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- 小児感染症の微生物検査の進め方
商品情報
内容
小児感染症診療で必要な微生物検査について,各検査の原理や検体採取・保存方法などの基礎知識をわかりやすく説明し,さらに疾患別に,原因微生物や診断の絞り込みに必要な検査を選び,検査結果をいかに解釈して鑑別診断や治療選択へつなげていくのか,その思考プロセスまで,小児感染症科医が実践的に解説した.“感染症診療のKey”となる微生物検査の知識を凝縮した1冊!
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序文
序文
小児の感染症診療において,“微生物検査”は診断のための重要なツールです.小児感染症を学ぶ過程で,意外と検査の適応や解釈のしかたなどについては,臨床研修でも詳しく教わってこない領域だと思います.「とりあえず感染を疑ったので培養検査を出しました」ではいけません.その検査をなぜ出すのか理解しないで,なんとなく出した微生物検査は,結果の解釈も難しくなります.どこまで診断を絞り込んで,何を鑑別するためにどうしてその検査を選んだのか,検査の限界は何なのかを理解していることが,正しく微生物検査を使いこなすコツです.
本書はそんなエッセンスをギュッと凝縮すべく,東京都立小児総合医療センターの感染症科で研鑽を積んだ新進気鋭の若手医師が執筆しました.当センターでは2011年に小児感染症フェローシッププログラムを開始以来,一般の小児科で行われる10年分の感染症診療の経験を1年で経験してしまうような年間1,000件を超えるさまざまなコンサルテーションを行ってきました.外科医に例えると,年間10件の手術をする研修医と,年間100件の手術をこなす研修医では,おのずと技量や知識に差が出てきます.小児感染症科では,一般小児患者から,免疫不全,重症感染症,ワクチン相談,先天性感染,感染対策,抗微生物薬の適正使用,性的虐待,海外渡航後の感染症まで,何でも来ます.毎日の回診や診療で,フェローの先生方は,怒涛の千本ノックの症例経験から徹底的に鍛えられて,ときには悩みながら最善の検査を選択してきました.本書の執筆者も,今は当センターや全国あちこちで活躍するバリバリの小児感染症科医です.小児感染症と一口にいっても範囲は膨大で,これだけ幅広い分野の各論をカバーできる人材はなかなかいません.これからの小児感染症領域をリードしていく一騎当千の執筆陣です.
本書を手に取っていただくと,小児感染症科医の頭の中をのぞくことができ,どのような思考プロセスでその検査を選ぶかがわかるようになります.ぜひ皆様の小児科診療や勉強に役立てていただき,感染症で困っている子どもたちの診療の一助になれば幸いです.
2023年3月
堀越裕歩
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目次
Part I 微生物検査の基礎知識
1 小児感染症診療の手順と微生物検査の位置づけ
2 迅速抗原検査
3 塗抹検査
4 血液培養検査(細菌,真菌)
5 細菌の培養同定検査
6 細菌の薬剤感受性検査
1)薬剤感受性検査
2)アンチバイオグラム
7 抗酸菌の培養同定検査,薬剤感受性検査
1)結核菌および非結核性抗酸菌の培養同定検査
2)抗酸菌の薬剤感受性検査,耐性遺伝子検査
8 真菌の検査
1)真菌の培養同定検査,薬剤感受性検査
2)真菌のバイオマーカー検査
①β-D-グルカン
②ガラクトマンナン抗原
③クリプトコックス抗原
9 核酸増幅検査
10 血清抗体検査
11 毒素検査
1)Clostridioides difficileの毒素
2)ベロ毒素
3)黄色ブドウ球菌の毒素(PVL, SE, ET, TSST-1)
12 小児感染症診療におけるTDM
