腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術 マスターガイド

  • ページ数 : 198頁
  • 書籍発行日 : 2011年4月
  • 電子版発売日 : 2012年10月6日
9,350
(税込)
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商品情報

内容

本書は腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)を行う上での準備、適応、EVARの基本留置手技と応用編ならびにトラブルシューティングと、第一線の血管外科および放射線科専門医が豊富な写真とシェーマを多用し、各手技のノウハウや注意点を実践に即して解説されている。
今からEVARを始めようとする初心者から、これから少し応用編に取り組もうとする医師、またある程度の経験をもつ医師にとっても非常に有意義な、EVARにおける系統的なテキストです。

序文

腹部大動脈瘤治療は外科手術が一般的であったが,腹部大動脈瘤に対する市販のステントグラフトが2006年に日本で認可されてから,その治療法の選択において著しい革命,変化が起こった.腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)は現在3種類のデバイスが使用されている.日本ステントグラフト実施基準管理委員会の集計によると,2010年12月までに約9,400例が施行されており,日本での腹部大動脈瘤治療の約30~40%を占めるようになっている.欧米ではすでに60~70%にEVARが行われており,近い将来,日本でも,欧米諸国と同程度の頻度になるのは間違いないと思われる.

日本では日本血管外科学会を含む関連10学会により構成された「日本ステントグラフト実施基準管理委員会」により施設基準,実施医基準および指導医基準が定められ,書類審査の上認定される.2010年12月現在,腹部の3種類のステント指導医の合計はのべ約193名で,実施施設数は262である.現在も実施医,指導医が増加しつつあり,さらには新しいデバイスの開発とともに,今後EVARの占める位置は重要になっていくのは明らかで,今後血管外科医,心臓外科医がその手技をマスターしていく必要があるのは言うまでもない.

そこで,今回EVARの手術手技のテキストを企画させていただいた.本書は日本でこれまでに多数のEVARの経験がある著名な先生方に執筆を依頼し作成した.EVARを行う上での準備,適応,EVARの基本留置手技と応用編ならびにトラブルシューティング,さらには個々の症例を提示してそれぞれの治療手技やポイントが解説されている.今からEVARを始めようとする初心者から,これから少し応用編に取り組もうとする医師,またある程度の経験をもつ医師にとっても非常に有意義な,EVARにおける系統的なテキストである.実際の写真やイラストが多数掲載されており,このテキスト1つでEVARのすべてが理解できると言っても過言ではなく,基本から応用編まで網羅されている.本書が明日からの治療に役立てば幸いである.


2011年 3月

名古屋大学大学院 教授
古森 公浩

目次

第I章 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術の実施基準と日本の現状

1 ステントグラフトの導入とlearning curve

2 実施基準作成の経緯

3 実施基準管理委員会

4 実施基準管理委員会による審査

5 追跡調査結果から見た日本の現状

第II章 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術の歴史と欧米の治療成績

1 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術の歴史

2 腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術の欧米の治療成績

第III章 術前の準備

1 血管撮影装置

2 機器・器材

3 手技の手順書

4 放射線被曝の防護用具

第IV章 基本手技と必要な血管内治療カテーテル

1 両側総大腿動脈の露出

2 穿刺・シース挿入

3 ガイドワイヤーの挿入

4 大動脈造影

5 カテーテルの種類と特徴

6 バルーン

第V章 デバイスと手技の実際

1.Zenith Flex

1 特 徴

2 適 応

3 ケースプランニング

4 留置の実際

5 ピットフォールとその対策

2.Excluder

1 特 徴

2 適 応

3 ケースプランニング

4 留置の実際

5 ディプロイメント法の工夫

3.Powerlink

1 特 徴

2 適 応

3 ケースプランニング

4 留置の実際

5 ピットフォールとその対策

第VI章 術中術後の追加手技

1.内腸骨動脈塞栓術

1 塞栓の時期

2 塞栓のストラテジー

3 塞栓術の実際

4 合併症

2.内腸骨動脈再建術

1 血行再建術の種類

3.PTA

1 PTAの実際

2 ステント留置術の実際

3 後拡張

4.Tug of wire法

1 Tug of wire法の実際

5.脚カニュレーションと腎動脈カニュレーション

1 脚カニュレーション

2 腎動脈カニュレーション

6.術直後エンドリークの治療

1 エンドリークの診断

2 エンドリークの治療

7.コンバーター挿入とF-Fバイパス術

1 腹部大動脈瘤,閉塞性動脈硬化症,後腹膜線維症合併症例

2 感染性腹部大動脈瘤

3 左総腸骨動脈瘤

第VII章 術後の経過観察と合併症の治療

1.遠隔期経過観察

1 経過観察方法

2 経過観察のポイント

3 注意点

2.合併症の治療

1 遠隔期エンドリークに対する治療

2 ステントグラフトの移動に対する治療

3 ステントグラフト閉塞に対する治療

第VIII章 ステントグラフト内挿術の将来展望と課題

1.胸腹部大動脈瘤に対する枝付きステントグラフト治療の手技と成績

1 手術手技

2 症例提示

3 治療成績

2.Debranchingの手技と成績

1 日本におけるステントグラフト治療の歴史と現状

2 デバイスの進歩と現状

3 腹部および胸腹部大動脈瘤に対するハイブリッドステントグラフト手術

第IX章 症例提示

1.Zenithの定型例

2.Excluderの定型例

3.Powerlinkの定型例

4.腎動脈ステントを併用した症例

5.高度屈曲例

6.腎動脈ガイディング(short neck例)

7.内腸骨動脈再建を含む症例

8.ステントグラフトで被覆された腎動脈のレスキュー症例

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書籍情報

  • ISBN:9784525315511
  • ページ数:198頁
  • 書籍発行日:2011年4月
  • 電子版発売日:2012年10月6日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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