症症候群とぶどう膜炎
新しいドラッグデリバリーシステムと抗炎症治療
ぶどう膜炎と自然免疫
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書籍情報
- ISBN:9784521734712
- ページ数:336頁
- 書籍発行日:2012年8月
- 電子版発売日:2020年11月20日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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