1)バンコマイシン
2)テイコプラニン
3)ゲンタマイシン,トブラマイシン,アミカシン
4)ボリコナゾール
Part II 実践!疾患別の微生物検査の進め方
1 血流感染症
1)菌血症
2)真菌血症
3)3か月未満乳児のウイルス血症
2 神経系感染症
3 呼吸器系感染症
1)A群溶連菌咽頭炎
2)百日咳
3)ウイルス性上気道炎
4)細気管支炎
5)肺炎
6)膿胸
4 頭頸部系感染症
1)化膿性中耳炎
2)化膿性副鼻腔炎
3)眼周囲・眼窩蜂窩織炎
4)感染性結膜炎
5)ウイルス性唾液腺炎
5 循環器系感染症
1)感染性心内膜炎
2)心筋炎・心外膜炎
3)感染性血管炎(Lemierre症候群)
6 消化器系感染症
1)感染性胃腸炎
2)腹腔内膿瘍・腹膜炎
3)抗菌薬関連下痢症─Clostridioides difficile infection(CDI)
7 肝胆道系感染症
1)肝炎
2)胆嚢炎・胆管炎
8 尿路系感染症
9 皮膚・軟部組織感染症
1)伝染性膿痂疹(とびひ)
2)水痘・帯状疱疹
3)麻疹
4)風疹
5)カポジ水痘様発疹症
6)皮膚カンジダ症
7)皮下膿瘍
8)化膿性筋炎
9)表在リンパ節炎(頸部,鼠径部,腋窩)
10 骨・関節感染症
1)骨髄炎
2)関節炎
11 生殖器感染症
1)精巣炎
2)精巣上体炎
3)尿道炎
4)外陰部炎
5)子宮頸管炎
6)骨盤内炎症性疾患
12 特殊な状況での感染症
1)新生児の先天性感染症
①先天性トキソプラズマ感染症
②先天性サイトメガロウイルス感染症
③風疹(先天性風疹症候群)
④先天梅毒
⑤新生児単純ヘルペスウイルス感染症
⑥水痘(先天性水痘症候群)
⑦新生児HIV感染症
⑧HTLV-1母子感染
⑨新生児結核
⑩先天性ジカウイルス感染症
2)免疫不全者の肺炎
3)免疫不全者の消化管感染症
①カンジダ食道炎
②サイトメガロウイルス腸炎
4)術後創部感染症
5)医療機器関連感染症
①カテーテル関連血流感染(CRBSI)
②カテーテル関連尿路感染(CAUTI)
③人工呼吸器関連肺炎(VAP)
6)好中球減少性発熱,造血幹細胞移植後の感染症
7)動物による咬傷
8)国内における小児の寄生虫症・人獣共通感染症
①日本海裂頭条虫症,蟯虫症
②ダニ媒介感染症─リケッチア科細菌感染症(ツツガムシ病,日本紅斑熱)など
③淡水曝露によるレプトスピラ症
④クリプトスポリジウムによる消化管感染症
9)開発途上国などの渡航後発熱
10)被性的虐待児
Column
・せっかく採取した検体,その保存方法で大丈夫?
・MICが低い薬剤のほうがよいと勘違いしていませんか?
・耐性遺伝子(耐性機序を制御する遺伝子)の存在する場所が,プラスミド型か,染色体型かに注意
・真菌のバイオマーカーが上がっていたら,本当に真菌感染?
・血清抗体検査の半定量と定量・定性の結果判定,解釈の違い
・炎症性マーカーの上昇は,細菌感染が原因といえるのか?
・なぜ薬物血中濃度を測る必要があるのか?─PK/PD, TDMの必要性
・濃度依存性,時間依存性の薬剤とは?
・微生物が検出されたら,感染で悪さをしているといえるのか?それとも,ただそこにいるのを見つけただけ?
・検査で大事なのは“事前確率”
・診断や治療のための検査と,サーベイランスのための検査の“目的”の違い
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書籍情報
- ISBN:9784525289218
- ページ数:315頁
- 書籍発行日:2023年4月
- 電子版発売日:2023年4月21日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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