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- 下肢MRI読影の一手 3120画像からみた定跡
商品情報
内容
MRIの黎明期から現在に至るまで,16万件以上の国内トップクラスを誇るMRI検査数であらゆる整形外科疾患を撮像してきた著者らが,25年間の集大成として培った情報と経験を披露する.病変部と正常像を比較できる構成やスカウトビューで三次元的に画像を把握できるなど,診断につなげる読影法と3000枚以上の圧倒的画像数で読者の経験値を補完するための最善手となる圧巻の下肢MRI画像集.
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序文
序
「先生,整形外科領域でMRI 装置は必要ですか?」 私が医師になりたての頃,MRI購入検討にあたり,ある病院の院長から尋ねられた言葉です.当時はまるで幽霊のような画像が並ぶだけで,これが本当に役に立つのかと頭を悩ませていた時代です.ところが,四半世紀が経過し,今では目から鱗が落ちるような鮮明な高画質画像になり,MRIは整形外科領域ではなくてはならない検査となってきました. 当院では開業以来,あらゆる整形外科疾患のMRI 検査を行ってきました.そのなかには簡単に診断できる典型的な症例もあれば,読影が困難なめずらしい症例もありました.これらの膨大な症例から本当に多くのことを学ばせていただき,情報と経験の蓄積こそが正確な診断に繋がるものと信じています.そして少しでもそれらを残し伝えていくことが,のちの画像診断の進歩に必要不可欠ではないかと考えていました.奇しくも当院の松下幸男 診療放射線技師長(将棋部部長)にも,読影に役に立つMRI画像の書籍を作りたいという強い思いがあり,当院が25 年間積み上げてきたMRI 読影・診断の結晶として,作り上げたのがこの一冊です.
本書の各論では数多くの症例とピットホールを掲載し,疾患ごとに患者情報と画像所見を照らし合わせ,読影と診断のポイントを明確にしています.また正常像を理解していることが病変部を見つける上で大事なポイントと考え,できるだけ病変部と正常像を比較できる構成としました.さらに症例画像にスカウトビューを加え,病変部を三次元的に把握することが可能です.また総論では撮像法の種類や特徴,部位ごとの撮像プロトコルとMRI 解剖を掲載し,特にMRI 解剖は多数のスライス面で下肢の主要な組織である骨,靱帯,筋肉,腱を解剖学的にわかりやすく図解しています.
これまでにはないMRI の書籍になったと確信しています.MRI画像の写真集という感覚で座右に置いて気軽に読んでいただけば望外の喜びです.今回の著書に至り,監修の佐粧孝久先生はじめ,西須 孝先生(小児疾患の項),山下桂志先生(股関節・骨盤の章),永嶋良太先生(足関節・足部の章)には,ご指導とご協力を賜りこの場を借りて深く御礼申し上げます.
2021年2月
西川整形外科 院長
西川 悟
目次
各論Ⅰ.股関節・骨盤
1.骨軟骨疾患
A.変形性股関節症
B.関節唇病変
C.大腿骨頭壊死症
D.一過性大腿骨頭萎縮症
E.急速破壊型股関節症
F.ストレス骨折
G.非定型大腿骨骨折
2.外傷性疾患
A. 骨折
B. 筋損傷
3.炎症性疾患
A.異所性石灰沈着症
B.有痛性弾発股
C.感染性疾患・類似疾患/炎症性疾患
4.小児疾患
A.股関節炎
B.Perthes病
C.大腿骨頭すべり症
5.占拠性病変
A.腫瘤性疾患
B.関節内遊離体
C.腫瘍性疾患・類似疾患
各論Ⅱ.膝関節
1.半月板
A.損傷形態による分類
分類Ⅰ:垂直断裂(バケツ柄断裂/水平断裂/複合断裂)
分類Ⅱ:完全断裂/部分断裂
B.典型的な半月板断裂・障害
C.Mink 分類
2.靱帯
A.前十字靱帯
B.後十字靭帯
C.内側側副靭帯
D.外側側副靭帯
E.複合靭帯断裂
3.骨軟骨疾患
A.離断性骨軟骨炎
B.軟骨損傷
C.特発性膝関節骨壊死症
D.一過性膝関節骨萎縮症
E.ストレス骨折
F.傍骨端線部限局性骨髄浮腫
G.骨端症
H.分裂膝蓋骨
4.外傷性疾患
A.骨折・骨挫傷
B.膝蓋骨脱臼
C.軟骨欠損
D.筋・腱損傷
5.炎症性疾患
A.overuse syndrome
B.感染性疾患・類似疾患/炎症性疾患
C.滑膜炎
6.膝蓋大腿関節障害,膝蓋下脂肪体疾患
A.滑膜ひだ障害
B.膝蓋下脂肪体疾患
7.占拠性病変
A.関節内遊離体
B.腫瘤性疾患
C.腫瘍性疾患・類似疾患
各論Ⅲ.足関節・足部
1.骨軟骨疾患
A.距骨骨軟骨障害
B.退行性
C.骨壊死
D.骨端症
E.ストレス骨折
F.種子骨・副骨障害
G.足根骨癒合症
2.外傷性疾患
A.骨折
B.靱帯損傷
C.腱・筋損傷
3.炎症性疾患
A.overuse syndrome
B.感染性疾患・類似疾患/炎症性疾患
C.滑膜炎
4.占拠性病変
A.関節内遊離体
B.腫瘤性疾患
C.腫瘍性疾患・類似疾患
5.その他の疾患
A.絞扼神経障害
B.腓骨筋腱脱臼
C.血友病性関節症
各論Ⅳ.大腿・下腿
1.外傷性疾患
A.筋損傷
2.overuse syndrome
3.占拠性病変
A.良性腫瘍
B.悪性腫瘍
総論
1.撮像法の種類と特徴
2.各部位の撮像プロトコル
A.股関節・骨盤
B.膝関節
C.足関節・足部
D.大腿・下腿
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書籍情報
- ISBN:9784525222314
- ページ数:407頁
- 書籍発行日:2021年3月
- 電子版発売日:2021年5月19日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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