解剖学講義 第3版

  • ページ数 : 853頁
  • 書籍発行日 : 2012年4月
  • 電子版発売日 : 2022年1月21日
12,100
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商品情報

内容

1983年発刊以来,定評のある教科書.約10年ぶりの改訂3版では,シンプルなタッチは生かし,全面的に図を描き直した.また,新しく図を追加して理解を助けるように努力した.解剖学との繋がりをイメージしやすくするため,発生学や生理学,臨床的な関連事項は色文字でサイド解説した.多くの読者の声を参考にして出来た実績のある解剖学教科書.

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序文

序文

このたび解剖学講義をリニューアルして皆様にお届けできたことは,私の大きな喜びです.長い間お待たせいたしました.改訂2 版が出てからすでに10 年が経過し,この間に,生きている人間の身体のなかを画像化して診断に用いることが当たり前の時代になりました.体内を画像化する科学技術の進歩によって,解剖学の臨床の場における重要性はさらに高まったといえます.

この本は,医学生,医療系の学生,医師,医療系のさまざまな職種の方々に読んでいただきたいと思っています.また,解剖学を教える立場にいらっしゃる先生にも,参考にしていただけたら幸いです.

初版が出てから,もうすぐ30 年が経とうとしています.それにもかかわらず伊藤隆先生の「初版の序」と,飯島宗一先生の「推薦の序」は,いま読み返しても全く色褪せていません.ぜひ伊藤先生,飯島先生の序文もご一読ください.

伊藤先生が解剖学講義を執筆されていた頃,「肉眼解剖学ほど面白いものはないよ.肉眼解剖学を勉強していると楽しくてたまらない,ずっとしていたい気分だ」と,伊藤先生は目を輝かせ,満面笑顔で私によく話しをされました.だから読んでいて面白いし,ためになるのです.私も初版を読んで,すっかり本の虜になった一人です.

伊藤先生が亡くなられた後を引き継いで改訂者になった私の許へ,読者から次々にお礼の手紙が届きました.そこには「解剖学講義のおかげで,解剖学が好きになりました」「解剖学講義があって大いに助けられました」「このような良い本を出してくれて本当にありがとう」などの言葉が綴られていました.また,質問をくださる方も,この本が自分の勉強に大いに役立っていることを常に書き添えてくださいました.私はここまで読者に愛されている解剖学の本の改訂者になったことに身が引き締まる思いがいたしました.この改訂では,その魅力を維持し,さらにグレードアップしたと思っておりますが,いかがでしょうか.

私は身近にいらっしゃる方々にも大いに助けていただきました.北海道大学医学研究科腫瘍病理学分野大学院生の高橋健太さんには特にお世話になりました.高橋さんは解剖学と臨床医学との結び付きについて4 年間,勉強会を通して強力に助けてくださいました.また,旭川医科大学名誉教授の松嶋少二先生は,役に立つのであれば喜んでと,神経学の講義のために作られたご自分の手書きのノートを段ボールに詰めてすべて送ってくださいました.日本医科大学名誉教授の山下和雄先生は一般的な解剖書に載っている誤った記述について,根拠を示して丁寧に教えてくださいました.これらは今回の改訂時に大変役立ったことを述べてここにお礼申し上げます.なお,両名誉教授は伊藤隆先生の教え子でもありました.また,千葉大学名誉教授の永野俊雄先生は,解剖学と臨床医学との新しい接点を教えてくださいました.伊藤隆夫人の玲子様からは折に触れて激励の言葉をいただきました.ほかにも北海道大学内外に応援してくださった方が多数いらっしゃいます.皆様の温かい励ましがあったおかげで,改訂の仕事を楽しく最後までやり遂げることができました.応援してくださった方々に深く感謝申し上げます.

3 版に改訂するにあたり,多くの読者のために少しでも役立つ解剖学教科書をめざしました.まず,解剖学用語と臨床医学用語については解剖学用語集や医学用語辞典などを参考に,汎用性のある用語を積極的に取り入れ,そのような用語の英語は頭文字を大文字で表しました.また,定評のあるシンプルな解剖図は,さらに理解しやすいように描き直しました.必要に応じて追加した図も数多くあります.中枢神経系のところは神経学の発展を踏まえて,内容の一部を新しくしました.この本は解剖学の教科書ですが,これから学ぶ臨床医学との関連性をぜひ知ってもらいたいので,これは色文字にして本文とは区別し,簡単に触れました.

南山堂編集部の齋藤代助さんとは,10 年以上,よりよい教科書にするために,折に触れて相談させていただきました.また,改訂3 版の原稿が本の形になるまで,南山堂編集部はじめ多くの制作スタッフの方々には大変お世話になりました.ここまで立派な本にしてくださったことへ,謝意と敬意を表します.

解剖学講義が今後もひきつづき読者に愛されて,永く読まれていきますように.


2012年2月

札幌にて 高野廣子

目次

第1章 解剖学総論

Ⅰ.解剖学記載上のきまり

Ⅱ.人体の部位

Ⅲ.骨格系

Ⅳ.筋 系

Ⅴ.脈管系

Ⅵ.神経系

Ⅶ.内 臓

Ⅷ.感覚器

Ⅸ.皮膚(外皮)

第2章 上 肢

Ⅰ.上肢の骨

Ⅱ.上肢骨の連結(関節)

Ⅲ.上肢の筋

Ⅳ.上肢の脈管

Ⅴ.上肢の神経

第3章 下 肢

Ⅰ.下肢の骨

Ⅱ.下肢骨の連結

Ⅲ.下肢の筋

Ⅳ.下肢の脈管

Ⅴ.下肢の神経

第4章 背 部

Ⅰ.骨 格

Ⅱ.背部の筋

Ⅲ.背部の脈管・神経

第5章 胸 部

Ⅰ.胸 壁

Ⅱ.胸腔の臓器

Ⅲ.胸腔の脈管・神経

第6章 腹 部

Ⅰ.腹部の区画

Ⅱ.腹 壁

Ⅲ.腹腔の臓器

Ⅳ.腹腔の脈管・神経

第7章 骨盤部

Ⅰ.骨 格

Ⅱ.骨盤の臓器

Ⅲ.骨盤底・会陰・外生殖器

Ⅳ.骨盤部の脈管・神経

第8章 頭頚部

Ⅰ.頭頚部の骨格

Ⅱ.頭頚部の筋

Ⅲ.頭頚部の主要な器官

Ⅳ.頭頚部の脈管・神経

第9章 中枢神経系

Ⅰ.脊 髄

Ⅱ.脳

Ⅲ.中枢神経系の伝導路

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書籍情報

  • ISBN:9784525100537
  • ページ数:853頁
  • 書籍発行日:2012年4月
  • 電子版発売日:2022年1月21日
  • 判:四六変判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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