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- 終末期の肺炎
商品情報
内容
終末期の肺炎.この言葉を聞いたとき、あなたはネガティブな感情をもたなかっただろうか? 繰り返す誤嚥,認知症での意思決定,抗菌薬の使い方,胃ろうの是非と栄養管理,リハビリの設定...と終末期の肺炎は悩ましいことだらけなのである.本書ではそれらの問題をどこまでも深め,正しく悩むための判断材料やフレームワークを紹介している.
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序文
序
この書籍は,2018年11月に南山堂の月刊誌『治療』で「終末期の肺炎」という特集をさせていただいたものが書籍化されたものである.一見すると地味なタイトルであるが,この本を取った皆さんは,タイトルを見てどのような印象をもつだろうか.「誤嚥性肺炎を繰り返す認知症の患者に対して,抗菌薬の投与をいつまで続ければよいのか悩ましい」だろうか.それとも「胃ろうの是非を本人の意思が確認できないまま決断することが悩ましい」だろうか.ひょっとしたら「NSTやリハビリはいつまで頑張ればいいのか悩ましい」という前向きなものかもしれないし,「敗戦処理のようなもので治療にやりがいを感じない.医師として無力感を感じて悩ましい」という後ろ向きな印象もあるかもしれない.そう,終末期の肺炎は悩ましいことだらけなのである.私は高齢化率38%の地域で175床の病院に勤務している家庭医療専門医であるが,この問題に直面するたびに「リハビリ介入や栄養管理が大事とはいえ,どこまで治療すればいいのか」,「胃ろうの決断をどうしようか」,「他の医師ならどうしているのだろうか」とあれこれ悩んでいるのが現状である.
本書は,そんな悩ましい終末期の肺炎を総合診療の視点でどこまでも深めよう,という企画である.そもそも終末期の肺炎とはどのような状態をいうのか.その線引きをどこに設定するのか,あるいは本当に線引きなんてできるのか.終末期の肺炎に抗菌薬を投与する以外の治療はあるのか,それはどこまでするのか,はたまた治療を差し控える基準はあるのか.家族に胃ろうに関して尋ねられた時に判断材料になるようなエビデンスはあるのか.
読者の皆さんの悩みを解決するつもりが,かえって悩ましくなってしまうかもしれないが,正しく悩むための判断材料や,治療の枠を超えた家庭医療のフレームワークを紹介しつつ,総合診療医が専門性を発揮する終末期の肺炎診療とは何かを考えていきたい.
2020年12月
大浦 誠
目次
Ⅰ章 高齢者肺炎の治療を徹底的に勉強しよう
まずは治療の引き出しを増やそう
01 これまでの誤嚥性肺炎診療の歴史/官澤 洋平
02 誤嚥性肺炎の重要性を経済的観点から考察する/﨑山 隼人
03 肺炎診断の難しさ/上田 剛士
04 肺炎治療の難しさ/川島 篤志
05 誤嚥性肺炎のABCDEアプローチについて/森川 暢
内科的治療を超えた肺炎治療を深める
06 口腔ケアのエビデンス,食事中の体位,嚥下機能改善に向けた薬物選択/松本 朋弘
07 完全側臥位法のメリット·デメリット,どこまでやるか/川端 康一
08 オーラルフレイル,サルコペニア,リハ栄養/若林 秀隆
09 データに基づく歯科的介入/長谷 剛志
10 総合診療医だけでできる嚥下機能評価/佐藤 健太
Ⅱ章 それでも治せない高齢者肺炎
11 終末期診断の難しさ/荒幡 昌久
12 胃ろうや中心静脈栄養のエビデンス/矢吹 拓
13 倫理的問題,ACPについて/川口 篤也
14 嚥下障害をどこまで積極的にリハビリするか/前田 圭介
15 治療の差し控え·中止と自己決定/高乗 智之
16 同意能力を欠く患者の医療同意/石田 瞳
17 認知症の患者に理性はあるか/盛永 審一郎
18 最期の肺炎を迎えたときに何をすべきか/大屋清文
Ⅲ章 総合診療医の個性を肺炎診療に活かそう
19 訪問診療のコツ/川渕 奈三栄
20 デバイスを上手に使おう/古屋 聡
21 嚥下エコーの簡単な導入方法からマニアックな実践例について/白石 吉彦
22 誤嚥性肺炎におけるゴールの話し合い/植村 健司
23 家族志向性アプローチの活用/大浦 誠
24 交渉術/奥 知久
25 誤嚥性肺炎の終末期に対する行政·福祉の支援/三浦 太郎
おわりに
26 終末期肺炎診療は総合診療医の専門性が発揮される/大浦 誠
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書籍情報
- ISBN:9784525210519
- ページ数:175頁
- 書籍発行日:2020年12月
- 電子版発売日:2021年1月8日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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