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血管内皮機能を診る 循環器疾病管理に生かす評価と実際

  • ページ数 : 90頁
  • 書籍発行日 : 2015年1月
  • 電子版発売日 : 2019年6月19日
3,080
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商品情報

内容

基礎に始まり臨床的な応用に至るまで幅広く網羅!

動脈硬化の初期段階や心不全,糖尿病など幅広い病態で血管内皮機能の低下が起こる.血管内皮機能測定は,さまざまな循環器疾患においてその予後判定指標および効果判定指標として有用と考えられている.循環器予防医学における血管内皮機能検査の位置付けとこれまでのエビデンスをまとめ,明日からの臨床にどう活用できるかを解説した一冊.

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序文

血管の健やかさを診るうえで,血管内皮機能の状態を評価することは不可欠である.なぜならば,良好な血管内皮機能は生体の健やかさを示すことが明らかになっており,何らかの原因による血管内皮機能不全は,すなわち個体の不健全さの象徴であると考えられているからである.

血管内皮機能の低下は動脈硬化の初期段階で起こり,運動や減量,薬物療法などのさまざまな効果的介入により鋭敏に改善する.このため,血管内皮機能は従来の冠危険因子とは独立した心血管イベント発症の優れた予後判定指標であるとともに,種々の介入による効果判定指標としても有用である.

非侵襲的により早期の血管機能異常を検出する検査としては,従来から超音波を用いた上腕動脈での血流依存性血管拡張反応(flow?mediated dilation:FMD)が行われ,多くのエビデンスが蓄積されている.また,新たに登場した指尖容積脈波を用いた反応性充血による血管内皮機能指数(reactive hyperemia?peripheral arterial tonometry index:RH?PAT index)は,その簡便さから一次予防におけるスクリーニング検査や,心臓二次予防領域における介入の効果判定指標としての役割が期待されている.

本書では,プライマリケアを担当する医師をはじめ,循環器専門医,循環器疾病管理を担う内科医,健診・人間ドックに関わる健診担当医,臨床疫学研究者などを対象とし,血管内皮機能の基礎知識と最新の臨床知見の提供を目的としている.本書が,循環器予防医学における血管内皮機能検査の位置付けを明らかにし,明日からの臨床にどう生かすべきかの手掛かりの1つとなれば幸いである.

最後に,本書の発刊にあたりご指導ご協力を賜った多くの方々に感謝申し上げるとともに,格別にご尽力をいただいた南山堂の秡川 亮氏に心よりお礼を申し上げたい.


2014年11月

胃北里大学医療衛生学部 准教授
東條 美奈子

目次

第1章 血管内皮機能総論

1.血管内皮細胞の役割

2.血管内皮機能異常が起こるメカニズム

3.血管内皮機能異常が反映するもの

4.血管内皮機能測定の臨床

5.血管内皮機能障害から動脈硬化発症へ

6.冠攣縮性狭心症の原因としての血管内皮機能異常

7.今,なぜ血管内皮機能が注目されているのか?

8.循環器予防医学における血管内皮機能の位置付け

第2章 血管内皮機能測定法

1.プレチスモグラフィ

2.血管超音波検査機器を用いたFMD

3.FMDの代用になり得るABI軽度異常値

4.指尖脈波を用いたRH-PAT

5.FMDとRH-PATの違い

6.前腕駆血と上腕駆血

7.血管内皮機能を反映するバイオマーカー

8.冠動脈の血管内皮機能

第3章 血管内皮機能測定によって得られる情報

1.スクリーニング検査としての血管内皮機能測定

2.動脈硬化進展評価指標としての血管内皮機能測定

3.冠動脈疾患の予知と予後予測

4.冠攣縮性狭心症の診断

5.心臓微小血管障害における診断と治療効果判定

6.深部静脈血栓症のスクリーニング

7.末梢動脈疾患における予後予測

第4章 血管内皮機能異常による疾病発症のメカニズム

1.一酸化窒素

2.炎症

3.酸化ストレス

4.自律神経

第5章 血管内皮機能のエビデンス

1.血管内皮機能に関する基礎研究

2.血管内皮機能に関する臨床研究

第6章 心血管病と血管内皮機能に関わる因子

1.冠動脈疾患の家族歴

2.減塩

3.喫煙

4.高血圧

5.糖尿病・糖代謝異常

6.脂質異常症

7.高尿酸血症

8.CKD

9.肥満・メタボリックシンドローム

10.睡眠時無呼吸症候群

11.運動・身体活動

12.加齢と性別

13.不整脈

14.動脈硬化性疾患

15.静脈血栓塞栓症

16.心不全

17.肺高血圧

18.血行動態

19.うつ病

20.ビタミン・ミネラル

21.不飽和脂肪酸

第7章 臨床現場での血管内皮機能活用の実際

1.肥満患者への減量指導

2.動脈硬化進展予防のための循環器疾病管理

3.心臓リハビリテーションにおけるリスク層別化と効果判定指標

4.虚血性心疾患再発予防のための介入効果判定

5.心不全における治療効果判定

6.心血管イベント発症予測


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書籍情報

  • ISBN:9784525210212
  • ページ数:90頁
  • 書籍発行日:2015年1月
  • 電子版発売日:2019年6月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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