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- どんな診察室にも役立つ アレルギー疾患まるわかりBOOK
商品情報
内容
子どもから大人,急性期から慢性期までどんなアレルギー疾患にも対応できるようまとめた書籍.「臨床編」ではよくある質問から成り立っており,著者の日々の診察で得た指導に役立つエッセンスが簡潔にまとめられている.多様な患者を診るプライマリ・ケア医やアレルギー疾患を一通り学びたい方におすすめの一冊.
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序文
はじめに
系統だったアレルギー性疾患に関する教科書や診療マニュアルはきわめて多数刊行されており,まさに百花繚乱という状況にある.本書は,日常臨床に役立つノートとして思いつくまま自由に書き上げたものであり,教科書やガイドラインではない.
つまり,基礎事項の単純な羅列を避け,実地臨床での経験を踏まえて即戦力となるような記載を多くしたいという狙いで書き進めた.そのため,項目の順列が類書とは異なっていたとしても気にせず,アレルギー疾患ではない疾患の話なども内科・小児科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科などの診療科目の枠を意識せずに,平素から総合診療を行っている立場で記載した.そのため,本書の内容は,著者の主観がたぶんに含まれていることをご理解いただきたい.アレルギーの分類や検査方法についての詳細な記載がないことなども,あえてそのままとした.
小児科研修医として医療の世界の門をくぐった著者は,医療過疎地での勤務や中国勤務を経験し,その過程において小児科ベースの総合診療医としてさまざまな医師に学び,新生児から高齢者まで多種多様な症例に接する機会を得てきた.
「いろいろなことをやりたい」のではなく,「いろいろなことをやらざるを得ない環境で研修を行った」ことが今も影響しており,いろいろなことを学び,経験する契機となったと自身では考えている.現在もいろいろなことに関心をもつ姿勢は変わっておらず,日々の実地臨床で日々さまざまなことを経験し,学んでいる.
2015年12月から施行された“アレルギー疾患対策基本法”に示された「国や地方公共団体のアレルギー疾患対策に協力し,アレルギー疾患の重症化の予防および症状の軽減に寄与するように努めるとともに,アレルギー疾患を有する者の置かれている状況を深く認識し,科学的知見に基づく良質かつ適切なアレルギー疾患医療を行うように努めなければならない」という医師の責務を果たすべくさまざまな情報を収集し,学ぶよう日々努めている.
本書は,これらの経験を通して総合診療医としてさまざまな診療科の医師に役立つようなメモを集めたノートとしてまとめたものである,というのが適切であろう.それゆえにアレルギーに似た症状を示し,アレルギーと混同される可能性がある日常的にみられる疾患も積極的に取り上げている.また,ガイドラインにはない事柄もあえて書いているが,それは実地臨床でしばしば直面する問題を選ぶように心がけた.
「アレルギー総合ガイドライン2019」は,さまざまなアレルギー疾患が合併しやすいことを意識して患者の年齢や診療科を超えた対応ができるように,という観点から編集されているが,本書も同様の視点に立って作成したことを申し添えておく.
2020年7月
橋本 浩
目次
Ⅰ. 基本編
1. アレルギーの基本
アレルギーとは
大人と子どもの違い
アレルゲン
2. 検査についての基礎知識
喀痰好酸球検査/鼻汁好酸球検査
IgE抗体の検出のための検査方法
アラスタット法
コンポーネント特異的IgE測定
IgG抗体の検出のための検査方法好塩基球活性化試験
好塩基球活性化試験
リンパ球幼弱化試験(リンパ球刺激試験)
パッチテスト
TARC
抗原誘発試験(抗原負荷試験)
呼吸機能検査
気道過敏性試験:標準法
気道過敏性試験:アストグラフ法
気道可逆性試験
ピークフローメーター
気道過敏性運動誘発試験
呼気NO濃度(FeNO)検査
3. 治療法についての基礎知識
患者指導の基本
アレルギー反応を完全に阻止するための免疫療法(免疫寛容の誘導)
4. 緊急時の対応
喘息発作・急性増悪
アナフィラキシーショック
重症薬疹
Ⅱ. 疾患編
1. 子どもに多い疾患
アトピー性皮膚炎
アレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)
アレルギー性結膜炎
気管支喘息
食物アレルギー
食物アレルギー患者への栄養食事指導
食物アレルギーに対する経口免疫療法
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
食物誘発性蛋白胃腸症(新生児・乳児消化管アレルギー)
蕁麻疹
2. 成長に伴って考えておくべきこと
食物アレルギーが関与する乳児アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎と眼科合併症
大人の小麦アレルギー
3. 成長中や大人に多い疾患
気管支喘息
咳喘息
過敏性肺炎
好酸球性肺炎(PIE症候群)
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(アレルギー性気管支肺真菌症)
食物アレルギー
血管性浮腫
接触(性)皮膚炎
好酸球性副鼻腔炎
口腔アレルギー症候群
Ⅲ. 臨床編
1. 皮膚症状
ある食物を食べたら発疹が出たので,食物アレルギーですよね?
ある食物を食べたら体調不良に!これって食物アレルギーですか?
皮膚がいつもカサカサしていますが,大丈夫でしょうか?
皮膚がかゆくて赤みがありますが,これって蕁麻疹でしょうか?
湿疹を何度も繰り返しているのは,アトピー性皮膚炎だからでしょうか?
2. 消化器症状
ある食物を食べるとおなかが痛くなって下痢をするのは,アレルギーですか?
子どもがミルクを飲んでは嘔吐します.アレルギーでしょうか?
3歳の子どもです.ある食物を食べると吐き気や下痢が続き,体重が増えません…….
1か月以上,下痢が続いています.大丈夫でしょうか?
3. 上気道炎症状 (鼻水・鼻づまり・くしゃみ・咳)
1ヶ月ほど鼻水が止まりません.これってアレルギー性鼻炎ですか?
子どもが鼻水・鼻づまりでうまく哺乳できません.両親がアレルギー性鼻炎なのですがこの子もでしょうか?
4. 眼症状 (かゆみ・目がショボショボする,ゴロゴロする,クシャクシャする)
眼がショボショボして赤いのですが,アレルギー性結膜炎でしょうか?
5. 長引く咳や喘鳴・夜間の咳
1週間前から何度か夜間から明け方にかけて咳が出ます.喘息でしょうか?
子どもが発熱後,夜間の咳がひどいため受診しました.喘息なのでしょうか?
子どもが風邪をひきました.熱は下がりましたが咳が続いていて……アレルギーですか?
子どもの咳で,ゼイゼイ,ヒューヒューという音がします.喘息でしょうか?
6. 薬を飲んだ後に出る症状
薬を飲んだら体調不良になりました.これってアレルギーですか?
7. 知っておきたいアレルギー疾患
アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)
物理アレルギー
ラテックスアレルギー
ペットアレルギー
昆虫アレルギー
ヘアカラー(髪染め)アレルギー
精液アレルギー
輸血関連性急性肺障害
化学物質過敏症
シックハウス症候群
アレルギー疾患を学ぶ際に有用な参考文献
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書籍情報
- ISBN:9784525235710
- ページ数:206頁
- 書籍発行日:2020年7月
- 電子版発売日:2020年8月7日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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